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【J2:第21節 富山 vs 岡山】プレビュー:継続性をもってチームづくりに取り組む昇格同期クラブの対戦。復調の兆しがみえる富山はライバルに成長ぶりを誇示できるか。(13.06.28)

リーグ前半戦を締めくくる一戦。19位の富山は4試合ぶり、9位の岡山は6試合ぶりの勝利を目指す。勝って後半戦に弾みをつけるのはどちらか。

富山は苦しい戦いが続いている。第17節・徳島戦で8試合ぶりの勝利を挙げたが、その後は3戦未勝利で2連敗中。けが人続きの影響は否めず、安間貴義監督も「今が底と考えればあとは上がるだけ」と言うのが精いっぱいだ。要となる選手が離脱して今季の目玉である[3-6-1(3-1-4-1-1)]の攻撃的なフォーメーションが組めない。最近は守備を重視した[3-4-2-1]で臨んで粘り強く戦ってはいるが、攻撃に勢いを欠き前々節・札幌戦がシュート3本、前節・横浜FC戦が同6本に終わっている。「(前節は)ボールを大事にしようという気持ちが強過ぎたのか、仕掛けられるチャンスを逃している場面があった」(MF舩津徹也)というのが今節に向けての反省点。縦にスピーディーに攻めて相手DFに圧力をかける、こぼれ球を拾って2次攻撃するという本来の姿を取り戻せるかがポイントとみている。

前節はFW三根和起や、けがから復帰したFW黒部光昭といったターゲットマンを前線に起用した狙いとは裏腹に、そこに入れて勝負するボールが少なかった。今季はスピードタイプのアタッカーをDF裏に走らせるパターンが中心だったため、意識の切り替えが円滑にいかなかったようだ。「監督をはじめスタッフが1週間がかりで相手チームを分析してプランを立てている。うちは戦術を徹底して組織で戦わなければならない」と黒部。苦しい時こそやるべきことを整理し、力を集中させて状況を打開したい。
今週からMF大西容平とMFキム ヨングンがけがから復帰して全体練習に合流した。彼らも入って行われた26日の紅白戦では、主力組・サブ組ともにミスが少なく引き締まったゲームが展開され、攻撃の仕掛けに対する意識も高かった。また、負傷した主力選手に代わってリーグ戦を経験した三根、MF村松知輝の意欲的なプレーぶりも目立った。チームに復調の兆しはある。今節できっかけをつかみたい。

岡山は前節、首位G大阪の連勝を6で止め1−1で引き分けた。引き分け数はリーグトップの11にのぼり、負けない強さで好位置をキープしている。11分けの内訳は0−0が4試合、先制点を挙げて追い付かれたのが4試合、追い付いたのが3試合となっている。さらに力をつけて次は勝利数を伸ばしていくことが課題になる。今回はアウェイながらも下位との対戦であり、勝点3を加算して4日後の神戸戦を迎えたいところだろう。
3バックのフォーメーションに継続的に取り組み、全員攻撃・全員守備のスタイルを構築してきた。必要な時には守りを固め、攻守にめりはりをつけた試合運びが可能。総失点19はリーグ3位タイの少なさだ。

富山、岡山ともハードワークとアグレッシブさを売りにしており、このカードは攻守が目まぐるしく入れ替わる激戦になることが多い。昨年は台風の強烈な風雨のもとで行われた富山での試合をはじめ、リーグ戦は2試合とも1−1の引き分けだった。好ゲームになるのは間違いない。どちらが昨季からの進歩をみせつけるのか注目したい。

以上

2013.06.28 Reported by 赤壁逸朗
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