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【NON STOP J2】-J2のススメ- 北嶋秀朗(熊本):導かれ、そして導く孤高のストライカー(13.06.04)

★【NON STOP J2】 -J2のススメ- 紹介選手一覧
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黄色から赤に着替えて間もなく1年が経つ。昨シーズンはあくまで期限付きで、完全移籍となったのは今シーズンから。しかしもう随分と長くいるのではと錯覚するほどチームに馴染み、そして欠かせない存在となっているのは、サッカーに、つまり人生に向き合う真摯な彼の姿勢が、否応無く周囲を巻き込んでいるからに他ならない。

もちろん、熊本での1年を柏レイソルで重ねてきた時間と並べるわけにはいかない。彼自身、「柏がこの先ずっと愛するクラブであることには変わりはないし、心の中で消えることのないクラブであることには嘘をつけない」と、加入直後にも話している。しかしながら「レイソル魂はゴール裏に置いてきた」とも述べている通り、勝利を希求し続け、そのために全てを捧げようとする男の魂は、黄色から赤へと染まりながら、歴史の浅い熊本でも新たに浸透しつつあるのだ。

「お互いに煽り合うような競争のサイクルを作りたい」と、若く経験の少ない選手たちへプレーに関するアドバイスを惜しまず、時には厳しい言葉も投げかけてきた。湘南の一員となった武富孝介が昨シーズン素晴らしい結果を残し、また今年はプロ3年めを迎えた齊藤和樹や仲間隼斗が開幕から得点に絡む働きを見せているのも、そうした競争や刺激がプラスに作用した結果と言えよう。

さらにピッチを離れたところにも目を配り、より「勝利にふさわしいチーム」になるよう働きかける。それが形になったのが、彼の提案を機に昨シーズンの途中から始まった、勝利の後に「カモン!Rosso!」でサポーターとともに喜びを共有するパフォーマンスであり、今年のホームゲームで試合前に行われるようになった儀式 ――サポーターが歌う「HIKARI」(クラブの公式応援歌)を聞きながら集中力と闘争心を高める時間―― だ。こうしたことも含め、「チームを作り上げていく過程に自分が加われる」喜びを感じられるのも、彼が熊本の土を踏むことを決めた理由のひとつだった。

5月に35歳になったが、まだまだ向上の余地があることを信じて疑わない。DFとの駆け引きでクロスに飛び込むプレーを得意とし、自ら「聖域」と表現するニアでの勝負にこだわりつつ、そうした場面を決して多くは作れていないチーム状況に合わせてプレースタイルにアレンジを加えている。同時に、ボディコンタクトの多いJ2のサッカーに適応しようと、昨年から約10年ぶりに上半身の筋力トレーニングを再開する等、新しい環境で自分を生かす術を追求し続けている。

膝の調子も決して万全ではなく、今季は主に後半からの交代出場が多いこともあってまだゴールは生まれていないが、強い意思と柔軟なスタンスで見せるプレーは、チームに変化を、そしてともに戦う選手たちとサポーターには、力と勇気を与える。

様々な巡り合わせに導かれるようにやってきた北嶋秀朗が、熊本を導く様子を、スタジアムで目の当たりにしてほしい。

以上

■6月の試合情報
6月9日(日)J2 第18節 熊本 vs 京都(19:00KICK OFF/うまスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
6月15日(土)J2 第19節 北九州 vs 熊本(18:00KICK OFF/本城チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
6月22日(土)J2 第20節 熊本 vs 群馬(19:00KICK OFF/うまスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
6月29日(土)J2 第21節 熊本 vs 神戸(19:00KICK OFF/うまスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード

2013.06.04 Reported by 井芹貴志

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