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【J2日記】北九州:「クラブと市民を繋ぐ駅」〜JR黒崎駅 駅長 永家啓二さん〜(13.05.28)

北九州市八幡西区の中心街で副都心の黒崎。この街に住む市民のアクセス拠点になっているのが、1日の利用者が約3万人と九州内で6番目を誇るJR黒崎駅。その駅舎の壁一面には、誰もが足を止めて見入ってしまう程の、ギラヴァンツ北九州関連のポスターが数多く飾ってある。
まだお世辞にも、街でギラヴァンツを目にする機会が多いとは言えない現状なだけに、この黒崎駅のギラヴァンツへの応援の力の入れようは、ファンやサポーターだけに限らず、ギラヴァンツに関わる1人として心強い。

去年の3月に黒崎の駅長になられてから、コツコツと活動を始めて来た駅長の永家啓二さん。ご自身は、JR九州の硬式野球部で11年野球をやられていて「今まで応援される立場だったが、全国大会には出場出来なかった。もともとは鳥栖市出身で、サガン鳥栖の活躍を間近で見ていたが、J1昇格には市民の力が大きかった。それなら、今度はギラヴァンツを応援する立場になろうと始めた」と、キッカケを話して下さった。

最初はユニフォームを来ていても利用者の方に、「それ何て読むの?」とか言われたりしていたらしいが、「最近では「昨日ギラヴァンツ勝ったね!」や「チーム頑張ってるね!」とか、声を掛けて貰える様になって来た。3万人が見られる訳ですから、少しは効果が出てきたのかなぁと感じています」と、永家さんは目を細めた。黒崎駅独自に、定期券を購入された方にはギラヴァンツグッズをプレゼントしたり、ホームゲーム前や当日には社員がユニフォーム着たりして、ギラヴァンツをアピールして来た。

「ポスターを貼ったりしたのを、利用者の方がSNS等で広めてくれたお陰で、黒崎駅がギラヴァンツを応援しているのが知れ渡って、たくさんの反響がありました。それが周りの駅にも知れ渡って、6月8日に行われるガンバ大阪戦からは、小倉駅の社員も着る事が決まった。実際、小倉の駅長はサッカーが好きみたいなので、楽しみにしているみたいです。他にも長崎駅の方からも問い合わせが来たりしました。こういう輪が九州全体の駅に広がって行って、ギラヴァンツだけじゃなく、他のクラブも盛り上げて行けたら良いですよね」地道に行って来た活動が、福岡県のみならず、他県の駅にも影響を及ぼしている。

インタビュー終了後に、駅長自ら案内して下さったが、壁のポスターだけでは無く、ICカードをタッチする所やみどりの窓口の受付。はたまたトイレと、いたるところにギラヴァンツの文字が目に付く。ポスターの上に貼られた大きな弾幕を永家さんは指差し「昨年のアビスパとの試合に社員が作った弾幕を、パネルにして飾っています。あのアビスパ戦の盛り上がりは、やっぱり凄かったですよね。今まで2度、昨年のアビスパ戦と京都戦に本城に行きました。2戦2勝で負けなしです。社員も私の影響からか、試合を観に行ったりしてくれたみたいなんですが、一発でファンになった様なんですよ。やっぱり生で観戦すると、あの雰囲気は普通じゃ味わえないので、一度は市民の方に本城に観に行って欲しいですよね。そういう観戦ツアーの企画とかも、これから考えて行きたい」と話し、まだまだ色んな企画を考えているようで「今後は選手に来て貰って、一日駅長をして貰ったり、イベント等に呼びたいと思っています。先ずは市民に、ギラヴァンツの選手を知って貰う事が大事ですからね」とあくまでも、ギラヴァンツ北九州を知って貰う事を第一に考えている。

今年はまだ、試合観戦に行けていない永家さん。チームの現状を、スポーツの経験者らしく、こう分析して下さった。「サッカーを詳しく無いんで上手く言えませんが、今年は選手が大幅に入れ替わって、連携が上手く行って無かった様に思う。あれだけ変わると野球でもそうですが、連携が良くなるまで時間が掛かるし、手探り状態で戦っていたと思う。今は苦しんでいますが、エースの池元君も戻って来たみたいなので、チームの内容も結果も良くなるのはこれからだと思う。私は、チームの力を信じていますよ。ゆくゆくギラヴァンツには、北九州だけじゃなく九州を代表するチームになって欲しい。もちろんアビスパには負けて欲しく無いですし、いつかJ1でサガン鳥栖と対戦して欲しいと思っています。もちろんその時は、ギラヴァンツを応援します(笑)」と、力強く語って下さいました。

最後に、黒崎駅がギラヴァンツにとって、どの様な場所になって行きたいかと尋ねると「ギラヴァンツの情報発信の場所になって、クラブと市民の接点になれる場所にしていきたい。クラブにとっても、駅にとっても、ギラヴァンツがある事によって、たくさんの相乗効果がある。それをもっと、市民の皆様に知って貰いたい。スタジアムは本城にありますが、北九州という名前が付いている訳ですから、北九州全体の駅で盛り上げていけたらと思っています。夢は試合当日に北九州の駅全体で、ユニフォームを着て仕事する日が来たらと思っています」

短いインタビューの時間にも関わらず、永家さんの一言一言からはギラヴァンツへの大きな愛を感じた。黒崎駅で始まったギラヴァンツを応援したいと出した小さな一歩は、北九州市全体に路線の様に拡大しようとしている。

以上

2013.05.28 Reported by 坂本真
(C)坂本 真

JR黒崎駅の駅長、永家啓二さん。手に持っているのは、イベントに呼んだギラヴァンツのマスコット・ギランと鎧姿の永家さん。

(C)坂本 真

現在では、数多くの利用者が使用する公共交通機関のICカード。タッチする度に目にするので、宣伝効果は絶大です。

(C)坂本 真

利用者には必ず目にする事になる通路に、たくさんのギラヴァンツのポスターが貼られています。

(C)坂本 真

駅構内にあるみどりの窓口には、ギランも一緒にお客様をお待ちしています。

(C)坂本 真

許可を頂いて男子トイレに潜入。こんな所にもギラヴァンツが!!

(C)坂本 真

ラブのポスターはもちろん、社員さんが作成した弾幕。ファンやサポーターにはお馴染みの、イラストレーターまいく・ラガ氏のイラストも展示されています。

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