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【J2:第16節 群馬 vs 北九州】レポート:群馬と北九州の下位対決は互いに決定打を欠き消化不良のスコアレスドロー。(13.05.27)

後半アディショナルタイム、青木孝太がペナルティアーク付近から放ったシュートがクロスバーを大きく越えていった直後に主審が試合終了のホイッスルを響かせた。20位北九州を下してのランクアップが至上命令だった21位群馬だったが、決定力を欠いてそのミッションを果たすことができなかった。試合後のスタジアムには、煮え切らない空気と行き場をなくしたため息が交錯していた。

正田スタに到着した群馬の選手バスから最初に降りてきたのは植木繁晴代表取締役ゼネラルマネージャーだった。普段はスタジアムで選手の到着を待つ植木代表だが、この日はクラブハウスでのチームミーティングを見守り、そのまま選手と帯同してきたという。スタジアム入りした植木代表の険しい表情が、チームの置かれた現状を如実に表していた。

4−4−2のシステム同士となる21位群馬と20位北九州のボトム対決。秋葉忠宏監督(群馬)は「ミラーゲームになる」と想定していたが、まさにその通りの内容だった。群馬が北九州の両サイドの裏を狙ったのに対して、北九州は大島秀夫へのロングボールで主導権を奪いにかかる。両チームがきっちりと守備ブロックを形成したゲームは、互いに決定打を繰り出すことができないまま時間が過ぎていく。

前半をスコアレスで折り返した群馬は後半に攻撃のギアを上げていく。前節1年ぶりに先発復帰した左SB保崎淳が闘志あふれるオーバーラップでチームに魂を吹き込んでいく。48分にエース平繁龍一がペナ内で右足を振り抜けば、その直後にはファーサイドから走り込んだ遠藤敬佑がチャンスを迎えるなど、群馬の攻撃は一気にヒートアップ。ゴールを割るのは時間の問題と思われた。

だがどうしても北九州のゴールネットを揺らすことができない。群馬は、70分には後藤涼、71分には加藤弘堅を投入しゲームをキメに行ったが、最後までゴールが遠く、後半8本のシュートはすべて空砲となった。後藤涼は「先発メンバーがゲームを作ってくれたので僕ら途中出場の選手が役割を果たさなければいけなかった」と視線を下げた。

群馬同様に下位脱出を狙った北九州は前半こそペースをつかんだが後半は群馬に押し込まれるシーンが続いた。だが前田和哉、渡邉将基の両CBを中心とした守備陣が相手の攻撃を食い止めてゴールを許さなかった。3試合連続ドローとなったが、アウェイ戦であったことを考えれば悪くない結果。柱谷幸一監督は「守備はコンパクトにすることで安定してきたので次は攻撃の質を高めたい」と課題を口にした。北九州は次節アウェイ京都戦で10試合ぶりの勝利を目指す。

群馬は再三に渡るチャンスを活かせず無念のドローとなった。12試合ぶりの無失点、連敗ストップ(3連敗)という最低限の成果は得たが、勝点3が奪えるゲームだっただけに悔しさが残る。この日、19位鳥取(勝点16)が神戸相手に勝利を収めたため、20位北九州(勝点11)、21位群馬(同)との勝点差は5へと開いた。群馬の戦い自体は決して悪くなかったが、順位という現実をみれば前節より状況は厳しくなった。このままボトムに沈むわけにはいかない。「一戦一戦必死に戦う必要がある」(GK北一真)。連敗を止めた群馬だが、予断を許さない状況は続いていく。

以上

2013.05.27 Reported by 伊藤寿学
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