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【J2:第16節 群馬 vs 北九州】プレビュー:21位群馬と20位北九州の対決はJ2サバイバルゲームの始まり! 勝利に飢えた両チームの対戦は激闘必至!(13.05.26)

オフ明けのトレーニングとなった22日、秋葉忠宏監督は選手にこう伝えたという。「チームはいま残留争いにいる。21位以下であれば来年は仕事がなくなると思え。だれも助けてはくれない。自分たちが撒いたタネは自分たちで刈り取るしかない」。

指揮官の口から「残留」という言葉がハッキリと出たのは初めて。いままでは結果が出ない中でもシーズンを通じたチームの成長を最優先に考えてきた。だが現実が、それを許さない状況へと追い込んだ。21位の群馬にとって勝点10で並ぶ20位北九州との対戦は、来季もJ2で戦うためのサバイバルゲームの始まりだ。

群馬は前節の敵地G大阪戦で大量失点を喫し1−5で敗れた。序盤、平繁龍一のゴールで一時同点に追いついたものの、緩んだ守備を修正することができずに一方的に攻め込まれた。G大阪にとって5ゴールは今季最多得点。相手に与えた決定機は数知れず、5失点で済んだことは不幸中の幸いでもあった。G大阪のレベルが異次元だったことは事実だが、為す術なくやられた印象は否めない。この戦いを続ければシーズン終盤には。降格の2文字が点灯する可能性が高い。

群馬の総失点25は、岐阜の27失点に次いでリーグワースト2位。この数字をみても現在の順位が妥当だということがわかる。今季、群馬は若手にチャンスを与えることで成長を促してきたが、リーグ3分の1が過ぎた今、余裕はなくなった。チーム最古参プレーヤーのGK北一真は「もう成長とか言っている場合じゃない。低迷している事実を受け止めて1戦1戦必死に闘っていくしかない」と警鐘を鳴らす。

リーグ序盤、群馬はテクニックを重視する余り、球際や距離感などの守備の意識が薄れていた。24日の練習中に行われた紅白戦でも球際での軽いプレーが見られ、レギュラー組がサブ組に押し込まれるシーンが目立った。選手、チームスタッフ全体が意識を変えなければこの状況は打破できない。「群馬の原点である全員攻撃全員守備、そしてハードワークを思い出さなければならない」(後藤涼)。群馬は、闘志あふれるプレーを取り戻せるかがカギとなる。

対する北九州だが8戦連続で白星から遠ざかる状況での下位対決となる。群馬同様に、今季就任した柱谷幸一監督のもと新たなチーム作りに取りかかっているが結果をつかむことができていない。成績は、群馬とまったく同じ2勝4分9敗。8節から13節まで6連敗を喫したあと、最近2試合は連続ドローとなっている。9試合ぶりの勝利を狙う北九州は前橋育英出身のベテラン大島秀夫、宮本亨、前田和哉ら経験豊富な選手の存在が、緊迫したゲームを落ち着かせることだろう。群馬・秋葉監督は「同じ4−4−2のシステムだけに、1点を争うミラーゲームになるだろう」と戦況を想定している。

開幕当初に想い描いていたシナリオが崩れ始めている群馬にとって、今節北九州、次節長崎と続くホーム2戦が正念場となる。ここまでサポーターは選手たちに温かい声を送り続けてきたが、チームに変化が見られなければ、その時間は終わる。地域の力を結束させてJ2へと昇格させたチームを降格させるわけにはいかないのだ。たかが15試合されど15試合。昨季16節時点で21位だった町田(22位は岐阜)はシーズン中盤以降に巻き返すことができず最終的にJFLへ降格している。序盤の低迷から脱出するのは想像以上に難解な作業なのだ。J2昇格9年目にして最大の窮地。北九州戦は、群馬というクラブの底力が問われている。

以上


2013.05.25 Reported by 伊藤寿学
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