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【ACL2013】対戦チーム&注目選手紹介:浦項スティーラーズ編〜サンフレッチェ広島同組〜(13.04.02)

・4月2日(火)広島 vs 浦項スティーラーズ@広島 19:00
○ホームゲームチケット
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※浦項フォトレポート

韓国製鉄産業の中心地・浦項市。クジラやマンボーなど珍しい海産物も水揚げされ、韓国有数の水産都市でもある。そんな“労働者と漁師の街”に本拠地を構えるのが、浦項スティーラーズだ。前身の浦項製鉄蹴球団が創設されたのは1973年。1985年には浦項製鉄アトムズの名でプロ化を遂げ、1990年には韓国初となるサッカー専用スタジアム・浦項スティールヤードを建設。ホン ミョンボやイ ドングッなど多くの韓国代表を輩出し、1999年に現在のクラブチーム名に変更されたKリーグ屈指の伝統クラブだ。
その名は海外にも轟き渡り、アジアクラブ選手権含めたアジア制覇は3回。2009年にはACLを制して、FIFAクラブ・ワールドカップにも出場し、Kリーグ勢初の世界3位入賞も果たした。
チームの生え抜きで、Jリーグでもプレーした元韓国代表ファン ソンホン監督体制2年目となった昨季は、国内リーグ3位、FAカップ優勝を果たし、通算4度目のACL出場権を獲得した。

もっとも、チームを取り巻く状況は決して恵まれているわけではない。今季開幕前、ファン ソンホン監督も「戦力の補強は夢でも考えないようにする」と、苦渋の表情で発言した。その背景には、母体企業であるポスコが世界的な鉄鋼産業不況に喘いでいる実情がある。実際、昨季の好調を支えたジク、アサモア、ジョランら外国人選手たちを一斉に放出しており、今季は外国籍選手ゼロ。国内の選手だけで今シーズンを戦い抜かなければならない状況なのだ。
窮すれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず――。
そんな事情もあってか、ファン ソンホン監督は、昨年から“自負心(チャブシム)”という言葉を頻繁に強調する。「勝利のためには、チームと自分への自負心が必要。サッカーでも社会生活でも同じことだ」と言ってはばからないのだ。

もっとも、戦力的には十分ではないという自覚と献身を呼び掛けるその言葉が求心力となり、国内リーグでは開幕から好調を維持している。
現在、第3節まで終了しているKリーグクラシックだが、浦項は2勝1分で全北現代と並び、同率1位をキープ。GKのシン ファヨンが、第3節のMVPに選ばれるなど、好調を示唆する材料も多い。そのシン ファヨンは、チーム好調の理由について、「チームの結束力と自負心が高まったからだ」と話す。
ちなみにシン ファヨンは昨季でFA権を取得し、Jリーグへの移籍が取り沙汰されていたが、浦項への自負心のために残留を決めた。攻守の要であるファン ジンソンも、FA権を行使せず、浦項に残った。外国人選手はおらず、スター選手は少ないが、定評のあるユース組織から育った堅実勤勉な実力者が揃っている。
その底力はACLでも証明されつつある。ホームで迎えた初戦の北京国安戦は0-0で引き分けたが、敵地でのブニョドコル戦ではベストメンバーを温存する若い布陣で挑むも2-2のドロー。2分けでグループ3位にあるが、ファン ソンホン監督も「若い選手たちが今後、浦項をリードすることだろう」と手応えを掴んでいる。
サンフレッチェ広島戦への準備にも抜かりはない。「広島はすでに2敗となったが、それでも昨季のJリーグ優勝チームである以上、油断できない。我々が勝てる確率は半々だ」と、人心掌握術に長けた指揮官は、純国産メンバーたちに再び“自負心”を求めている。

そんな浦項のサポーターたちの間では最近、“鉄負心(チョルブシム)”という造語を盛んに使い始めた。そこには“浦項を愛する鉄のような自負心”という意味が込められているという。Jリーグチャンピオンのサンフレッチェ広島は、“鉄負心”を折ることができるだろうか。はたまた、鉄の団結力に苦渋を飲まされるのだろうか。いずれにせよ、両チームとも後がない状況だけに、双方ともに喉から手が出るほど1勝が欲しいところだろう。

【注目選手】
MF ファン ジンソン(28歳 / 韓国)
1984年5月5日 177cm/70kg
愛称は“浦項のファンタジスタ”、“ファン・カカ”(カカとはブラジルのカカのこと)。浦項のユース育成システムの中で育ち、2003年にデビュー。浦項一筋10年のプロ生活を送っている。昨年は韓国代表に招集され、国際Aマッチデビューも果たした。特異なリズムを持ったドリブルと、状況を一変させるキラーパスが持ち味。浦項スティーラースの中盤をコントロールするキーマンとして活躍している。

GK シン ファヨン(29歳 / 韓国)
1983年4月13日 183cm/78kg
2004年に浦項スティーラーズに加入。GKとしては小柄なほうだが、ジャンプ力と反射神経には定評があり、一部の選手やメディア関係者の中では代表クラスの能力があると認識されている。先日行われたKリーグの第3節ではMVPを獲得。安定感の充実を見せ始めている。日本への移籍を蹴ってまで残留を決めたとされているだけに、Jのチームとの対戦ではモチベーションが高いと予想される。

以上

Reported by (c)pitch communications
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