本文へ移動

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第4節 群馬 vs 横浜FC】プレビュー:正田スタが燃える!秋葉忠宏総大将率いる群馬が、横浜FC松下裕樹を迎え撃つ。正田スタ史上最も熱く激しいバトルは必至。(13.03.19)

群馬にとって横浜FCとの戦いは松下裕樹とのバトルを意味する。群馬県出身の松下は07年から昨年まで6シーズンに渡って群馬(昨季までは草津)でプレーした。08、10、11年は主将を務めるなどクラブの象徴としてチームをけん引、その存在感は突出していた。そして今季は横浜FCへ移籍、背番号36を背負い副将として開幕3戦にフル出場を果たしている。その松下を、群馬が迎え撃つ。

秋葉忠宏監督の“ポジティブ思考”でとらえれば、最高のシチュエーションだ。群馬は17日の前節アウェイ岐阜戦で引き分けに終わり、3試合連続ドローとなった。内容、結果ともに決して満足できる戦いではないが、横浜FCから今季初勝利を挙げるための秀逸なシナリオだと思えば説明がつく。群馬が3分で勝点3となっているのに対して、横浜FCは1勝2分で勝点5。群馬が今ゲームで勝利を収めれば勝点6となり横浜FCを上回る。群馬にとって横浜FC戦は起爆剤だ。

群馬が勝点3を奪うにはゴールが必要だ。開幕3試合の総得点は開幕水戸戦の1点のみ。岐阜戦では相手のプレスに苦しみ攻撃が手詰まりに陥った。また守備では両WBが最終ラインに張りついたことにより中盤で数的不利が発生。ボール奪取位置が低くなり効果的な攻撃につなげることができなかった。群馬は攻守の課題を修正して、攻撃の軸となる平繁龍一、青木孝太、小林竜樹へ生きたボールを配球したい。エース平繁は「シュート数が少ないのでゴールへの意識を持って試合に入る」と初ゴール、初勝利を狙う。群馬は、ブラジル人FWエデルという秘密兵器を懐に忍ばせてゲームへ臨む。

群馬・秋葉忠宏監督と横浜FC・山口素弘監督の師弟対決も注目だ。ふたりは2003年の新潟時代にダブルボランチを組んでJ1昇格を果たしたアルビレックスのレジェンド。山口監督が昨季4月から横浜FCを率いてJ1昇格プレーオフ進出を果たしたのに対して、秋葉監督は今季から群馬で初指揮を執ることになった。横浜FCが松下獲得に動いた際にも山口監督から秋葉監督へ連絡が入ったという。新潟のJ1・10年目のメモリアルシーズンにふたりが監督として対決するのも何かの縁か。秋葉監督は「監督として対戦するのは本当に楽しみだが絶対に負けたくない」と真っ向勝負を誓う。

山口監督のもの2年目のスタートを切った横浜FCは開幕岐阜戦で完勝し白星発進。前節はアウェイでG大阪と対戦し、前半こそ押しこまれるシーンがあったが、後半は安定したプレーをみせてスコアレスドロー。G大阪相手に一歩も引かない戦いでチーム力の高さを示した。ただアンカー松下からの展開をケアされるとチームのリズムが崩れる傾向があるため群馬は、横浜FCのジャンクション(連結点)を徹底的に潰して主導権をたぐりよせたい。松下の特長を消した先に、群馬の勝利がある。

群馬にとって横浜FC戦は単なる1戦ではない。クラブのプライドをかけた戦いだ。秋葉監督のもとゼロからチーム作りに取り掛かった群馬は、試行錯誤を続けながらチームの形を構築している。クラブを取り巻く環境も改善されている。昨季まで人工芝だった練習場も、今季は県内各地を転々としながらも芝生でトレーニングを行うことができている。松下移籍を機にクラブは本気で改革に取り組んでいる。秋葉監督は「松下が(移籍を)後悔するくらいのチームにしてみせる」とクラブ全体の声を代弁する。

松下は今季横浜FCでプレーしているが、彼が群馬に残した功績は色あせることはない。闘う姿勢、気迫、執念・・・群馬は彼のプレーから多くのことを教えてもらった。横浜FCのユニフォームに袖を通して敷島のピッチに立つ松下をリスペクトして迎えるが、勝点だけは譲るわけにはいかない。サポーターも愛情ある大ブーイングを浴びせることだろう。「マツさんから多くのことを学ばせてもらったが勝負は別。結果にこだわって戦う」(中村英之)。群馬は、松下を返り撃ちにしてクラブの底ヂカラをみせる。この試合が、クラブ史上最も熱く、激しいバトルになるのは必至だ。

以上

2013.03.19 Reported by 伊藤寿学
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

J.LEAGUE TITLE PARTNER

J.LEAGUE OFFICIAL BROADCASTING PARTNER

J.LEAGUE TOP PARTNERS

J.LEAGUE SUPPORTING COMPANIES

TOP