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【J2:第3節 山形 vs 長崎】レポート:23歳が躍動した山形が2-0で勝利!長崎は山形のハードワークに屈する。(13.03.18)

今季初勝利を挙げた山形の勝因を、敵将の高木琢也監督が的確に指摘している。
「今日は非常に山形さんがアグレッシブでハードワークをして、そしてシンプルなプレーから狭いエリアでもボールを失わないという技術の高さを持って、我々の選手たちにいい意味でいいお手本になったと思いますし、それだけ今日は山形さんのサッカーに関しては称讃される、もしくは、間違いなく勝点3を取ってもおかしくないゲームだったと思います」

前節では3点リードされたG大阪に対し、後半に執念の抗いで1点を返した長崎も、この試合では反撃の隙を与えられなかった。フィジカルを振り絞り、フィジカルが消耗したら精神力でカバーする山形のしぶとさに、今シーズンもっとも厳しい試合を強いられた。

その山形のしぶとさを引き出す言葉を、奥野僚右監督も試合前の選手たちにかけていた。
「ひとつにならなきゃいけないという話をしました。ひとつになるとはどういうことかというと、チームとしてひとつにまとまって、ひとつでめざす方向にめざす。自分は選手たちのひとつになった粘り強さと、頑張りであったり、チームがひとつになって動く、そういう姿をサポーターとともに見たいんだと。最後までもちろんそういうところには諦めない姿勢を出してもらいたいと、そういう話をしました」。

サポーターがボランティアで除雪作業を行いこぎつけたホーム開幕戦、長いキャンプからようやく落ち着いた生活に戻ったこと、そして開幕から2連敗の悔しさ…。さまざまな思いがピッチ上で表現され、それがベンチへ、そしてスタンドへと広がりを見せていた。

山形に得点の歓喜は2度訪れた。最初は12分。押し込んだ状態で秋葉勝がクロス。山口貴弘がクリアし損ねたボールをロメロ フランクが懸命の競り合いでマイボールにすると、右サイドに開いていた中島裕希に預けると、その中島のクロスをニアで合わせたのはサイドバックの山田拓巳。ロメロ フランクに絡んだその足で一気に縦へ走り込んでいた。「ボールが来たらいいなと思って中に入って、(中島)裕希さんからいいボールが来たので、当たっただけ」とスネで狭いニアを通した難易度の高いシュートだったが、思いきりのよさが相手の対応を遅らせた。

2度目は61分、左角度からの直接フリーキック。直接狙うにはやや角度があるボールの手前には右の宮阪と左の中村太亮が立っていた。センターバックを上げ、直前には伊東俊に代えて山崎雅人を投入したことも含め、中で合わせる選択肢をいくつも散りばめながら、足を振り抜いた宮阪の軌道は湾曲してゴールマウス左隅に吸い込まれた。

この試合でゴールを挙げた山田、宮阪はともに23歳。さらに中村太、途中出場でキレのあるドリブルを何度も見せた廣瀬も同年代だ。若い世代の台頭で山形がつかんだ今季初勝利は、勝点3以上にチームを前進させる。

長崎は後半頭から水永翔馬を入れて2トップに変え、ロングボール主体の攻撃に切り換えたが、前半途中から投入したオ チャンヒョンが神崎大輔に代わる誤算があったり、ボランチから2列目に上がってプレーした井上裕大が「自分的には前半よりも後半のほうが消えてた時間が多いなと感じる」と話すなど機能するまでには至らなかった。

終盤に何度か決定機を迎えた長崎最大のチャンスは88分、山形の廣瀬智靖と山田の連係ミスを突いて金久保彩がボールを奪取。そのままゴールに向かうドリブルで山形のセンターバック2人を引きつけ、フリーでペナルティーエリア右に入った佐藤洸一にパス。今季初出場のGK常澤聡との1対1に持ち込んだが、足元を狙った速いシュートは対応した常澤の体に当たって減速し、カバーリングに戻っていた作田裕次の踏ん張りもあり、ゴールマウスを割ることはできなかった。

「もっとゲームのなかで修正できる力を自分たちでつけていかなければいけないなと。ゲームのなかで自分たちでいい方向に変えていく声だとか、そういうのがもっと必要なのかなというのは感じました」。藤井大輔は、またもお預けになったJ初勝利について、「それは長崎県民、チーム関係者全員望んでいることだと思うので、まずは精一杯、120パーセント、ゲームに出せるように。結果は後からついてくると思う」と前を向いた。

以上

2013.03.18 Reported by 佐藤円
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