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【J1:第1節 大宮 vs 清水】プレビュー:攻撃>守備の大宮、守備>攻撃の清水。期待と不安の入り交じる開幕戦(13.03.01)

大宮アルディージャの2013シーズン開幕は、ホームNACK5スタジアム大宮に清水エスパルスを迎えて戦う。

大宮は昨シーズン13位ながら、終盤はリーグ11戦負けなしで天皇杯もベスト8まで進出した。ベルデニック体制2年目の今シーズンは、勝点53以上を目標に上位進出をねらう。その目標達成のため、自陣に引いて守りを固めて攻撃はカウンター頼みだった昨年から、守備では「前線からプレスをかけてボールを奪う」ことと、攻撃では「カウンターと、ボールを保持して攻撃時間を増やすことの使い分け」を、今年の大宮は目指している。
プレシーズンの練習試合をこなしながら、「前線からの守備が良い形で出るようになっているし、奪ってからの攻撃も一定レベルにある」(金澤 慎)と、選手たちも手応えを感じている。攻撃ではノヴァコヴィッチとズラタンのスロベニア2トップが好調で、東 慶悟(現F東京)の抜けた穴を感じさせない。
ただし守備では、宮崎キャンプ以降の練習試合では毎試合失点し、プレスがかかりきらずピンチを招く場面も目立った。ベルデニック監督も認めるように、「体力的に90分間もプレスをかけ続けられるわけではない」。プレスに行く、もしくは引いてブロックをセットする、その判断は選手たちに委ねられているが、その「意思統一が課題」だと、選手たちは口々に話す。練習試合の相手も、J2もしくは今年J1に上がってきたチームであり、公式戦でJ1の中堅や上位チームに通じるものかどうかは、「正直、やってみないと分からない」(渡邉大剛)。その点で、昨年9位とちょうど中間成績の清水は、自分たちの力を知るために格好の相手と言えそうだ。
また守備では、グアムキャンプから別メニュー続きだったキャプテン菊地光将が戦列に復帰。右サイドバックの渡部大輔も間に合った。菊地の相棒センターバック探しが準備期間の大きなテーマの一つだったが、その椅子は「スピードがあり、しっかりビルドアップできる」(金澤)高橋祥平が射止めた。対人守備の片岡洋介、空中戦無双の福田俊介ではなく高橋を選んだところからも、今年のベルデニック大宮の目指すところが見て取れるだろう。

一方の清水は昨シーズン9位だが、ヤマザキナビスコカップでは準優勝と躍進。ゴトビ体制3年目を迎える今シーズンは、昨年果たせなかったタイトル奪取とACL出場に意欲を燃やしている。今年のチームの目玉は、昨年13ゴールを挙げてドイツ移籍した大前元紀の穴を埋めるべく獲得したバレーだろう。
日本でのキャリアは大宮に始まり、J1昇格に貢献。さらに甲府、G大阪でも毎年二桁得点を挙げている。31歳になった今、さすがに爆発的なスピードは衰えているにしても、190cmで95kgの肉体とパワーは健在。仙台での監督時代にバレーを知るベルデニック監督も、「非常に危険な選手」と警戒を隠さない。そのバレー加入によって、「清水への対策が変わる」と北野貴之はいう。以前は「前線の素早い選手がドリブルで切りこんでくる」イメージだったのが、バレーがいることで「奪われた瞬間に、バレーへの縦パス1本が脅威になる」と。
ただ、ここまで見る限り、清水はまだバレーを使った有効な攻撃は見せられていないようだ。「バレーのコンディションもまだなんだろうけど、そもそもバレーにボールが入らない」というのは、清水担当の前島芳雄氏。前島氏によれば、「3ボランチで守備は安定している。ただ、攻撃時に3ボランチのうち2枚が高い位置を取りきれていないのもあって、攻撃は上手くいってない」とのこと。その安定感を保っていた守備陣にも、新潟戦で左サイドバックの李 記帝が負傷するアクシデントが。吉田 豊が左に回り、右サイドバックには高木純平が起用されそうだが、ここも大宮にとっては突いておきたいポイントだ。

大宮は攻撃に自信を付けているが守備に不確定要素を抱え、清水は守備は安定しているが攻撃はまだ発展途上。といって両者のこれまでの力関係を考えても、攻める大宮と守る清水という図式は描きにくい。意思統一しきれないままプレスをくぐられるようだと、眠っている清水の攻撃力を呼び覚ましてしまう可能性もある。互いにアグレッシブに前線から守備をすることで主導権を奪い合う、引き締まったゲームになりそうだ。

以上

2013.03.01 Reported by 芥川和久
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