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【FUJI XEROX SUPER CUP 広島 vs 柏】柏側プレビュー:2年連続FXSC獲得へ。柏が再び新システムを採用し、王者・広島に挑む(13.02.22)

昨年はリーグチャンピオンとして、今年はカップウィナーとして、柏が2年連続でFUJI XEROX SUPER CUPに出場する。ただ、柏としては17日に行われた第19回ちばぎんカップでは千葉相手に0−3という大敗を喫した直後とあって、一抹の不安が残る。3バックという新たな試みは結果を残せず、残念ながら“大型補強”で加わった新戦力たちも不発に終わった。

ちばぎんカップの敗戦を受けて、FXSCでは従来の4バックに戻すのでは……と予想していたのだが、今週のトレーニングではネルシーニョ監督は再び3バックを採用し、どうやら王者・広島に対してもキャンプから続けてきた新システムをぶつけるようである。そのメンバー構成はほぼ変わらない中、ちばぎんカップからの変更点が1つだけある。ボランチにキャンプ中の軽傷で数日間戦列を離れていたキャプテンの大谷秀和が復帰する。
「新しい選手が何人か入るけど、タニ(大谷)と俺のところは変わらない。タニが前を動かしてくれるし、こちらの指示もタニに言えば全体に伝えてくれる」(近藤直也)。「僕がユースから上がってきてから、ずっとタニ君とボランチを組んでいる。僕が合わせるというよりもタニ君が僕のプレーを引き出してくれる」(茨田陽生)。こうした選手たちの言葉からも大谷への信頼感や、戦術の核としての重要度が伝わってくるだろう。実際に水曜のトレーニングでも、大谷の指示が常に響き渡り、プレーをしながら細かいズレを修正してしまう姿は、まさしく“ピッチ上の指揮官”だった。

まず、注目は新システムの守備面。ちばぎんカップでは3失点と粗を突かれたが、浮かび上がった課題を修正し、あの広島の流動的かつ多彩な攻撃にしっかりと対応ができるかどうか。「広島は一発で裏を取れるし、コンビネーションも熟成されている。1人1人が目の前の選手を空けなければいいけど、広島も剥がすのは上手い」(鈴木大輔)。佐藤寿人の1トップとその下の2シャドーとは、柏の3バックは数的に同数となるため、引き剥がされたらギャップが生じ、そのスペースは後方から飛び込んでくる3人目、4人目の選手の餌食にはなりやすい。鈴木は「声を掛け合いながら意識して受け渡すしかない」と話しているが、それは最終ラインだけに限ったことではなく、各ポジションがそれぞれのマーカーを意識しながら、スムーズに受け渡し、広島の選手を捕まえなければならない。ちばぎんカップの時以上に、新システムの真価が問われることになりそうだ。

一方で、目に見えて1週間前よりも良くなっていることが攻撃面である。特にレアンドロ ドミンゲスとキム チャンスの関係性は、1試合実戦で組んだことで高いレベルまで跳ね上がった。韓国代表のキム チャンスは、タイミング抜群のオーバーラップ、的確なサポートなどさすがのプレーを見せ、すでにレアンドロ ドミンゲスと阿吽の呼吸とも言うべき連携を繰り広げていた。普段から「そのポジションじゃパスを出せない!」「早く上がってこい!」など、味方のポジショニングに難があると容赦なく声を荒げる柏のキングだが、キム チャンスとのプレーではそういった様子もなく、2人は早くも高質な連携を奏でている。「一流は一流を知る」という言葉があるように、レベルの高い両者は、おそらく感覚的に合うのだろう。右サイドからの攻撃は広島の守備を打ち破る糸口になりそうだ。

また、前線で工藤壮人と2トップを組むクレオは、前回よりも多少は動きが出てきた感はあるが、それでもまだまだ精彩には欠ける。ただし、クレオのスケールの大きさは別格。このストライカーの覚醒は、今シーズンの柏の浮沈の鍵を握っていると言っても過言ではないだけに、FXSCを通じてコンディションの飛躍的な向上と、チーム戦術へのフィットを期待したいところである。

この試合の翌日、柏は早速AFCチャンピオンズリーグ初戦の貴州人和戦にために中国へ飛ぶ。ディフェンディングチャンピオンの広島を打ち破りさえすれば、ACLの試合へも、来週開幕を迎えるJリーグへも弾みがつき、これ以上の自信を深めることはない。FXSCを内容の伴った形で終え、良いイメージを抱きながらアジアのステージへ乗り込みたい。

以上

2013.02.22 Reported by 鈴木潤
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