本文へ移動

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第2節 C大阪 vs G大阪】レポート:C大阪、終了間際のケンペス弾で劇的勝利!J1ではホーム長居で11年ぶりにG大阪を破る(12.03.18)

C大阪(以下、セレッソ)にとって、今季最初の大阪ダービーは、最高のエンディングとなった。1−1の引き分けで終わるかと思われた90+4分、これがラストプレーになるかというところで、酒本憲幸の右クロスに、FWケンペスが強烈なヘッドを叩きつけてゴール。この劇的な勝ち越し弾により、G大阪(以下、ガンバ)に2−1と勝利。ホーム・大阪長居スタジアムで、J1の舞台では11年ぶりに宿敵を下し、桜色のサポーターが歓喜に酔いしれた。

2012年ホーム開幕戦、セルジオ ソアレス新監督のもとでのホームお披露目の試合、クラブを長らく支えてきたオフィシャルパートナーカンパニーであるヤンマー株式会社の100周年記念マッチ、ロンドンオリンピックアジア最終予選で活躍した清武弘嗣、山口螢、扇原貴宏の凱旋試合、そして、何よりも絶対に負けられないガンバとの大阪ダービー。セレッソにとって、この試合の重要性はとてつもなく大きかった。それだけに、ケンペスのゴールが決まって勝利した瞬間、「最後の最後で勝ち越せて、本当に最高の気分」と柿谷曜一朗も言うように、選手とスタッフ、サポーターは満面の笑顔にあふれていた。

ただし、「互角の試合だった」とセルジオ ソアレス監督も冒頭で述べたように、ゲームは白熱の展開だった。前半は、ホームのセレッソが攻勢。ロンドンオリンピックアジア最終予選のバーレーン戦から中2日で臨んだ清武、扇原、山口を含め、第1節鳥栖戦と同じメンバーで臨んだセレッソは、公式戦2連敗中と元気のないガンバを、中盤でのパスワークや、扇原、山口らの献身的な守備で制圧すると、19分、先制に成功。GKキム ジンヒョンのパントキックから、これを清武がポストとなって落とし、キム ボギョンを経由して、ブランキーニョへ。すると、今季の10番を託されたブラジリアンが、DFをかわし、GKをよく見て右足できれいに流し込んだ。「ダービーで初ゴールを決めることができ、これだけ重要な試合なので、サポーターのためにもクラブのためにもいいゴールだった」というブランキーニョが挨拶代わりの得点で、最初にスタジアムを熱狂させた。

だがしかし、ガンバもすぐさま意地を見せる。27分に得たFKで、パウリーニョが直接、左足を一閃。あっという間に同点に追い付くと、敵地に集った蒼黒の大サポーターの後押しを受けて反撃。セレッソのU−23日本代表トリオに疲れの色が見え始めた後半には、ガンバが遠藤保仁を軸に、ボールポゼッションで次第に勝るようになる。特に、この試合で攻撃的MFとしてプレーしたパウリーニョは、キレのある動きで相手に脅威を与え、裏への素早い飛び出しも見せるなど、セレッソにとってはやっかいな存在となっていた。

それでも、パウリーニョやラフィーニャらのゴール前への侵入や決定機を、セレッソの茂庭照幸、藤本康太、キム ジンヒョンをはじめとする守備陣が身体を張ってブロックし、追加点を許さずにいると、セレッソに再び流れが戻ってくる。ガンバが先に倉田秋、阿部浩之を投入したのに対し、セレッソも78分に村田和哉を、82分には清武に代えて柿谷を送り込み、前線を活性化すると、クライマックスではその2人が絡んで、ゴールが生まれる。村田が激しいプレスをかけて敵陣でボールを奪うと、柿谷がこれを受けてドリブルで味方を前線に送り込む時間を作り、キム ボギョンへパス。これをキム ボギョンが右サイドバックの酒本に落とすと、冒頭の勝ち越し弾となるシーンにつながった。

「最後まで戦ったチームの姿勢があのゴールにつながった。ラストチャンスだったと思うが、しっかり決めることができて本当にうれしい」と笑顔で振り返った殊勲のケンペスも、これが日本での初得点。「ケンペス1人がゴールを決めたのではなく、サポーターの皆さんの後押しがあったからこそ、ケンペスという選手のゴールにつながった」と、新エースストライカーは、セレッソサポーターへの感謝を忘れなかった。

価値ある今季初勝利を手にしたセレッソだが、「今日の勝利は重要なものだが、もっともっと成長して、もっと安定させて、本当の実力をシーズンのなかで養っていかなければ、タイトルに結び付かない」とセルジオ ソアレス監督。「逆に明日から浮かれることなく、しっかりと地に足をつけて、もう一度初心に戻って戦いを続けていく。これを大事にしたい」と、気を引き締めなおしていた。

一方、ガンバはこれで公式戦3連敗と、新チームはトンネルの出口が遠い。大阪ダービーでも昨年から公式戦ではここ3試合で1分2敗と勝利はなく、試合後にはサポーターからブーイングを浴びていた。それでも、「遠藤、明神(智和)、二川(孝広)、パウリーニョが、結構いい仕事を中盤でやってくれたので、それによってこちらが試合を大部分支配することができていた」とセホーン監督は胸を張り、「チーム全体が一戦一戦よくなってきているので、まだこれから良くなってくると思う」と前を向いていた。

以上

2012.03.18 Reported by 前田敏勝
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

J.LEAGUE TITLE PARTNER

J.LEAGUE OFFICIAL BROADCASTING PARTNER

J.LEAGUE TOP PARTNERS

J.LEAGUE SUPPORTING COMPANIES

TOP