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【キャンプレポート2012:神戸】2月11日(土):新しい神戸が垣間見られた磐田とのトレーニングマッチ(12.02.12)

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神戸の鹿児島キャンプ10日目。この日は磐田とのトレーニングマッチ(30分×4本)が行われた。会場の鴨池陸上競技場で多くの神戸サポーターが見守る中、1、2本目に故障者を除くすべての新加入選手を固めてゲームに臨んだ。

システムは4−4−2。
メンバーはGK徳重健太、センターバックは右に北本久仁衛、左に伊野波雅彦、サイドバックは右が奥井諒、左が相馬崇人、ボランチは三原雅俊と橋本英郎、サイドハーフの右に朴康造、左に野沢拓也、そして2トップは右に都倉賢、左が大久保嘉人。新加入選手でこのトレーニングマッチを回避したのは、FW田代有三、DF高木和道、イ・グァンソンの3選手である。
もちろん、3・4本目にDF近藤岳登やボランチの田中英雄ら昨季のレギュラー選手が入っていたことを考えても、この1・2本のメンバーがそのまま開幕スタメンとはいかないだろう。だが、新加入選手4人を詰め込んだ布陣には、新しい神戸のスタイルを予感させるだけのインパクトがあった。

1本目。序盤は磐田の厳しいプレッシングでボールを奪われ、何度か神戸の左サイドを崩される場面が続いた。11分過ぎには磐田に得点を奪われ、橋本が「失点したことで落ち着いてできなかった」と振り返るように、その後も磐田ペースで試合は進む。だが、1本目の終了間際27分過ぎには、都倉のポストプレーから左の野沢へ展開し、野沢からの中央への折り返しを大久保が詰めるという一つの理想的な形を見せる。29分には相馬の折り返しを都倉が中央で受け、反転シュートする場面も見せた。
先日のロアッソ熊本戦(2月7日 http://www.vissel-kobe.co.jp/whatsnew/wn_3082.html )で負傷し、この日はスタンド観戦となった吉田孝行が「守りでいくのか、もっと攻撃的にいくのか中途半端だった」と振り返るように、全体的にイメージの共有ができていなかったというのが正直な感想だ。

だが、インターバルを挟んで行われた2本目は、まるで別チームになったように神戸が主導権を握った。特に、磐田のダブルボランチに3人でプレスをかけて相手の攻撃の芽を摘むと、橋本→大久保→橋本→朴→橋本→朴といったリズミカルなワンタッチパスも出始めた。この3人の関係に右サイドバックの奥井、左サイドハーフの野沢、FWの都倉が絡み、徐々に連動性も生まれ始める。得点こそ奪えなかったものの、今季の神戸が掲げるテーマの一つであるポゼッションサッカーの可能性は充分に感じられた。
気になったのは、前線のプレッシングからショートカウンターという昨季のスタイルが少なかった点。これに関しては、大久保が「無理に前から行かなくても今季はボールを奪える選手が揃っている。それに、(この時期に)前からプレスをかけるサッカーをしていたら、昨季と全く同じスタイルになる可能性もあるからね」と説明。まだまだ発展途中だが、このスタイルに昨季のプレッシングサッカーが融合すれば、目標のACL圏内も現実味が増すに違いない。

3、4本目に関しては、練習生2人と神戸U-18の松村亮を交えた布陣だったこともあって評価は難しい。ただ、和田昌裕監督は「全体でボールを奪いにいく連動性では1、2本目より良かったと思う」と振り返る。つまり、昨季の神戸に近いサッカー。森岡亮太や小川慶治朗ら期待の若手がこの布陣に入っていた点も考慮すると、1、2本目と3、4本目の融合が開幕までに目指す一つのスタイルかもしれない。
その融合という点で注目したいのが、昨季途中から加入した相馬だ。左サイドで起点となれるキープ力を持ち、神戸の堅守速攻にも慣れている。今季のキーパーソンといっても過言ではないだろう。試合後、「まずは開幕までに自分のコンディションを100%にできればいいかなぁ」と語った相馬。その裏には、昨季は即戦力として期待されながらも、加入後しばらくは故障などもあってコンディションが上がらず、なかなかチームに貢献できなかったという苦い経験があるのかもしれない。今季の目標は「1つでも多く試合に出て、ゴールもしたい」。大型補強に成功した神戸の潤滑油として期待する。

以上

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2012.02.11 Reported by 白井邦彦
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