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【キャンプレポート2012:山形】2月9日(木):細胞レベルからの「体質改善」へ向けて積極的なトレーニングが続く(12.02.10)

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公式戦のピッチをちょうど半分にし、タッチライン側にコーンで設定したゴールを3箇所ずつで計6箇所。中央で2等分する「3対3+フリーマン」+「3対3+フリーマン」。自陣でビルドアップしたボールを相手陣内の味方3人につないでゴールをめざす。プレーはすべて2タッチ以内。
最低限のルールだけ伝えて送り出した奥野僚右監督は、約4分間プレーを見守ったあと、再び選手を集め、こう訊ねた。「今、どんなことを考えてた?」。数人に答えさせたあと、このメニューの目的を説明し始める。
「ゴールは3つだから守備は3人いれば守れる。逆に攻撃側は、それをどう揺さぶるか。長いサイドチェンジは有効だね。そこに気づいてほしい。守備はしっかりしたスライドとカバーリング、それとくさびを入れさせない努力を意識しよう」。そしてチームの対戦を組み替えることを告げると、次のセットに入る前にこう言って送り出した。「まだ声が少ないぞ!」

周囲の状況や選手の組み合わせが違えば、求められるプレーも自ずと変わってくる。それを感じ取り、どんなプレーが自分に求められているかを考える習性が、この新チームには求められている。頭で理解するだけでもいけない。プレーとして具現化するために「いい準備をすることと、いい声(コーチング)を出すこと」との言葉は、今後も折りに触れて奥野監督の口から聞かれるはずだ。

4分経ち、再び選手を集めた奥野監督は、選手たちに「とてもよくなってきたよ」と告げ、「あと考えてほしいのは…」と次なる要求を提示する。「ゆっくりやるところと、相手の弱いところを突くことが重要。それが『仕掛ける』ということ」と、今度は緩急を意識するようにと、一段質を上げた。初めに必要以上の情報を与えない状態でプレーさせたうえで、課題があればそれを指摘し、課題をクリアすれば次なるテーマを提示する。歩みを確認しながら次の行く手を示し、めざすサッカーへ一歩ずつ近づいている。

工夫をこらしたトレーニング手法は、山形県内を中心としたメディアでこう呼ばれてきた……「奥野流」。しかし、第1次・御殿場キャンプを経て、第2次・雲仙キャンプに入った現在、それはめざすサッカーのスタイルをも表す言葉になりつつある。「相手がやってくることを待ってちゃいけない。そういうズレを自分たちで仕掛けてつくってしまえばいい。『ここだ』と思ったら行ってしまえ!」、「ボールを取られても構わない。取られたら取り返せばいいだけ」。キーパーがセーフティーに蹴りだした際にもこう伝えている。「トレーニングなんだから、つなぐことにトライしよう! 精一杯ムリしよう!」

特にJ1で戦った3シーズンは、自分たちの戦力的なビハインドをどう埋めるかが大きなテーマだった。そのために守備的な戦術が大事にされ、攻撃時にも最大限のリスク管理が求められた。守備を確立したうえで攻撃を一段ずつ構築するやり方に慣れたチームに、奥野監督の言葉は刺激的に響いている。昨シーズン途中に加入しながら、ボールを引き出すことに腐心していたFW山崎雅人も「今は前に人をかけて、リスクを冒してでも前に出るというやり方。若い選手も多くて元気なので、みんな生き生きしてやっている」とここまでの手ごたえを語る。

表面的なスタイルだけでなく、細胞レベルからの「体質改善」で、山形は攻撃的なチームへの変身を遂げつつある。

以上

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2012.02.09 Reported by 佐藤円

ボールを持つことは即ち、それだけで優位な状況。主導権を前面に、仕掛ける姿勢を鮮明に打ち出すのが新しい山形のスタイルになる

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