★2012シーズン始動!ニューカマー・レコメンド
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浦和のファン・サポーターの中にも印象に残っている方が多いかもしれない。昨季の開幕戦の神戸vs浦和でポポが決めたフリーキックの話だ。30m以上離れた地点から放たれた低い弾道は、相手GKの指先をかすめゴール左隅へ。壁を作った浦和の選手たちが無意識のうちに身体を避けるほど、強烈なシュートだった。これが決勝点となり、神戸は開幕戦を白星発進。そして浦和にとってポポは“天敵”となった。
試合中のポポは鬼の形相だ。太ももは競輪選手を想わせるほど逞しく、胸板の厚さはまるで格闘家。その筋骨隆々が猛スピードで突進してくる。想像しただけで脅威だろう。しかも、彼のシュートを顔面ブロックした相手選手がそのままピッチに倒れ込んだシーンさえある。日本人選手にはなかなかいないタイプ、いやブラジルの選手でも“ロベカル”くらいのものか。とにかく、ポポのパワーとスピードはJ1の中でも屈指の存在である。
と、書いてしまうと取っ付きにくい選手のように思われるが、実は非常に人懐っこい選手だ。自慢のロードバイクで練習場を去る時も、見学に来たサポーターに手を振りながら快走。いやいや前向いて走らないと車にぶつかるぞと、こちらが冷や冷やするほど愛想がいい。また、いきなり金髪で練習場に現れてサポーターの度肝を抜いたり、日焼け止めクリームを顔に塗りたくって歌舞伎役者のようになっていたり。2トップを組んだ吉田孝行が「僕らには分からんけど、クリーム塗らんと日焼けするみたい」と冗談で話していたのを思い出す。とにかく、プレー以外でもポポは強烈なインパクトを提供してくれる希有な選手だった。
だから、ポポのファンは多い。試合前に聞いて回った本日の予想スコアでも、得点者には必ずと言っていいほどポポの名前が挙がる。最近はゴールから遠ざかっていますが…と皮肉を言っても「今日はやる!」と返事が返ってくる。なかなか結果が出ていない時期でも和田昌裕監督が使い続けたのも「何かやる選手だから、ピッチに残しておきたい」という期待からだった。
そして11月3日の山形戦。神戸にとっては勝てばJ1残留という大事なゲームで、ポポは勝利へ導くダメ押しゴールを決めた。神戸での得点は1年目9点、2年目7点だが、浦和との開幕戦しかり、残留を決めた山形戦しかり、重要なゲームで結果を残す選手だった。
浦和移籍が決まった時のコメントに「1日も早く浦和レッズの重要な選手となり、結果で応えたいと思います」というのがあった。熱狂的な浦和サポーターの前でプレーするポポの姿を想像するだけで楽しみで仕方がないが、神戸との対戦では結果で応えなくていいですよ。なんて言うと彼はニヤリと笑って逆に活躍しそうだが、「同郷で家族ぐるみの付き合い」(ポポ)というマルシオ リシャルデスと共に“神戸の天敵”にならないように願う。
以上
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2012シーズンキックオフ!
FUJI XEROX SUPER CUP 2012
3月3日(土)13:35キックオフ/国立
柏レイソル vs FC東京
※同日開催 NEXT GENERATION MATCH
10:40キックオフ
U−18Jリーグ選抜 vs 日本高校サッカー選抜
※チケット好評発売中詳細は【こちら】
2012.02.08 Reported by 白井邦彦