5月4日(水) 2011 J2リーグ戦 第10節
東京V 0 - 0 F東京 (15:04/味スタ/28,832人)
スカパー!再放送 Ch183 5/5(木)後03:30〜
☆totoリーグ
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3年ぶりの東京ダービーは、無念のスコアレスドローに終わった。F東京は4日、味の素スタジアムで東京Vと対戦し0−0で引き分けた。28832人が詰め掛けたスタジアムに歓喜の声は上がらなかった。
「ヴェルディだけには負けられない。そう教育されてきました」(GK権田修一)
「負けちゃいけないって暗示のように刷り込まれてきた」(DF阿部巧)
「ダービーは結果が求められる。いい雰囲気だったし、気持ちは高ぶった」(DF椋原健太)
下部組織で育った彼らにとってこの一戦は、特別な一試合だった。ダービーは熱量が違う。下部組織の試合では、コーチングスタッフも気持ちが入る。権田は「ヴェルディとは東京の1番を争ってきた。勝ったほうが東京で1番強いと思ってきた」と、当時を振り返る。東京の覇権争い。負けられない試合が再び始まった。
開戦の合図は、F東京が上げた。開始4分、梶山陽平がゴール前に飛び出し、浮き球に足を伸ばす。梶山の足に当たったボールはゴールに向かったが、GK土肥洋一がかき出してコーナーへと逃げる。スロースターターのF東京が先に仕掛けた。だが、長くは続かなかった。徐々に東京Vがプレスを強めると、F東京はパスミスを重ねた。東京Vは、縦への姿勢を貫くらしさを発揮する。ドリブルと、縦パスを絡めた攻撃でF東京ゴールを脅かす。自分たちの時間を築くことができないまま、試合を折り返した。
後半開始早々、F東京・大熊清監督が「鈴木達也に代えて入れようとした」と言う谷澤達也がベンチに呼ばれていた。しかし、54分にロベルトセザーが2枚目の警告で退場。数的不利な状況に陥り、指揮官は高松大樹に代えて谷澤を投入した。F東京は鈴木達也をワントップにし、4−4−1のシステムでカウンターを狙うカタチに変更した。「逆にやることがハッキリした」と、椋原。このカタチがはまった。最終ラインと中盤の2枚ブロックでボールを奪うと、シンプルにサイドへと展開。そこからボールを運び、相手ゴールに仕掛けた。一人少ない状況で選択肢が減ったことが幸いしたのか、F東京は盛り返した。結局、ゴールを割ることはできなかったが、勝点1を積み上げて試合は終了した。
ライバルとの試合以前に、チームは自分たちと戦っている。後半の挽回が、逆にチームの足並みが揃っていないことを物語っていた。「パスを回してリズムを作るのか、縦に早く出してリズムを取るのかがハッキリしていない。今いる戦力を考えると、自分たちの時間をもっと作ってもいいのかなと思う」と、羽生直剛が問題点を指摘する。再開後、未だ無得点が続く。ゴールネットを揺らすことができていない。不在の在というべきか、平山相太を中心に築いてきた攻撃は今の状態では機能しない。週末には、中3日で富山が控える。豊富な戦力が揃いながらも、チーム全体の拍子が取れなくては美しいサッカーは奏でられない。
以上
2011.05.05 Reported by 馬場康平