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【J2:第10節 東京V vs F東京】東京V側レポート:2万8832人の大観衆の前で前節からの進歩は示すも、求める「勝点3」は得られず。3年ぶりの東京ダービーは痛み分けドローで終結。(11.05.05)

5月4日(水) 2011 J2リーグ戦 第10節
東京V 0 - 0 F東京 (15:04/味スタ/28,832人)
スカパー!再放送 Ch183 5/5(木)後03:30〜
totoリーグ
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F東京側レポートはこちら

前節の敗戦後、サポーターから2試合連続のブーイングを受けた川勝良一監督は、「今年は、サポーターはみんな『去年以上に勝ってくれるだろう』って思っていることははじめからわかっている。(勝てないからブーイングは)ごもっとも。シュートを10本以上打ちながらも得点に徹する思いが伝わってこない。全員サボってはいないけど、(ケガの選手も含め)戦えない、もしくは戦っていない選手は(移動)バスに乗せない。ダービーでは、人をゴソっと代えるか可能性がある」と、メンバー・布陣を大きく代える可能性を示唆していたが、実際に打って出た。DFライン4枚はそのままだが、トップに前節移籍後初ゴールを決めた平繁龍一をスタートから起用すると、右サイドに井上平、左サイドを菊岡拓朗、注目のボランチには前節復帰した佐伯直哉と小林祐希がスタメン復帰という布陣でスタートする。

F東京対策として、川勝監督の狙いは「F東京の最終ラインが割れやすいという風に見ていた。後ろの4人のカバーの関係があまり上手くいっていないように見えたのと、今野が左サイドを気にはしているが、森重と今野の間が空いていたので左サイドに行けばそこが空く」だったと会見で明かしたが、平繁は忠実にそこを突き狙い、序盤から何度かチャンスを作った。
しかし、前半28分に負傷交代を余儀なくされると、代わった平本一樹も「平本もサイドのほうで張って空中戦で勝てるので、そこにボールを入れることで今野がつりだされるし、ボランチのうしろの意識はあまりにないように見えたので、サイドを見せながらセンターを突きたいと思っていた」と、指揮官の意図をしっかりと実践。立ち上がりこそ、F東京の勢いある攻めに後手を踏むシーンも見られたが、攻守が目まぐるしく切り替わる展開から流れを引き寄せ、前半20分過ぎあたりからは東京Vペースへと形勢が傾く。その後は圧倒的に東京Vが攻めた。

後半に入っても東京Vペースは変わらず、「ボールもよく回ったし、みんな動けていたし、必ず点が入ると思ってた。自分が決めたかった」(河野)。
だが、後半9分のロベルト セザー(F東京)の退場が、その流れを一変させる。10人になったF東京に完全に引かれ守りに入られたことで、前々節・愛媛戦、前節・鳥栖戦と引かれた相手との戦いと似た展開となってしまった。「10人になった方が勝つ試合というのはかなりある。そうならないために声をかけあっていかなければならない」と、経験豊富な土屋は冷静に語ったが、それでもやはり「(10人になって)本当ならあそこから僕たちが点をとりにいかなければいけなかった。もっと落ち着いて回せていたら、あそこまで攻め込まれることはなかったと思います」(河野)、「10人になってからもう少したたみかけることが必要だった」(佐伯直哉)と、数的優位にたった自分たちの攻撃の拙さを反省していた。
また、川勝監督も「1人少なくなると頑張るのはサッカーにありがち。逆に、うちが前半飛ばしたことでダウンしたので、そこはもう一段強く要求したい」と語り、スタミナ面でも今後の強化を誓っていた。

とはいえ、やはりこの試合一番の反省は、前半の20分すぎから後半立ち上がりにかけて完全に自分たちの流れでゲームをコントロールできていた時間帯で得点できなかったことだろう。取るべきところで取っておかないと、勝点を積み上げることは困難だということを改めて痛感した試合となった。

ただ、プラス材料もあった。まず、今季初めて失点0で終えられたことは大きい。「無失点に抑えることは決して簡単ではない。それができたことはひとつの成長」と、土屋も手応えを口にした。
また攻撃面では、トップの選手と周りの攻撃選手との距離を近付けることを課題の1つとしてきたが、平繁、平本と菊岡拓朗、河野、井上の距離感は非常に良かったのではないだろうか。さらに、平繁の抜け出し、平本のターゲット役とドリブル突破、菊岡のパスワーク、河野の高速ドリブルとカバー、井上のボールキープと抜け出し、加えてボランチ小林祐希の攻撃参加と展開力など、それぞれの個性がしっかりと出た、攻撃のアイデアは十分見られたように思う。それを、もっとチーム力として生かし合い、厚みをつけ、ゴールへと直結させることが今後の課題と言えよう。

先日、「サポーターに、『今年は厳しく評価するから』って言われている」と、河野は明かしたが、試合後、ブーイングだったF東京に対し、東京Vのサポーターは大きな拍手と声援で選手たちを迎えた。それが、東京Vサポーターのこの試合への感想と受け止めていいだろう。
だが、一方で「どっちも『勝てた』って思っていると思う。でも、結局は結果が出てないし…」と、平本はじめ選手たちの表情はスッキリとしないのは、当然最大の目的である勝点3を得られなかったからだろう。「今日は勝点1が取れたから、次は3を取れる」と河野。次節こそ、何としても結果にこだわり、アウェイ岐阜から勝点3を持ち帰りたい。

以上

2011.05.05 Reported by 上岡真里江
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