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【J2日記】横浜FC:しっかりとしたプレーをいつでも見せられるように。横浜FC再起動(11.03.21)

3月11日、東日本大震災が発生しました。まず最初に、この震災で被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げたいと思います。この日を境に、スポーツ界だけではなく、日本全体が大きく変わってしまうのではないかと思うほどのショックを受けています。しかし、一方で日本全体が復興のために前に進みはじめないといけない状況でもあります。いつか、震災前と同じように誰もがサッカーを楽しむことができるぐらいの状況が1日でも早く訪れることを祈っています。

横浜FCは、3月19日まで練習が休みになっていましたが、3月20日に練習を再開しました。
「僕らが今、悲しんでばかりいて何も基本的には変えられないので、じゃあ何ができるのかと言ったら、僕らが仕事としている部分をまず大事にして、リーグ戦が再開した時にしっかりしたプレーを見せるのがその中の1つ。選手1人1人と電話して話したが、選手からも早くサッカーをしたいという気持ちが伝わった。一番の問題は原発だったが、影響ないというマスコミの情報を信用して、練習をすることにした。6日ぶりに練習をしたので、影響は出ていて、落ちている部分はある。ただ、これから元気な姿を皆さんに見てもらうことでやっているので、その姿を見せられた時に応援してほしい」
と岸野靖之監督が語るように、サッカー人としてできることを熟考しての練習再開でした。日本プロサッカー選手会の横浜FC支部は、すでに義援金を送っていますが、リーグ戦の日程変更やチャリティーなどの協力だけでなく、リーグ戦が再開した時に勝利のために最高のプレーを見せることこそ、プロサッカー選手に課せられた使命であるという信念が見えます。

自身も過去にベガルタ仙台に在籍していた飯尾和也、同じく仙台から期限付き移籍中の関憲太郎も、仙台に思いを送りながら、再開のその日のために最高の準備を誓っています。
「自分も3年間住んでいたので、人ごとではありません。現実として受け入れがたいし、あれだけの人が被害に遭う。それこそベガルタのファンの人も何千人、何万人といただろうし、もしかしたら(被害者に)横浜FCのサポーターの人もいたかもしれないし、その人たちのためにも僕らは頑張るしかない。他のクラブ、西日本のクラブは練習をやっているとか、そういう情報を聞くと危機感もありますし、早く自分のコンディションを戻さないといけない。チームの完成度も高めないと、(負けたときに中断そのものは)何の言い訳にもならない。そういう危機感を持ちながらやっています。どこのチームもそうだと思いますが、今年の目標はJ1昇格、J2優勝なんで、そこを目指して、この中断期間も精一杯練習しています。再開した時に一緒に戦える準備を、サポーターにもしていてもらえれば…。いい準備をしているので、安心してほしいです」(飯尾和也)
「仙台の選手とは連絡はつきましたし、彼らは元気にしていました。でも、ライフラインが途絶えて、結構ストレスもたまっているみたいで、なんと声を掛けていいかわからない。お互い頑張ろうとしか言えないですね。いろいろありますけれども、やがて試合は来るので、それに向けて準備をするだけです。(状況を)良いほうに捉えて、自分の克服すべき課題だったり、チームとしての課題に取り組むなど、プラスに捉えるしかない。試合が始まったら、戦っている姿とか、元気づけられるようなプレーをしたいとみんな思っているので、また来てもらえれば…。いい準備はもちろんできる。僕らがプラスにならないと、サポーターもそうならない。前に進むしかないですね。」(関憲太郎)

また、一時帰国していた外国人選手のうち朴台洪は3月21日に再来日し、22日から練習に合流予定。ブラジル人選手も今月中には再合流します。
「詰まった日程になるが、僕らは誰が出ても力はそう変わらない。もともと体力面はできているので、戦術面をやりたい」と岸野監督が語るように、3月21日の練習では、早くも細かいコンビネーションに関わる練習を行っていました。「今日はむちゃくちゃ寒いが、仙台ではもっと寒い中で、昨日も救出された人がいた。そういうことを考えると、俺らは何でもできるし、感謝の中でやっていくのが大事」(岸野監督)という中で行われた練習では、岸野流の大きな声も響いていました。
執筆時点では、まだ再開後の日程は決まっていませんが、再開のその日に向けて、横浜FCは再起動しました。

以上

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2011.03.21 Reported by 松尾真一郎

3月21日の練習では、強い雨が降る中、コンビネーションの確認など細かな練習も行った

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