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【J1:第34節 浦和 vs 神戸】プレビュー:1つの冒険譚がついに終焉を迎える。(10.12.03)

12月4日(土)J1 第34節 浦和 vs 神戸(15:30KICK OFF/埼玉チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
スカパー!生中継 Ch180 後03:20〜
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フォルカーフィンケ監督が浦和の地に降り立ってから2年。ドイツの老将の下、先鋭的な改革を進めてきた浦和だが、一旦ここで区切りをつけることになった。まだ天皇杯の舞台が残されているものの、埼玉スタジアム2002で行われる試合は神戸戦が今季最後。フィンケ監督にとってはホームラストマッチになる。

「フィンケサッカーを最後に出してがんばりたい。最後は気持ちよく終わりたい」。老将の薫陶を受けて急成長を遂げた高橋峻希は2年間の集大成を披露すると意気込んでいる。

ただ、ここ数年の浦和はホーム最終戦でサポーターを落胆させてきたという事実がある。昨シーズンは鹿島のリーグ史上初となる3連覇の栄誉を目の前で見せつけられ、2008年には横浜FMに大量6失点の惨敗を喫した。

そして2007年にはJ1史上最速の降格チームとなった横浜FCに足をすくわれ、あと一歩というところで連覇の夢を打ち砕かれた。「ホーム最終戦で勝っているイメージがない」という高橋の言葉には、誰しも首肯せざるを得ないだろう。今年こそは負の連鎖を断ち切りたい。

この一戦、絶対に勝たなければいけないワケもある。この試合は“王様"として君臨してきたロブソン・ポンテにとってもホームで過ごす最後の時間になる。「ロビーが来てから浦和はさらに強くなった。レッズの歴史に名を残す選手」とエジミウソンが称えたように、浦和の繁栄は10番を背負う英傑とともにあった。天皇杯優勝、クラブ初のリーグタイトル獲得、ACL制覇といった数々の偉業は、ポンテの即位とともに始まった。

「埼スタで初のリーグタイトルを取った。重要な試合でも勝利を収めてきた。あそこは自分の家だと感じるし、埼スタへの思いを言葉で表すのは難しい。悲しい時がやってくるね」。ポンテは万感の思いを胸に抱き、我が家"に別れを告げる。

繁栄を築いた王の退位には、勝利の花道こそ相応しい。「最後の埼スタで、これまで携わってきた人を勝利で送り出したい」。高橋の思いはチームメイト、サポーターの総意でもあるはずだ。ホームで勝って有終の美を迎えたい。

対する神戸も、この一戦では勝利のみが求められる。

最終節を残し、降格の可能性があるのは神戸、F東京、仙台の3チームのみ。神戸が勝点35、F東京は同36、仙台が同38という状況だ(⇒詳細)。神戸は引き分けに終わったとしても、F東京が負ければ勝点では並ぶが、現段階で得失点差は9と大きく開いている。現実的に考えて、引き分けた場合は降格が決まると言っていい。神戸が生き残るには勝つしかない。

ここ6試合は3勝3分の負けなしと成績は悪くない。前節の清水戦では、退場者を出して数的不利に陥りながらも執念で勝利をもぎ取った。奇跡を信じ、死力を尽くす選手からは気迫がみなぎっている。

前から激しくプレスをかけるアグレッシブなプレースタイルも板についている。誰1人として運動量を惜しまず、ボールを奪ったら素早く攻撃に転じる。意外性のある仕掛けは少ないかもしれないが、石櫃洋祐、茂木弘人と攻撃適性の高い両サイドバックも積極果敢に攻め上がるサイドアタックは迫力がある。最近はシュート数で相手を上回る試合も多い。
浦和にはリーグ通算6勝3分14敗と大きく負け越しているが、ここ5試合では3勝1分1敗と相性は悪くない。ただ、気がかりなのはボランチの田中英雄を出場停止で欠くことだ。中盤の運動量を保証するダイナモ不在の影響がどう出るか。

この試合、どちらも必勝態勢で臨むことは間違いないが、浦和が描く最高のシナリオはこうだ。得点王を争うエジミウソンがポンテのアシストでゴールネットを揺らし、真っ赤に染まったスタジアムは大音量の凱歌に揺れる───。

去り行く王も「得点王にするため、できる限りパスを送る。力になれたらいい」と盟友のサポートを最後の仕事と決めている。

果たして冒険書の最終項には、どんな一文が記されることになるのだろうか。

以上

2010.12.03 Reported by 神谷正明
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