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【J2:第31節 福岡 vs 北九州】北九州側レポート:ちぐはぐなゲームで福岡に完敗。今すべきことを再確認し、次のゲームに繋げよ。(10.10.25)

10月24日(日) 2010 J2リーグ戦 第31節
福岡 2 - 0 北九州 (16:03/レベスタ/10,287人)
得点者:20' 永里源気(福岡)、24' 大久保哲哉(福岡)
スカパー!再放送 Ch185 10/25(月)後09:00〜
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福岡の高さと速さに抗するため、北九州はこの試合、メンバーを大きく入れ替えた。まず、長身のタチコを先発起用してボランチに据え、福岡の要である大久保にぶつけた。また運動量のある桑原裕義、ポストプレーにも期待がかかる中嶋雄大も先発メンバーに入れ、佐野裕哉を前節よりも高い位置で使うなど、攻撃にも厚みを持たせた。

しかし蓋を開けてみると新システムが機能したとは言い難い。試合後の与那城ジョージ監督はやや憔悴した顔で「自分の作戦ミスがあった」と省みた上で、「(タチコが下がって)3バック気味になり、桑原のワンボランチになった」と話した。ただ、0-2で敗戦を喫した以上、大きく入れ替えた布陣に「作戦ミス」があったのは歴然としているが、適材適所とは言えない起用にも疑問も残る。「ケガ人もいて、自分の得意とするポジションでプレーできない選手もいるけれど、それでも頑張っている」と佐野は前を向くが、タチコのボランチや関光博のサイドバックなど本来のポジションではない起用に選手の戸惑いも垣間見える。

試合は前半から福岡のペースで展開する。注目されたタチコは孤立したような状態になり、桑原やセンターバックがカバーに入ったが、ボランチとDFの動きはぎくしゃくした。間延びして中盤にスペースもでき、20分にはセットプレーを起点に福岡の永里源気が先制。24分にも山形辰徳のクロスに大久保哲哉が頭で合わせた。スペースが埋まらず、マークもおろそかになるという北九州にとっては痛恨の失点シーンだった。
攻撃への展開も遅れ、長野聡から大島康明へのロングフィードや、裏を狙った攻撃も福岡のブロックに阻まれた。

ハーフタイムにタチコを下げたほか、桑原も外し、小森田友明と多田高行を投入。62分にはレオナルドも入れて北九州は攻撃を厚くした。ここで輝きを見せたのが多田。左サイドをドリブルで突破したり、正確なクロスボールを上げてチャンスを作り、攻撃にはリズムが出始めた。
しかし、パスを繋ぐ中でボールをロストしたり、持ちすぎて取られるなど、ゴール近くまで攻め込んでいながら得点に結びつけられなかった。多田を追い越していくような動きがなく、攻撃が単調になってしまったのも課題だろう。

足が止まり始めた70分過ぎからは再び福岡にペースを握られ、岡本英也や城後寿に決定機を作られた。北九州はこの猛攻に耐えて後半は無失点に抑えたが、最後まで福岡ゴールを割ることはできなかった。

冒頭の話を繰り返すことになるが、本来のポジションではないところでの選手起用は各選手の可能性を大きく広げることにはなる。だが、今節を含め残り7試合の最下位・北九州が取るべき作戦だっただろうか。もちろん来年度を見据えているのであればその起用法も取り得るかもしれない。
目先の1勝を追いかけてがむしゃらに勝ちにいくのか、来年度を考慮したサッカーをするのか。残り試合は少ないがチームが目指すところを再設定し、選手、監督、サポーターが同じ方向を向くことのできるゲームを期待したい。

幸い、まだ戦う気持ちは消えていない。「まだ試合があるので下を向く必要ない。次の試合に勝つように準備する」(河端和哉)、「下を向かず、サポーターも応援してくれているので応えていきたい」(佐野)。その言葉を信じている。次の1勝を、声援を送り続けるサポーターに届けて欲しい。

以上

2010.10.25 Reported by 上田真之介
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