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【J1:第27節 広島 vs 湘南】プレビュー:「ナビスコカップ決勝と同じくらい難しい」とペトロヴィッチ監督が警戒。内容のいい闘いを続ける湘南という壁を、広島が乗り越えられるか。(10.10.24)

10月24日(日)J1 第27節 広島 vs 湘南(13:00KICK OFF/広島ビチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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サポーターが待ちわびていた佐藤寿人の復帰は、今回は見送られた。
「寿人はまだ2日間、チーム練習に参加したばかり。試合に出るのは早い」
ペトロヴィッチ監督は慎重さを崩さなかった。
右肩を固定するために入れていたピンを20日に抜いたばかりで、接触プレーもほとんどやっていない状況の佐藤をいきなりJリーグの公式戦に起用するのは、確かにリスクが高い。彼は試合に出たいという気持ちを全面に出して練習でも奮闘していたが、指揮官は湘南戦のメンバーには入れなかった。

もちろん、その慎重さの裏には、李忠成・高萩洋次郎・高柳一誠の3人が見せる前線でのコンビネーションの冴えがある。前線でボールをしっかりと収める李と、そのボールを自在にコントロールし、トリッキーなパスを出して相手を欺く高萩、強いフィジカルでDFを弾き飛ばし、狭いスペースでも針の穴を通す正確さでパスを通す高柳。3人の個性が見事に絡み、広島の攻撃はアイディアにあふれ、娯楽性に富んでいることは、間違いない。
だがそのコンビネーションが、「ゴール」という結果に今ひとつ、つながっていない。李忠成は神戸戦以降のリーグ戦で4試合連続得点を記録しているが、高萩や高柳にはゴールがない。チーム総得点の6得点中、槙野智章の1点をのぞいて全てが李の得点だ。「今の大きな問題は(李)チュンソンだけがゴールを決めていること」とペトロヴィッチ監督は頭を悩ませる。
実はこの課題、今季の広島がずっと抱えていること。2008年のJ2で森崎浩司と高萩がそれぞれ14点ずつをたたき出したように、2009年には柏木陽介(現浦和)と槙野智章が共に8得点を記録しているように、いい時の広島はストライカー以外のゴールが多い。ところが今季、佐藤寿人と李忠成、二人の得点がチーム得点に対して占める割合は44%。2009年と2008年では佐藤の全得点に対する比率が共に28%だったことを考えれば、広島の現状の課題は明確だ。

今週の練習でもペトロヴィッチ監督は「ゴールを意識したプレーを」と何度も指摘。高柳一誠も「チャンスがあるんだけど、そこを決められていない。特に、追加点になるところを決めていないから勝ちきれない」と振り返り、ゴールへの渇望を隠さない。ただそこは、サッカーでもっとも難しい部分。「最後にゴールを決めるのは、練習だけでは難しい部分がある」というペトロヴィッチ監督の実感は、他の多くの指導者の嘆息を誘う。いずれにしても、ここ7試合負けなしとはいえ3勝4分、引き分けが全て1-1というスコアが続いている広島にとっては、「2点目」という大きな課題が存在することは確かだ。 
ただ、状況的には厳しいとはいえ、ACLもまだギリギリ狙える位置にある広島にとって、湘南戦は絶対に勝利が必要だ。しかしペトロヴィッチ監督は「明日の試合は、ナビスコカップの決勝と同等か、それ以上に難しい試合となる」と警戒する。「湘南は残留をかけ、よりアグレッシブな闘いを仕掛けてくるだろう。さらに彼らはこのところ、内容のいい試合をしている。例えば前節の鹿島戦は引き分けたが、チャンスの数で言えば勝利してもおかしくなかった。F東京戦は0-3で敗れたが、決定機を確実に決めれば湘南が7点をとれるくらいの内容だった。結果ほど、悪いサッカーをしているわけではない。当然、侮れないし、簡単に勝てるはずがない」。

その湘南を牽引するのは、ここ6試合で4得点と爆発している阿部吉朗だ。前節も終了間際に鹿島をどん底にたたき落とす得点を決めるなど、ここぞという時に見せる得点感覚は鋭い。「あの感覚は(佐藤)寿人さんに近いものがある。ゴールをとれるような位置取りをしているので、そこにピンポイントに入るパスを出させないようにしないと」と森脇良太は警戒心を露にする。
明日の試合、アウェイでの闘いのように、広島がボールを支配するシーンが多くなることは予想される。そこで得点を決めるか決めないか、そこが勝敗の分岐点となるだろう。
この得点力という部分での広島の朗報は、コンディション不良に苦しんでいた「森崎浩司の復帰濃厚」というニュースだ。ヤマザキナビスコカップの対G大阪戦におけるゴールのように、大切な場面での彼の得点力は証明済み。また、得点を決める力だけでなく、中盤での構成力やラストパスの部分でも、彼にかかる期待は大きい。先発か途中からかはわからないが、背番号7の復帰が広島に大きなアドバンテージを与えることは、間違いないはずだ。

以上

2010.10.23 Reported by 中野和也
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