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【J2:第31節 福岡 vs 北九州】福岡側プレビュー:特別な試合。そして昇格争いへ向けての大事な試合。その試合で福岡は変わらぬ姿勢で勝利を目指す。(10.10.24)

10月24日(日)J2 第31節 福岡 vs 北九州(16:00KICK OFF/レベスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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Jリーグには様々なダービーが存在する。そこには周りからは計り知れない様々な思いが存在する。それは、あるときは因縁と呼ばれ、ある時は意地と誇りと呼ばれ、選手たちとサポーターは特別な思いを胸に抱いて戦いに臨む。リーグ戦は、どの試合も等しく重要であることは分かっている。たとえ思い通りの結果が得られなくても、結果に左右されることなく、1年間にわたって安定した戦いをすることが何よりも重要であることも誰もが分かっている。しかし、それでも勝たなければ何の意味もないのがダービーマッチ。どの試合よりも重要な位置づけを持つのがダービーだ。
その中で、福岡と北九州がダービーにかける思いは至ってシンプル。「どちらが福岡県を代表するチームなのか」。それ以外に何も理由はいらない。そして、分かりやすいからこそ、この戦いにかける両チームの思いは、どのダービーよりも強い。「同じ福岡の街にJリーグのクラブが二つある。絶対に勝たなければいけない試合。この試合こそ本当のダービーだと思っている」と篠田善之監督(福岡)も話す。

さて、福岡ダービーの歴史は始まったばかり。その記念すべき第1戦は2010年5月22日、北九州がホームスタジアムにする本城陸上競技場で行われた。自分たちのやりたいサッカーを貫いてチャンスを作ったのは北九州。ボールを支配してゲームをコントロールしていたのは福岡。雨中の戦いは、どちらに転んでもおかしくない展開で続いた。そして、勝負を決したのは90+1分。鈴木惇が右サイドから送ったクロスボールが北九州のオウンゴールを誘った。堅固な守備を見せていた北九州にとっては悪夢のような結末だった。
しかし、北九州にとっては不運に見えるゴールも、決して偶発的に起こったわけではない。それは、技術・戦術、この試合にかける思い等々、様々な部分で福岡が上回っていたからこそ生まれたゴール。それがサッカーだ。

反面、過去の対戦成績は将来を保証するものでは全くない。そして、強いから勝つのではなく、勝った方が強いというのが勝負の世界の鉄則でもある。互いの順位には明確な差があるが、だからと言って福岡の勝利を確実視する根拠はどこにもなく、前回同様、福岡にとって難しい試合になることは間違いない。「相手の順位は全く関係がない。それに前回の対戦は既に終わったこと。あれから時間もたっているし、相手のメンバーも変わっている。新たな気持ちで、90分間をどうやって戦うかということに集中して臨むだけ。今度はホームでの戦いなので、ホームのサポーターの前でいいサッカーを見せて結果を残したいと思う」とは篠田監督。相手を上から目線で見たり、受けて戦うようではダービーの勝利はない。あらゆる場面で相手を上回る強い気持ちを見せること。そして、それを90分間にわたって緩むことなく貫くこと。その先にダービーの勝利がある。

一般的に見れば、北九州で注意すべきは最終ラインから長野聡が繰り出すダイアゴナルなロングボールと、戦術眼に優れた小森田友明が繰り出す縦へのパスだ。しかし、現在、最下位という不本意な場所にいるチームが、なりふり構わずに戦ってくることは容易に想像できること。布陣に、そして戦術にも、この1戦に勝つためだけの手段を講じてくることは十分にあり得る。福岡にとって大切なことは、北九州の戦い方を念頭に置きながらも、決して先入観にとらわれることなく、臨機応変に90分間を戦うことだろう。
そして勝負を決めるのは、チャンスに決めきれるか、ピンチを防ぎ切れるかという極めてシンプルに部分にある。ゲーム内容が緊迫すればするほど、互いの思いがぶつかり合う拮抗した展開になればなるほど、スーパープレーは生まれない。結局のところ、ゴールを奪い、ゴールを守るというサッカーの基本的な部分が勝敗を分ける。当たり前のことを、当たり前に実行に移したチームが勝つ。それもまたサッカーだ。

さて、福岡にとって今節の北九州との試合は、ダービーであると同時に、J1昇格を現実にするために勝たなければいけないという別の要素も加わる。最後の直線に差し掛かったいま、チームにかかるプレッシャーは日々重くなっている。しかし、そんな中、選手たちはこれまでと全く変わらない姿勢を貫いている。末吉隼也は話す。
「相手どうこうじゃない。自分たちのサッカーを表現して残り少ない試合を勝っていくために、いつもと変わらず、目の前の試合で勝点3を取ることだけに集中して戦うだけ。それを続けてきたから今の3位という順位がある。先のことや、他のチームのことを考えたら足をすくわれてしまう。北九州との試合だけを考えて戦う」。
変わらぬ姿勢で自分たちのやるべきことを追求し続けてきたのが今シーズンの福岡のスタイル。そんなチームを一丸となって後押ししてきたのがレベルファイブスタジアム。そして、北九州との戦いでも、いつもと変わらぬスタイルで北九州を迎え撃つ。目の前の勝利のために。その先にあるJ1への扉を開けるために。

以上

2010.10.23 Reported by 中倉一志
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