本文へ移動

J’s GOALニュース

一覧へ

【第90回天皇杯3回戦 清水 vs 水戸】プレビュー:難しいチーム状況で負けられない試合を迎える清水と、純粋にチャレンジできる水戸。スリリングな展開が必至で、天皇杯ならではの醍醐味も満載(10.10.12)

10月13日(水)第90回天皇杯3回戦 清水 vs 水戸(19:00KICK OFF/アウスタ)
-試合速報はこちら-
チケット情報天皇杯特集
----------
日曜日にヤマザキナビスコカップ準決勝で敗退し、精神的な痛手も癒えぬまま中2日でこの試合を迎える清水と、J2リーグ戦の前節から中9日の水戸。地力からいえば間違いなく清水が優位だが、何が起こるかわからない試合になりそうな条件も十分に揃っている。

リーグ戦の優勝が現実的にはかなり難しくなり、もっともタイトルに近かったヤマザキナビスコカップでも2日前に敗退したばかりの清水。今季は何とかひとつでもタイトルを獲りたいという意味では、天皇杯はまさに絶対に負けられない戦いとなった。

しかし、日曜日の準決勝第2戦の疲労が残っている選手も多く、ケガを抱えた選手もいる。リーグ戦でも3位以内(ACL出場権獲得)は最低限確保したいこともあり、やはり休ませたい選手もいる。また、岡崎慎司と本田拓也は故障により日本代表から戻ってきたが、当然この試合に出ることはできない。したがって、多少のメンバー変更はやむないところだ。
そんな中で、永井雄一郎、原一樹、大前元紀、長沢駿と豊富なバックアップの駒が揃うFW陣は、どんな先発メンバーになるのか非常に楽しみな要素となっている。中でもとくに注目したいのが、今年6月にグルノーブルから移籍してきた伊藤翔が、公式戦デビューを果たすかどうかという部分だ。
伊藤はこれまでリーグ戦では一度もベンチ入りがなかったが、最近の練習では非常に動きがよくなり、ヤマザキナビスコカップ準決勝では2試合ともベンチ入り。残念ながら交代での起用はなかったが、練習試合やミニゲームでもコンスタントにゴールを決めており、ゴールのパターンも豊富。本人も「キレキレですよ」と言う通り、高校時代から“和製アンリ”と呼ばれて期待されてきた逸材が、徐々に本領を発揮しつつある。
長谷川健太監督も「(伊藤は)かなり調子が上がってきた。試合で使ってみたい雰囲気になってきた」と先週の時点で語っている。本人も、周囲から天皇杯で期待していると声をかけられると「僕がいちばん(出場を)期待してますよ」と出番に飢える意識を強調。加入当初から見せている強気の姿勢を、アウスタのピッチでも堂々と発揮し、ゴールという結果を出せるかどうか。彼の出番があれば、大いに楽しみにしたい。

対する水戸は、現在J2で13位(19チーム中)におり、昇格争いには絡んでいない状況。リーグ戦ではここ7試合負けがないが(2勝5分)、勝ちきれない(3連続引き分け中)という課題も見えている。また、前節の愛媛戦でチーム内得点王(6ゴール)の吉原宏太が左足アキレス腱断裂という大ケガを負い、今季絶望となってしまった。木山隆之監督も「吉原を抜きでこれから9試合やらないといけないというのは、僕たちにとっては痛い」と語っている。
そんな中で今回の天皇杯3回戦は、チーム全体に刺激を与え、モチベーションを高めるという意味でも、今後の戦いを占うという意味でも、恰好の舞台と言える。前節から中9日とコンディションも万全で、失うものは何もない。若い選手の多いチームが、J1の上位チームに一泡吹かせようと、全力で清水を倒しにくるはずだ。

両者の公式戦における直近の対戦は、03年の天皇杯3回戦(清水が2-0で勝利)までさかのぼるが、今年の8月8日に清水のサテライトと水戸が練習試合を行なっている。そこでは清水が3-2で勝利したが、お互いに相手の特徴はある程度つかんでいる。

清水にはホームの利があり、水戸は今季アウェイで1勝しかしていないが、アウスタのピッチ状態の良さは、水戸の選手たちにとってもプラス要素となるかもしれない。メンタル的な面でも、失うものがなく思いきりチャレンジするだけという水戸のほうが、有利な面があるだろう。
もちろん、清水のほうも気を緩めるということはないだろうが、本当に難しいゲームになることは間違いない。そこで清水が意地を見せられるか、水戸が勢いで押し切れるか、非常にスリリングな戦いになることだけは、今の時点でも保証できるだろう。

以上

2010.10.12 Reported by 前島芳雄
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

J.LEAGUE TITLE PARTNER

J.LEAGUE OFFICIAL BROADCASTING PARTNER

J.LEAGUE TOP PARTNERS

J.LEAGUE SUPPORTING COMPANIES

TOP