10月13日(水)第90回天皇杯3回戦 磐田 vs 甲府(19:00KICK OFF/ヤマハ)
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ヤマザキナビスコカップFINAL一般販売は16日(土)10時〜
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10日に行われた川崎Fとの熱戦を制し、ヤマザキナビスコカップで2001年以来、9年ぶりの決勝進出を決めた磐田。何よりこれまで控えに回ることが多かった選手の健闘が大きかった。試合後、柳下正明監督は「勝ちたいという思いをグラウンド上で表現してくれたことがこの結果につながった」と選手を称えている。
この余勢を駆って天皇杯3回戦に臨みたいところだが、タイトなスケジュールとメンバー事情を踏まえると、決して楽なゲームにはならないだろう。
磐田は、等々力でのアウェイゲームから中2日。今季、タイトな連戦は初めてではないが、90分の激闘の余波を軽視することはできない。7年ぶりのタイトルに向けてのカップ戦の準決勝は、序盤からハイテンポな展開。ファイナル進出のためには2得点以上での勝利が条件だった磐田は、ゲームの入りからエンジンをフル稼働。90分を通じて攻守でハードワークを続けただけに、疲労の蓄積は否めない。また、後には中2日で広島とのアウェイゲームが控えており、この試合も視野に入れなければならない。
やはり厳しい連戦のなかでの戦いとなった2回戦は、前試合から先発メンバー11人を全員替えて臨み、愛媛FCしまなみを2−1で退けた。この試合もフレッシュな選手を起用することも考えられるが、“ターンオーバー”にも限度がある状況だ。今回日本代表に選出されたDF駒野友一、FW前田遼一、左腓骨骨折で長期離脱を余儀なくされたDFパク チュホ、そして今季途中から戦列を離れているDF加賀健一を含めた4名を除くと、残るフィールドプレーヤーは20名。選択肢としてはそう多くはない。
どういった組み合わせで臨むにせよ、磐田にとって重要なことは次のステージに駒を進めること。無論、内容面でも圧倒し、J2甲府にJ1の貫録を見せつけたいところではあるが、それよりも、まずはどんな形であっても勝利を掴み取りたい試合だ。ヤマザキナビスコカップ・ファイナリストとしても、ホームで相手にアップセットを演じさせるわけにはいかない。
対戦相手の甲府は、2回戦で長野代表の松本山雅FCを1−0で下して駒を進めている。J2リーグ戦では、序盤のつまずきもあったが、着実に勝点を積み上げ、現在3位の福岡と8差の2位。昨季、勝点1差で届かなかった念願のJ1再昇格を射程内にとらえている。しかし、こちらもスケジュールはタイトで、この試合後は中2日で札幌に遠征しなければならない。昇格争いは佳境。選手起用を工夫してくる可能性もある。
ただ、甲府としては、J1クラブと真剣勝負をできる機会はそう多くない。来季、1つ上のカテゴリーで戦うことを見据えても、持ち前の攻撃力をどこまで発揮できるか、その力量を測る絶好のチャンスでもある。仮に得点できずともスコアレスの状態が続けば、重圧を受けるのはJ1のチーム。直近のリーグ戦3試合でいずれも無失点とディフェンスが安定してきているだけに、この試合でもまずは失点を避け、よりスリリングな展開に持ち込みたいところだろう。
何が起こるかわからない一発勝負が魅力の天皇杯。両チームともリーグ戦との兼ね合いがあり、思惑のある試合が予想される。その双方の思惑が交錯するだろうキックオフ直後がとくに興味深い。甲府がチャレンジャー精神全開で飛ばしてくるのか。磐田のサッカーにみえるのは疲労か、それとも勢いか。いずれにしても好ゲームを期待したい。
以上