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【熊本:高木琢也新監督就任記者会見】会見での出席者(岡英生アスリートクラブ熊本代表取締役社長/高木琢也新監督)コメント(09.12.22)

本日、熊本市内のホテルにて高木琢也新監督の就任記者会見が行われました。
以下に、記者会見での岡英生代表取締役社長と高木監督のコメントを掲載します。
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●岡英生アスリートクラブ熊本代表取締役社長
「皆さんこんにちは。本日はお忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございます。ただいま、高木琢也新監督との調印を滞りなく済ませることができました。
 皆さんご存じのように、私どもロアッソ熊本は『県民に元気を、子供たちに夢を』ということで結成されました。そして、我々が今目指しているのは、いつの日かKKウイングを多くのお客様で真っ赤にして、そしてお客様たちに喜びと感動を味わっていただき、持って帰っていただこうということです。そういう中で、J1昇格は避けては通れない通過点だと考えております。
 来年以降の3カ年は、我々がその関門を突破するかどうかの、非常に重要な3年間だと思っております。様々な課題、例えば施設の問題であったり、選手の能力の問題であったり、財政的な問題であったり、そういうものを解決する3年間だと思っております。
 その重要な3年間を、誰に采配を振るってもらうのか、これは大変重要なテーマでございます。それを解決してくれるのが高木新監督だと思います。高木監督は横浜FCをJ1に昇格させ、その後も名門の東京ヴェルディで采配を振るい、攻撃的なサッカーを展開したという実績をお持ちです。そういう監督だからこそ、これから皆で力を合わせて頑張っていこうというチームには最適の監督だと思っております。
 我々とともに、今後のJ1昇格の為に大いに貢献してくれるものと期待をしております」

●高木琢也新監督
「皆さん、こんにちは。今、皆さんの前で、ロアッソ熊本と契約を致しました。早くこういう時が来れば良かったのですが、非常にホッとしています。それと同時に、2回目の結婚をしたような気がして(笑)、皆さんが証人という形にも感じています。一生懸命頑張っていきたいます。
 私は長崎の出身で、九州の熊本というチームを率いることができる喜びと誇り、自分の中にあるものと空気が似ている部分もありますし、クラブとしても若く、チームにも若い選手が多いということで、いろいろなことができるのではないかなと。可能性を秘めた、ポテンシャルがあるチームだと思っています。熊本という地も、そういうものを秘めていると思っています。
 熊本県民の皆様に、おもしろいサッカーというか、サッカーというのはこういうものだというのが我々のゲームから知識として芽生えて、今まで以上に、この熊本そして九州でサッカーの文化が根付くように、一生懸命頑張っていきたいと思います。
 ただ、それも私1人では何もできませんし、ここにいらっしゃる岡社長、そして池谷総監督・GMのもと、選手もコーチングスタッフも、そして県民の皆さんも含めて、応援していただければ幸いだと思います。また、その力をグラウンドで発揮していきたいと思います。よろしくお願いします」

Q:この度は就任おめでとうございます。池谷GMからは、地方のクラブであるということを理解して、かつメディアも含めて地域の人たちと一緒に盛り上げていける人材として白羽の矢を立てたということをうかがいました。地域のクラブを盛り上げるためにこういうことをしたい、あるいはこういう気持ちで接していきたいという点をうかがえますか?
「現時点では具体的に何をしたいというのはないんですが、私自身の考え方として、何かを達成するためには多くの人たちの力が必要ですし、そのためには力が1つにならないと成功しないと思っています。そういうことも考えると、先ほど話しましたが、メディアの皆さん、県民の皆さんの力も含めて、愛されるようなクラブになりたいなと思います」

Q:若いチームで、自分も一緒に成長していきたいという思いも持った方だともうかがっています。目指す監督像は?
「どういう監督になりたいかというのは全くないです。とにかくクラブのために全力を尽くす、力を注ぐということだけです。それ以上もそれ以下もないし、怖い監督になりたいとも優しい監督になりたいとも思わない。戦術先行の監督にもなりたくないですし、全てにおいて力を出し切るということを考えていきたいと思っています」

Q:トライアウトもご覧になって補強も進んでいると思いますが、今後の補強ポイントはどういう点でしょうか?
「難しい質問だと思いますけど、ここで言ってしまうと進んでいる話が進まなくなる可能性もありますし(笑)、そういうことはないですけど。
こういう話になると今季までのロアッソを振り返る形になるのですが、それは最終的に補強が進んだ時点で皆さんが判断していただければいいのかなと思います。その中で話ができればいいのではないかと思いますので、ここではちょっと…(笑)。すみませんが、よろしくお願いします」

Q:高木監督からご覧になっていたロアッソの印象と、3年でJ1という目標を、どんなサッカーで目指していくとお考えでしょうか?
「攻撃的な部分ではおもしろいチームだなというのは、対戦相手の目線から見て感じるものはありました。ただ、データ的にも総失点82というのは下から数えて2番目で、それが多いと順位も下になる可能性が高い。では総得点が多いかと言うと、そうでもない。セレッソみたいに100点ぐらい取れれば勝てるかもしれませんが、そういうチームでもない。そういうことを考えれば、82失点というのは減らさなくてはいけない。それがうまく減っていけば、毎年ステップアップするチームができるんじゃないかと思っています。
どんなサッカーをするかということですが、今は第三者的な目線でしかわからないのですが、まずメンタル的な部分というのは変えなくてはいけないのかなと。クラブとしても歴史が浅く、J2に上がってそんなに時間が経っているクラブでもない、若い選手が多い、クラブの規模、そういった諸々の状況に対して、ひょっとしたら『負けても仕方ない』というような言い訳をどこかに持っていないか。そうではなくて、1つひとつの勝負に対してこだわりを持ってやってほしいし、ゲームに対して貪欲にやってほしい。それがないと、次にステップとして何かアクションをした時にも意味がなくなるので、まずは精神的な部分を、今まで以上にやっていかないといけないと思っています」

Q:先ほど、おもしろいサッカーを見せたいとおっしゃいましたが、具体的にはどういうものをイメージされていますか?
「サッカーにおいてはオフェンシブなチーム、ディフェンシブなチーム、いろいろありますけれども、実際それがどういうチームか考えた時に攻撃的なチームでも守備の時に前に3人も4人も残すことはないですよね。ということは、攻撃の時は本当に攻撃するし、ディフェンスの時もそれができる、そういうチーム。要は、相手が点を取りたくても取らせない、守りたくても守れない、そういう臨機応変なサッカーをしていきたいなと思っています。いろんな状況の中で選手がそれをできて、最終的には、高い理想ですが僕はベンチに座っていればいいというレベルまでできれば最高だと思っています」

Q:監督就任の決め手は何だったんでしょうか?
「やっぱり池谷さんの情熱と言うか、熱心なアプローチがあったからだと思います。そのひと言ですね。
僕も池谷さんをよく知らない状況でお会いして話をしましたが、非常に熱いものを持っておられますし、このクラブを作り上げて来られたのは情熱がないとできないことだと思います。それ以前は柏の監督もなさっていたし、何度か会って話すうちにそういう情熱を感じるようになって、『この人のために頑張らないといけないな』と感じたのも事実です。
あとは九州でできるということも、運命的な部分も含めて何かあったのかなと思い、やらせていただくことになりました」

Q:失点を減らしたいということですが、具体策は?
「守備に8人も10人もかけることはないのですが、意識を変えることはあると思います。いつも守備をしているわけではないので、攻撃をする中でもディフェンスをしないとやられるケースは出てきます。トレーニングでも、攻撃から守備への切り替えを早くするということを意識づけていきたいなと。
あとは中央、サイド、クロスへのディフェンスとやり方はいろいろあるので、それを少しずつやっていきたいと思っています」

Q:これが高木流だというのはどういう部分でしょうか?
「目指すのは、75分から90分、つまり最後の15分で点を取るチームです。それと得点する選手を多く作っていきたい、そういうサッカーを目指したいと思います。
しんどいとき、一番キツい時間帯でどれだけ点を取れるか。09シーズンはロアッソは7点で草津も7点なんですが、あとのクラブは全て2桁の点を取っています。なので最低でも2桁に乗せていきたいと思います」

Q:話題になっている中山雅史選手がそういう選手ではないかと思いますが、中山選手はロアッソにとって必要な選手だと思いますか?
「トータル的に考えると、やはり必要な選手だと思います。
私と同じ42歳で現役でやっていますし、トライアウトで見たり、テレビで見たりしますが、その姿を見ているとまだまだプレーしたいんだなというのが画面からも動きからも伝わってきます。
彼もいろんな経験、しかもすごく重要な経験をしてきている選手だと思いますので、そういう選手が一緒にピッチにいてくれると、いろいろな意味で選手を助けてくれるし、クラブを助けてくれる存在になると思っています」

Q:(池谷友良GMに)高木さんを監督に選んだ決め手は?
「人柄もですが、横浜FCをJ1に昇格させた経験があるというのが大きなところです。
あとは、サッカーのことや地域のこと、このクラブの生い立ちなどを話す中で、同じ絵を描いていける、『高木琢也に託してもいいな』という気持ちになったということですね。
先ほどもありましたが、1人では何もできないので、皆の力が結集する中で彼を頭に置いて、皆が彼を守って導き、彼が導くという、そういうところに行けるんではないかという思いが強くなったということですね。
サッカー論というのもあるし、彼の経験もあるし、そこは選手も含めていろんな話をして、このクラブの目標としているところに行きたい。
先ほど3年でJ1という話がありました。それが叶うかどうかということもありますが、このクラブの目的は3年でJ1に上がることではなく、県民を元気にするためにスタジアムをいっぱいにするということです。
3年という話が頻繁に出て来ますが、このクラブはずっと続いていかなくてはいけないし、地域の中でも勝ち残って全国に発信していけるクラブを目指したいと思っています。その中で彼が必要だと思ったということです」

Q:ご自身の性格を自己分析していただきたいのと、ご出身の長崎と同じ九州ということで、熊本についてのイメージや、熊本にまつわる思い出等があれば教えて下さい。
「自己分析ですね…。どう思われますか?(笑)
うーん、比較的、楽天家だというのを自分でも発見しました。選手の時には、試合前に巻くテーピングに少しでもシワが入ったりすると最初からやり直したりして、ゲームに関してはナーバスになることが多かった。でも監督になってからは意外と寝れないこともないですし、サッカーのことを考えながら寝てしまったり、監督を始めてからはそういうことに気づきました。
悪いところは…、どこでしょうね。こういう質問は初めてなのでうまく答えられなくて申し訳ないんですが…、何だろうなぁ…、多分、これが短所だと思います(笑)。
高校時代から、九州学院ともよく試合をやってましたので熊本にはよく来ていましたし、親戚がいたり、幼少期を含めてよく来ていた街でした。高校を卒業してからはなかなか来ることはありませんでしたが。
あとは、今年の対戦でアウェイチームとして来た時に、熊本城を見て改めて『素晴らしいな』というのを感じました」

Q:監督就任にあたってクラブにリクエストされたことは?
「監督をやる上で要求したことはいくつかありましたが、そこも含めてロアッソというクラブを理解した上で引き受けましたので、やれること、やれないことも何となくわかっています。その中でやれることを、クラブには一生懸命やっていただきました。ほとんど補強に関してですが、その点は非常に感謝しています」

Q:現役時代も含め、歴史のある、中央のクラブに在籍されていて、地方の新しいクラブで仕事をされるのは初めてだと思いますが、楽しみな部分と不安な部分があれば教えて下さい。
「楽しみなことで言うと、このクラブを皆さんや熊本の人たちに応援していただいて、今よりもいろんな形でステップアップできるということです。隣の県の出身で実家も近いですし、熊本に知人もいらっしゃいますので、不安要素は正直言ってありません」

Q:横浜FC、東京ヴェルディの2チームではコーチから監督への昇格という形で、今回は監督として全く新しいチームに入ることになります。その部分での難しさや、やりがいはいかがでしょうか?
「僕自身が、コーチからステップアップして監督になるというケースだけなので、新しくチームを見るということで、自分の目線として大切なのは選手をフラットに見るということだと思います。
昨シーズン対戦をしていますが、『この選手はこういうことができて、こういうことができない』という対戦相手の目線から入ってしまうと選手に対しても良くないと思いますし、自分自身の目で見れば逆だったり、もっといいものが出てくる可能性もある。そういう意味でもフラットな目線で見ていきたいなと思います。
難しさもやりがいも大きな差はなくて、自分自身がどうやっていくかで、そこは解消されていくのかなと思います」

Q:来シーズンの陣容がまだハッキリしていないので難しさもあると思いますが、失点の多さを改善し、チームを強化すればどれぐらいの順位まで行ける、あるいは行きたいと考えていらっしゃるか教えて下さい。
「来シーズンは試合数が減るのでまだイメージがつかないんですが、J1のリーグとほぼ同じようになるので、それぐらいの順位で失点数を考えてみようかなと思っています。真ん中あたり、1桁行ければというのもあるし、ただ、やる以上はトップを狙わないといけないと思うので、勝つ事に全てを注いでいけば、最終順位はその後についてくると考えています。
ただ、数字にはこだわらないと結果はついてこないだろうとは思っています」

以上
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