12月23日（水）２００９Ｊユースサンスタートニックカップ　準決勝 Ｆ東京 vs Ｇ大阪（14:00KICK OFF/長居）
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主導権争いが面白いことになりそうな対戦。お互いにしっかりとプレッシャーを掛けてボールを奪おうとするチームなので、我慢比べの時間が長くなることが予想できる。Ｆ東京のFW重松健太郎、山口潤もＧ大阪のFW原口拓人、石原雅仁もそう簡単にはいいボールを貰うことは出来ないはず。その中で、誰かがサボったり判断を誤ったりするか、個で局面を打開することでチャンスが生まれることになりそうだ。出来ることなら、誰かのサボりやミスから生まれるゴールではなく、個で局面を突破するシーンを観客に見せつけてほしい。準々決勝のベアスタにはU-18代表コーチの牧内辰也氏が視察に訪れていたが、代表コーチが「次の合宿に呼びたい」と強烈に思うような個の躍動を見たい。

Ｆ東京はFWの重松が一番の注目選手になるが、内田達也、西塔仁が揃うＧ大阪のセンターバックとの対決では真っ向勝負を見せてほしい。重松と内田は新生U-18代表のチームメイトだから、どちらかだけが良くても問題はあるが個と個がぶつかる場面が多ければ多いほど盛り上がる。来年のJ2は19チームと奇数だから、U-20とU-18で混成チームを作って偶数チームでJ2を戦うことが彼らの成長には一番いいと思うが、代表のチームメイトがJユースサンスタートニックカップでガチガチと音がするような争いで競い合う姿は両チームのサポーター以外の人にとっての見所になる。

選手は純粋にチームが勝つこと、今の仲間で1試合でも多く戦い、タイトルをチームにもたらしたいと思っている。この意味では我慢比べの末にどんな形でチャンスが来るのか楽しみだが、Ｇ大阪の島田貴裕監督は「FC東京にチャレンジする」という趣旨の話をしており、強気なＧ大阪の姿を見ることが出来そうだ。JFAプリンスリーグ関西で2部落ちという屈辱を味わった西の育成キング・Ｇ大阪ユースはＦ東京にとって相当やりにくい相手になる。準々決勝で広島に敗れた東京Ｖは技術の高い選手が多かったが、今年の大会はＧ大阪のように派手さはなくても確実にプレーが出来るチームがベスト4に残っている。昨年は宇佐美貴史という期待を背負う王様がいたが、今年は王様不在のＧ大阪。しかし、それでも強い。王様がいないほうが強いのかもしれない。

そのなかで、Ｇ大阪ユースから声が掛からなければ野洲高校に行っていた中盤の関皓平は面白い存在。セゾンFCでもなく、野洲中学でサッカーをやっていたタメのテクニシャンは、リトル遠藤の雰囲気がある。Ｆ東京のサイドハーフ、サイドバックは積極的に攻撃参加するので、関の守備力がどの程度あるのか、守備で疲れても攻撃で自分の特徴を発揮できるのかサイドの戦いも見物だ。延長戦の末にPKで勝敗が決まる可能性も充分にある戦い。万全の寒さ対策をしてじっくり楽しんで欲しい。

以上

2009.12.22 Reported by 松尾潤