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【2009Jユースサンスタートニックカップ:準々決勝 磐田vs柏/F東京vs名古屋】レポート:明暗くっきりの長居決戦。本丸にたどり着いたのは、磐田とF東京!!(09.12.21)

12月20日(日)2009Jユースサンスタートニックカップ 準々決勝
2009Jユースサンスタートニックカップ特集サイト
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磐田 2 - 0 (11:00KICK OFF/長居2/333人)
得点者:6'海田 佳祐(磐田)、13'海田 佳祐(磐田)

寒風吹き裂く長居第2陸上競技場。12月も後半に入り、一足早い『長居決戦』が幕を開けた。長居公園の中に長居スタジアムと長居第2陸上競技場はある。同じ敷地内で、距離も僅か100m程度というすぐ隣に位置するが、それはあくまで物理的な距離であって、選手たちにとって、そこに至るまではとてつもない労力を要する位置にある。
そんな『夢の舞台』が背後に見守る中、4つのチームが僅か100m程度の距離を埋めるために、激しくぶつかり合った。

第1試合は激戦だった。高円宮杯全日本ユース(U-18)準優勝の磐田は、大きな不安を抱え、この一戦に臨んでいた。1トップとして、攻撃の急先鋒となっていたFW山下純輝と、180cmの大型トップ下として大きな存在感を放っていたMF高山皓旦が2回戦の京都戦後にそろって離脱。攻撃の要となっていた2人の離脱はチームに大きな打撃を与えていた。

しかし、今年のチームはこの苦境を乗り越えられるだけの強さがあった。磐田は春先、チームの中心となるはずだったMF和久田章太、DF内田恭兵ら各年代代表の調子が上がらず、チームとしてもなかなかまとまれない厳しい時期が続いた。だが、その時期にMF清水貴文やFW海田佳祐、そして前述の山下、高山がメキメキと力をつけ、高円宮杯全日本ユースでは、一枚岩として戦い、決勝戦まで昇りつめた。かつて日本代表のボランチとして一時代を築いた吉田光範監督が今年限りで退任することもあり、選手たちは精神的にも強い結束を見せることが出来た。

だからこそ、この2人が欠けたからといって、崩れるようなチームではなかった。この窮地を救ったのが、成長した海田、そして軸となり続けたMF上村岬らであり、復活した和久田、内田であった。
立ち上がりから、1トップに入った海田、トップ下に入った鈴木凱士のコンビがバイタルエリアをかき回すと、右サイドの清水、上村と和久田のボランチが連動して厚みのある攻撃を展開。6分、前線からの果敢なプレスが柏の最終ラインでのパス回しに襲い掛かり、ペナルティエリア内で海田がボールカットすると、そのままU-18日本代表GK川浪吾郎をもかわして、先制弾を叩き込む。13分にも左サイドを突破した鈴木のセンタリングを、再び海田がヘッドで合わせ、2点目を挙げた。

その後も中盤での素早い囲い込みと、果敢な裏への飛び出しで、磐田が柏を圧倒するが、ここでまたアクシデントが起こる。34分、GK川浪と接触した清水が、2枚目のイエローカードで退場となってしまう。さらにこの一連の流れで、吉田監督までも退席処分を受けてしまった。
指揮官を失い、10人になった磐田。後半から柏は、DF上之薗泰斗を1スイーパーに置き、その前に橋本健太、橋本拓門、茨田陽生の3ボランチを置き、前線を2トップ、4シャドーの超攻撃的布陣にシフト。だが、ここでまた磐田のチームとしての強さを見せる。GK大杉崇仁、伊村拓浩と永井鷹也の両CBが軸となり、和久田、上村らも連動して、2重3重の固いディフェンスで対抗。訪れる絶体絶命のピンチも、GK大杉のファインブロックで凌ぎ、最後までゴールを割らすことはなかった。
「何も出来なかった。フリーになることが出来なかった」とU-18日本代表の茨田をも感服させた磐田の一枚岩のサッカーが、100mの距離を越え、チームを長居スタジアムまで導いた。

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F東京 7 - 1 名古屋(14:01KICK OFF/長居2/512人)
得点者:17'重松 健太郎(F東京)、27'山口 潤(F東京)、43'重松 健太郎(F東京)、48'梅内 和磨(F東京)、49'高原 幹(名古屋)、61'三田 尚央(F東京)、65'梅内 和磨(F東京)、72'オウンゴール(F東京)

第2試合では2回戦で今大会でも屈指の力を誇る『街クラブの雄』・三菱養和SCユースを4-1で粉砕したF東京が、名古屋に容赦なく襲い掛かった。2回戦で日本クラブユースサッカー選手権覇者のC大阪を下し、勢いに乗っていた名古屋だったが、F東京の勢いの方が数段も上だった。
1,2年生が中軸を担う名古屋に対し、F東京は例年には珍しく、3年生が大半を占める。「絶対にこのタイトルを取る」という強い気概を持った3年生が多いことも、今大会での猛烈な勢いに繋がっている。
17分に養和戦でハットトリックを達成した、U-18日本代表FW重松健太郎が先制弾を叩き込むと、27分にU-17日本代表DF廣木雄磨のクロスを、MF山口潤がヘッドで合わせ、追加点。さらに43分に重松がPKを決め、前半で勝負を決めてしまった。

後半もまったく攻め気を落とすことなく名古屋に襲い掛かると、48分に梅内和磨が4点目。直後に1年生ストライカー高原幹に1点を返されるが、61分、65分、72分と立て続けに加点し、終わってみれば7-1の圧勝で、F東京が4年連続の準決勝進出を決めた。
大敗した名古屋だったが、1点を返した60分に2年生CB岸光が一発退場するなど、不運もあった。だが、MF小幡元輝、金編勇佑、DF岸、GK古川真大などの2年生や、高原、MF水野泰輔、DF奥山政幸というジュニアユース時代に全国制覇をした1年生と、楽しみな存在がひしめいており、この経験を来年に生かして、大きく成長できる可能性を持っているだけに、これからが非常に楽しみなチームだ。

以上

2009.12.21 Reported by 安藤隆人

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