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【第89回天皇杯2回戦 千葉 vs ホンダ】レポート:後半のゴールを狙う積極的なプレーが結実した千葉が第85回大会以来の初戦突破。Honda FCは個の勝負と後半の息切れに泣く(09.10.13)

10月12日(月) 第89回天皇杯2回戦
千葉 3 - 0 ホンダ (13:00/フクアリ/5,456人)
得点者:49' 巻 誠一郎(千葉)、62' 和田 拓三(千葉)、81' 新居 辰基(千葉)
天皇杯特集
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 ようやくこの日がきた。千葉にとって7月4日のJ1リーグ戦第16節大分戦以来の公式戦勝利は、待ちに待った江尻篤彦監督の公式戦初勝利。フクダ電子アリーナでは6月7日のヤマザキナビスコカップ予選リーグ第6節京都戦(J1リーグ戦では5月9日の第11節広島戦)以来の勝利で、千葉サポーターはホームでの歓喜を本当に久しぶりに味わった。

 前半が終わった時点ではどちらが勝ってもおかしくなかった。両チームがサイドチェンジを交えながら中盤でパスをつなぎ、攻撃を組み立てる。だが、ラストパスが出し手と受け手の意思が合わないものになったり、パスやシュートが精度を欠いたりして得点に結びつかない場面が目についた。Honda FCが前からプレスをかけ、ディフェンスラインを高く維持しようとしたため、両チームがコンパクトな状態の中で激しくぶつかり合う。ハイテンポの展開に、14分には千葉のMF下村東美が味方に「落ち着け」というようなジェスチャーを見せた。時間の経過とともに千葉がボール支配率を高めたが、Honda FCがボールを奪うと素早い展開でシュートまで持ち込むなど応酬し、互角の展開だった。

 前半終了間際のHonda FCのFW鈴木弘大の決定的なシュートを、GK岡本昌弘の好セーブで防ぎ、こぼれ球にいち早く反応したクリアで失点の危機を脱した千葉。ハーフタイムの江尻監督の「チャンスはある」の言葉どおり、さらに攻勢に出た後半にチャンスを作り、ゴールに結びつけた。49分、MF中後雅喜のパスをペナルティエリアで受けたFW巻誠一郎が待望の先制点を奪取。これまでの千葉ならこのあと追加点を取れずに苦戦し、勝利を逃してきたが、この日は違った。62分、MF工藤浩平のパスを左サイドで受けたMF谷澤達也が右サイドにパスを送ると、これを受けた右サイドバックのDF和田拓三が思い切りのいいシュートで追加点を奪った。70分に交代出場したMF米倉恒貴がゴールを狙う積極的なプレーを再三見せたのも大きかった。81分にはその米倉のシュートをHonda FCのGK清水谷侑樹がセーブしたが、こぼれ球にすかさず反応したFW新居辰基がダメ押しの『3点目』をゲット。第85回大会以来の天皇杯初戦突破を決定付けた。

 千葉対策としてJFL後期第11節からのスタメン変更&ポジション変更で挑んだHonda FCだが、「前半に飛ばしすぎた」(鈴木)ためか後半はやや息切れした感があった。ダイレクトパスを織り交ぜながら千葉の隙を突く攻撃も見せたが、プラン通りに先制点を奪うことはできなかった。特に前半の組織での勝負は互角だったが、局面での1対1やルーズボールの奪い合いといった個の部分での勝負で後手にまわったのが悔やまれる。
 J1残留争いのリーグ戦に向けて弾みがついた千葉だが、選手は勝利を喜びながらも気を引き締め直し、反省点や課題を口にした。江尻監督のハーフタイムコメントに「立ち上がり、相手のDFの裏をシンプルに狙っていけ」とあったが、無理にパスをつなごうとしてボールを奪われ、ピンチを招いていた。今回の勝利で忘れかけていた『勝ち方』を思い出したはず。次は高いディフェンスラインの背後のスペースを突く攻撃、パスをまわしてスペースを作りながらの攻撃と、状況に応じた攻撃で『勝ち方』の精度を高めてほしい。

以上

2009.10.13 Reported by 赤沼圭子
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