9月19日(土)J1 第26節 新潟 vs 大分(14:00KICK OFF/東北電ス)
スカパー!生中継 Ch182 13:50〜(解説:梅山修、実況:鈴木英門、リポーター:内田拓志)
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6位新潟にとって、上位再浮上のために落とせない1戦。キーマンはMF松下年宏だ。連敗を3で止めた前節千葉戦では、フリーキックで矢野貴章の決勝点をアシストした。新潟は、大分戦は2005年の第18節(3-1)を最後に7戦未勝利と、苦手にしてきた。松下のプレースキックの精度が、難敵突破と第15節名古屋戦以来のホーム戦勝利につながっている。
残留へ厳しい状況が続く最下位の大分は、前節磐田戦で5試合ぶりに白星を挙げて上昇ムードにある。相性のいい新潟戦で生き残りの手ごたえをつかみたい。
ゆっくりとボールをセットした松下は、その流れのまま、慌てずに立ち位置を確かめた。試合前日、セットプレーの練習でフリーキックの感触を徹底的に確認した。
「何となく感触をつかみました」。千葉戦、左寄りのフリーキックで、矢野の今季7得点目を生み出した。今季4つ目のフリーキックでのアシストだった。開幕のF東京戦、コーナーキックでジウトンのゴールをアシストしたのを含めれば、松下のプレースキックは今季、5つのゴールにつながっている。
もともとキックの精度は高い。それが千葉戦でバージョンアップした。それまで勢いよく助走し、キックの体勢に入っていた。千葉戦では、ゆっくりと助走に入り、徐々にスピードを上げてインパクトの瞬間に力を込めるように改造した。「以前はニアに引っかかることが多かったけど、助走を変えて、きっちりファーまでいくようになりました」。新潟にはもう1人、プレースキックの名手マルシオ・リシャルデスがいる。ゴールを狙える位置はマルシオ、距離があるときは松下と、すみわけに関しては2人の中で暗黙の了解がある。ただ、「蹴りたいときは、主張するようにしています。マルシオも分かってくれる」。結果を重ね、自信は深まった。
2006年に新潟へ移籍してきた松下は、大分戦で勝利の経験がない。「守備が堅くて嫌な相手」。苦手な印象が頭にある。それだけに、自分のプレーの重みも分かっている。「これからはチャンスをきっちりものにしていかないと。セットプレーで確実に得点できるようにしたい」。勝点3のために堂々と重責を担う。
大分も前節、連敗を4で止めた。磐田を相手に積極的な攻撃でサイドに起点を作り、主導権を握った。高橋大輔、東慶悟が得点に絡むなど、攻撃陣の動きは流動的でスピーディーになっている。守備はこれまでよりもアグレッシブ。そのスタイルを続けることで安定感も戻ってきた。上本大海、深谷友基らを軸に中央でしっかりとはね返す形ができている。故障が心配される森重真人、新加入の菊地直哉のコンディションが万全であれば、攻撃と連動した守備が展開できる。
何より、前節の勝利で残留に向けて最後まであきらめないという姿勢は一段と強くなった。残留するために1つも落とせない状況に変わりはないが、チームの結束は固い。新潟との相性のよさは好材料でもある。
お互い負けられない戦い。両者の勝利への意欲が試合の流れを左右する。
以上
2009.09.18 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)