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愛媛
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今季のみどころ
過去2シーズンの愛媛は野心ある指揮官のもと、ハードワークと組織力の高さを武器にチーム一丸となってJ1昇格プレーオフ進出を果たすなど、中堅的なポジションから昇格戦線を伺う力を誇示した。しかし、そのチームを率いた木山 隆之監督は山形へと移り、主軸として活躍した選手の多くもチームを離れることに。当然のことながらチームは新たな指揮官のもと、新たな布陣で再出発を強いられることになった。しかし、中位躍進の功労者たちがチームを去ったことは残念だが、ラインナップが大きく変わるからこそ高まるワクワク感もある。
新たにチームの指揮を執るのは、かつて元日本代表監督イビチャ オシム氏の通訳を務め、それをきっかけに指導者の道に転身した間瀬 秀一監督。この指揮官、経歴だけがキャッチーなわけではない。緻密かつ、説得力のある戦術眼を有し、オシム仕込みの哲学的な言葉で選手たちを惹きつける。その間瀬監督率いる“新生・愛媛”のスローガンは「速戦力」。ピッチ内では攻守両面におけるスピードを求め、「あらゆる選手が攻撃のスイッチを入れてゴールに向かう(間瀬監督)」とアグレッシブに躍動するスタイルを目指す。また、戦術理解、コミュニケーション、個々の成長など、ピッチ外においてもスピードにこだわる。
今季のチーム目標はズバリ、J1昇格プレーオフ進出。そのハードルは限りなく高いものであると言わざるを得ないが、「一人残らず全員が過去最高のパフォーマンスを(間瀬監督)」と真っ直ぐ未来のみに目を向ける指揮官の眼差しは“サプライズ”を予感させるほどの力がみなぎっている。
Reported by 松本 隆志