神戸vs新潟の見どころ(明治安田J1リーグ:2025年4月6日)
一覧へ明治安田J1リーグ 第9節 2025年4月6日(日)14:03KO 国立競技場
試合終了
00前半1
0後半0
11SH5
3CK4
11FK2
1
- 12'長谷川 元希
本来の姿が蘇った神戸。良い記憶が刻まれる聖地でも“らしく”
神戸は前々節、首位に立つ鹿島のホームに乗り込んだ中、0-1で敗戦。今季絶好調の相手の牙城を崩せなかったが、前節は鹿島戦の反省を生かし、あらためて攻守に連動性の高いサッカーを展開している。
5バックの堅い守りを構築する横浜FCに対し、後方からボールをつないで相手を引き出し、できたスペースを全体で共有しながら相手ゴール前に進入。選手個々が高いパフォーマンスを発揮し、74分に途中出場のエリキがゴールを仕留め、そのまま1-0で勝利。連敗を阻止するとともに、アグレッシブかつ高強度で戦い抜く神戸らしい姿を明確に取り戻した。
開幕以来、常にケガ人に悩まされてきたチームだが、重要戦力が徐々に戻り、新加入のグスタボ クリスマンらも目立ったパフォーマンスを披露。前節を欠場した武藤 嘉紀ら一部選手の状態は不透明ながら、ここ2シーズンでJ1を連覇した原動力である高い競争原理が戻ってきたことは極めて明るい材料となっている。
消化試合数が1試合少ない中で、順位は14位まで上昇した。国立での試合は、今季のリーグ開幕直前にFUJIFILM SUPER CUPで広島と戦って以来。そのゲームは敗れたものの、昨季のJ1第18節・川崎F戦でも国立でのホームゲームとして開催し、1-0で勝利。さらに、昨年11月にはクラブ史上2回目となる天皇杯制覇を遂げた舞台でもある。良い記憶も確かに残る場所で、神戸らしく90分を激しく戦い切れるか。目指すは今季初の連勝となる。
一方、新潟は開幕以来苦しい状況が続いている。前節は福岡に0-1で敗れ、開幕から4分4敗とJ1・20チーム中唯一、勝利がない。今季から指揮を執る樹森 大介監督の下、早く今季初勝利をつかみたい状況だ。
結果が出ていないことへの歯がゆさが先行するが、敗れたゲームはいずれも僅差の敗戦ばかりであり、試合内容が悲観的なわけではない。元来、ボールを動かす能力に長けたチームであり、チーム全体のハードワークの意志も強く、手にしたいのは好転を呼び起こすきっかけに尽きる。国立での試合は、惜しくもPK戦の末に敗れたが激闘を演じた昨季のJリーグYBCルヴァンカップ決勝・名古屋戦以来。どれだけ我慢強く、局面の戦いに挑めるか。両方のゴール前でのプレーに高い集中力をもって臨みたい。
両チームの昨季の対戦は、神戸がホーム・アウェイともに勝利。いずれも3-2とゴールが多く生まれ、神戸自慢の高強度なプレスと新潟の巧みなボールポゼッションがぶつかり合う、見ごたえのある戦いだった。試合中にはプレスを外されることも、パス回しを疎外されることもあるが、気持ちを落とすことなく全体で前に進む意志を持ち続けられるかが重要だ。互いの強みが激突する、熱い90分に期待したい。
[ 文:小野 慶太 ]