大宮vs鳥栖の見どころ(明治安田生命J1リーグ:2017年6月4日)
一覧へ明治安田生命J1リーグ 第14節 2017年6月4日(日)16:03KO NACK5スタジアム大宮
試合終了
10前半1
1後半0
13SH5
4CK7
11FK13
1
伊藤新監督の下、浮上を目指す大宮。新体制のキーワードは“攻撃的な姿勢”
5月28日に渋谷 洋樹監督と黒崎 久志ヘッドコーチの解任、そして伊藤 彰新監督と海本 慶治新ヘッドコーチの就任を発表した大宮にとって、今節は体制変更後初のリーグ戦であり、初のホームゲームとなる。当面の目標である降格圏脱出に向けて、是が非でも勝利の欲しい一戦だ。
29日に行われた監督就任会見では、数字的な目標として「勝点36=残り試合で8勝5分8敗」を掲げ、「まずはそこを目指して、残留ができるような形になりましたら、その先に一つひとつ上を目指して頑張りたいと思います」と語った新指揮官。公式戦初陣となった31日のJリーグYBCルヴァンカップAグループ第7節・磐田戦(2-1)では開始早々に退場者を出しながらも、最後まで攻撃的な姿勢を貫いて磐田を突き放した。チーム全体の躍動感が際立ち、リーグ戦に向けて勢いのつく勝利だったことは間違いない。
新体制でのキーワードとなるのが、上でも触れた攻撃的な姿勢だ。伊藤監督は「まず、いまの成績というところで、得点が取れていなくて失点が多い。特にこれから勝点を重ねていかないといけないというところで、引き分けを狙ったゲームでは勝点を重ねていけない。いまのベースをもとに、攻撃的なサッカーをやりたいと思っております」と宣言しており、実際にトレーニングでも攻撃に重点を置いている。磐田戦での攻撃的采配を加味して考えると、今後のリーグ戦では守備的に一つずつ勝点を拾っていく戦いではなく、リスクを冒しても一気に勝点を積み上げていくような戦いが見られるはずだ。
磐田戦でキャプテンマークを巻いて出場した江坂 任は「本当にチームとして自信になる勝利だと思いますし、10人でもこれだけ戦えた。それを11人でやればもっともっと良いサッカーができると思いますし、次で負けたらまた課題が出てしまう。これを勝利につなげられるように、次は11人で同じくらい走れれば勝てるんじゃないかなと思います」と手応えを口にし、今後への抱負を語った。この勢いを一過性のものとしないためにも、リーグ戦での結果が何よりも求められることになる。
もっとも、細かな戦術的修正だけではなく、システム変更も断行されているだけに、いきなり全てがうまく回るとは考えにくい。思いどおりにはならない部分も受け入れ、粘り強く攻撃的な姿勢を保って戦うことが勝利へのポイントになる。ホームで戦えるアドバンテージを生かし、自分たちの目指すサッカーを見失うことなく90分を戦い抜きたい。
一方の鳥栖はここまで10位につけるものの、連勝が一度もなく、それが上位に進出できていない要因となっている。前節は札幌に1-0の勝利を収めており、今節は今季5回目の連勝へのチャレンジ。監督交代直後のチームと対戦することには難しさも伴うが、マッシモ フィッカデンティ監督の下で積み上げてきたものを発揮し、違いを示さなければならない。大宮の攻撃性を抑え込み、アウェイでの勝利を狙う。
[ 文:片村 光博 ]