松本vs新潟のマッチレポート・動画(明治安田生命J1リーグ:2015年5月2日)
一覧へ明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第9節 2015年5月2日(土)18:30KO 松本平広域公園総合球技場
試合終了
11前半1
0後半1
14SH11
3CK7
13FK16
2
熱いアルウィンの夜 試合を決めたのは山本 康裕の一撃!

吹く夜風は心地よかったが、この夜のアルウィンは間違いなく“灼熱地帯”と化していた。アウェーゴール裏をオレンジに染め上げた新潟サポーターがピッチ上に声援を送れば、負けじと松本サポーターもボルテージを上げる。隣県同士のチームであり、『中部日本横断シリーズ』のライバルでもある。18,398人もの観客は、その注目度の高さを証明していた。
まだ明るさも残っていた開始直後に試合は動いた。7分、松本ペナルティーエリア内での攻防で指宿 洋史に後藤 圭太がファウルを与え、ジャレッド ジレット主審はPKを指示。場内が一気に熱を帯びる中、レオ・シルバがきっちりと決めて、新潟が敵地で先制に成功する。
本来ならば、新潟が俄然有利となる展開ではある。しかし、今季の新潟は第5節・鹿島戦、第6節・神戸戦と先制しながらもその直後に追いつかれ、長い時間リードを保てていない。結果的に今節もリードする時間は長くはなかった。23分、右サイドでボールを受けた前田 直輝がペナルティーエリア右隅付近で躊躇なく左足一閃、「カットインからのシュートは自分の得意な形。ワンタッチした瞬間にシュートコースが見えたので、打ちました」というスーパーゴールが新潟ゴールに突き刺さる。これで1-1の同点。試合の行方は再び分からなくなり、各局面で激しい肉弾戦が見られるようになった。
同点のまま、試合は後半へ。風上に立ったことで勢いを持って攻め込みたい新潟は、後半開始直後から前への圧力を高めて好機こそ作るものの、フィニッシュの精度に欠けて決めきれない。対する松本はゴール前までなかなか運べず、お互いに不完全燃焼の試合展開。終盤を迎え、2点目を挙げた側が勝利へと大きく近付く状況だ。新潟は山本 康裕、松本は阿部 吉朗を投入することで勝負を賭ける。主導権はやはりアウェーチームにあり、松本も75分にオビナがバイシクルシュートを見せるなど単発での攻めは見られたが、新潟を大きく脅かすには至らない。
このまま1-1での終了も予感させた分、ついに新潟が試合を決めるゴールを生んだ。83分、松本守備のミスを突き、レオ・シルバから山本にパスを送ると、これを左足で押し込んだ。「レオ(・シルバ)から良いボールが来て前を向けたので、力は入らなかったけど(シュートが)良いところに行ってくれた」と語る山本が途中投入で決勝ゴールの大仕事をやってのけた。
この試合、新潟は基本フォーメーションである4-4-2ではなく3-5-2で挑み、2トップも指宿 洋史と山崎 亮平に変更。「松本のサッカーはアグレッシブなので、それに対抗すべくフレッシュな選手を起用した」と柳下 正明監督はその理由を試合後に述べたが、確かにチームは躍動した。反町 康治監督もフォーメーションについては想定していたものの、「新潟の今日の配置、対処はあっぱれだったと思います」と唇を噛み締めていた。
[ 文:多岐 太宿 ]
戦評
23分に右サイドからドリブルで中央に持ち込むと、ペナルティエリア右角付近から左足を一せん。ボールは空中を滑るような軌道でゴールの左に吸い込まれた。
これで勢いに乗った松本に対し、新潟も受けに回ることなくサイドから攻め、試合は白熱した展開のまま終盤へと進む。その中で、勝負を決めたのは途中出場のMF山本 康裕だった。速攻から狙い澄ましたミドルシュートで決勝点を挙げ、6試合ぶりの勝利を手繰り寄せた。
【新潟】監督・選手コメント(クラブ公式サイト)