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広島vsG大阪のマッチレポート・動画(FUJI XEROX SUPER CUP:2016年2月20日)

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新9番と新10番、そしてエースの11番。氷雨の中の躍動

冷たい雨が降り注いだ日産スタジアム。前半は静かだった。両チームとも高い組織力を発揮して相手に自由を与えない。ポゼッション率で勝った広島はペナルティエリア内へ効果的に進入できず。一方、縦に速く攻める回数が多かったG大阪の前には紫の壁が立ちはだかる。FW佐藤 寿人もFWパトリックもシュートを放つ場面を作り出せなかった神経戦のような前半45分間は、エンターテインメント性に欠けているとも感じられただろう。

だからこそ、その均衡を破った佐藤のゴールの価値が高まるというもの。51分、プロ17年目のシーズンを迎える紫のエースが奪った先制点は、佐藤の代名詞と形容できるようなゴール。「ずっと相手のDFに『(佐藤は)ニアに来る』と言われていた中で、ニアで取れたんで気持ち良かったですね」と、ベテランストライカーは笑う。トレーニング中からDF塩谷 司に要求を続けてきたシュート性のクロスに滑り込んだ佐藤は、GK東口 順昭の鼻先でコースを変えてネットを揺らした。

この得点でゲームは動き始めた。得点後、足に違和感を覚えた佐藤に代わってFW浅野 拓磨がピッチに入ると、G大阪のプレッシャーをかわして広島の攻撃陣がスピードに乗る。その流れから、PKを獲得した。これを57分に浅野が思い切りよく蹴り込んで「ジャガーポーズ」を披露。すると、G大阪は60分にMFアデミウソンとパトリックをベンチへ下げ、FW長沢 駿とMF倉田 秋をピッチに送る。68分には高い位置で奪ったボールをきれいにつなぎ、MF阿部 浩之のクロスに飛び込んだMF宇佐美 貴史が頭で合わせる。G大阪が1点差に詰め寄った。

そして、行方の分からなくなったシーソーゲームを決めたのはナイジェリア代表歴を持つアタッカーだった。MF茶島 雄介が蹴ったCKはニアでDFに引っ掛かったが、FWピーター ウタカが豪快に右足を振り抜く。今季から広島に加入した期待の助っ人が、デビュー戦で大きなインパクトを残した。

終わってみれば、アタッカー陣がそれぞれに躍動して見応え十分の試合だった。十分に両チームの新シーズンへ期待を抱かせる内容。特に広島は、昨季に21得点を奪ったFWドウグラスが中東のチームへ移籍した不安を初戦で吹き飛ばした意味は大きい。「新9番」、「新10番」、そしてエースの「11番」が得点を挙げ、森保 一監督は「昨季のチーム内得点王のドウグラスが移籍したことで、またチームを作り直して戦わなければいけない。成長しながら結果を出すことを昨季も話してきましたけど、今季もいろんな融合をして個の力が発揮できるチーム作りをしていきたいと思います」と今後を見据えた。これからどんな発展を見せてくれるのだろうか。

一方、アデミウソンとパトリックのブラジル人コンビがシュートを放てないままピッチを去ったG大阪は、不安も残すスタートとなった。ただ、森保監督は「(G大阪は)コンビネーションを確かめながら試合をしていたところがあったと思います。まだまだガンバさんの力はこんなもんじゃないと思います」と警戒をさらに強めている様子。MF青山 敏弘も「フィットしたら怖いな」という実感を持ち帰っていた。こちらもどのような進歩を続けていくのか興味深い。

良いスタートであっても、悪いスタートであっても、重要なのはこれから歩んでいく道のりだ。早速両チームは、次週のミッドウイークにアジアの舞台での勝負を控えている。

[ 文:寺田 弘幸 ]
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