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【川崎F】風間八宏新監督就任会見(12.04.24)

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就任初日の練習を終えた風間八宏新監督が、麻生グラウンドにあるクラブハウス内で、就任会見に臨みました。会見でのコメントは以下のとおりです。

●風間八宏監督
「こんにちは。反応無いですね(笑)。みんな知っている人なのに(笑)。
ここに来て、ここに来るまで、自分の筑波大学とか、フジテレビとかもろもろいろんな仕事がかなり多かったので、実際にこういうふうな仕事に就けるのかどうか大きな問題だったんだと思うんですが、すべてのところでものすごく快く受け入れてくれて、背中を押してくれました。そしてもちろん、フロンターレも、ぼくに対してものすごく熱意を持って接していろんな努力をして下さいましたので、ここにいると思っています。
もちろん、途中ですのでどんなふうにしていくのかこれからもっともっと選手を見極めながらやって行きたいと思いますが、できるだけ魅力のある、ボールを持った、選手も楽しんでいるのがわかるサッカーをしていきたいと思います。みなさんにはこれからもたくさん応援して、たくさん露出させていただきたいので、ぜひお願いします。以上です」

Q:Jリーグからのオファーもあったかと思いますが、このタイミングでオファーを受けられたという事について、教えてください。
「3つくらい理由ありますかね。1つはフロンターレさんから、考える余地のないくらい、積極的に監督をやってくれないかと。そしてチームを構築してほしいと告げられたこと。これが1番大きなものです。それからもうひとつは、自分がいろんな事に関わりながらここ3年くらいで頭の中がだいぶ整理できたかなというところ。それから先ほども言った通り、周りが、快くぼくを押し出してくれたこと。この3つだと思います。これはすべてが揃わないと、自分の場合は動けなかったので、そのへんはタイミングだったというか、ちょうどいい時期だったんだと思います。縁だと思います」

Q:シーズン途中の就任だという事で、どこがフロンターレの課題で、どう建てなおすのでしょうか。
「前のチームと比較する気はあまりないんですよ。特別なことをするというよりも、彼ら一人一人がもっている資質を上げて行こうと。たとえばスピードひとつ上げるにしても、走るスピードもありますけれども、それよりもボールスピード。それからボールを止めてから蹴るまでの感覚。それから周りを見つけるという速さ。これが揃って相手と戦える判断になると思うので、ここだけ上げていってもかなり違うものになってくると。そしてもちろん、その先には動きの問題だったり、いろんなことがあると思いますが、ボールを取られずにサッカーをするという事を目的にやって行きたいと思います。もちろん目的はゴールですが、その目的を間違えずにやって行きたいと思います」

Q:初日を振り返ってチームの雰囲気はいかがでしたか?
「選手も緊張していたと思うし、ぼくも初めはすべてが分かるわけではないですから多少の緊張はありましたが、やはりスタッフとずっとその前から話をしていて、スタッフの目を揃えないといけない。ぼくが何を見ているのかをわかってほしいというのを先に出て少し説明して、それから練習に入るという形を取りました。そこから選手たちもだんだんだんだん、自分たちで積極的にやってくれるようになりましたし、はじめに比べれば大分積極的に、自分が何かをしたい、やろうという選手もかなり出てきたのでね。1日目にしてはすごくよかった手応えはあります」

Q:就任について3つの理由のうちの2つ目について、自分の中でいろいろなことが整理されたという事をもう少し具体的に教えて下さい。
「14年前に現役を引退して、それこそチェコとかドイツとかに行っていろんな事で整理してきたつもりでしたが、ひとつはテレビで世界中のものを見ること。それから、子供たちをずっと指導してきたこと。それから、大学生を通じて、日本の選手たちの特性がわかってきたこと。たとえば18歳から22歳まで、まだまだ変化するんだと。意外と吸収力はあるんだけど、意外と知らない事も多いんだなと。
それから自分の中では、サッカーは当然システム論はあるんですが、それよりももっとはっきりしたものがある。手でボールを扱うスポーツを考えれば、比較的それが簡単に見えてくるというような考え方が自分の中ではっきりして、しかもそれがある程度自分が大学で教えるところなんかでは、出来てくるようになってきた。
もちろん、フロンターレの選手たちはそれ以上に能力は高いと思いますので、そこのところでどれくらいの時間で、彼らがそういう事を身に着けていくのか。あるいは理解していくのか。それが1つ大変なことではありますが、楽しみなことでもあります。そのへんがはっきりしてきたところかなと思います」

Q:横断幕が出ていました。「常識を疑うことが変革の出発点」とありました。外から見てきた風間さんへの期待だと思いますがそれについては?
「まだ始まったばかりですし、選手もまだすべて把握したわけではないですからあまり大きなことは、偉そうなことは言えないですが、やはり自分自身も14年前に指導者になって常識だと思っていたことが、今なら少し恥ずかしいと。非常識になっていることもかなりあるんですよ。でも今ぼくの中では完璧な常識なんですよ。そういう意味ではぼく自身が変化することが、そのまま常識を変えることになる。実際にどこの世界でもそうだと思いますが、この先何年か先にどんな事があるのか、誰も予測できないが、今あることを、あるがままにやるのではなくて、ここの選手たちはもっと可能性があるのではないか。あるいは自分の考え方はもっとこうすればおもしろいのではないか。みんながそんなこと無理に決まっているんじゃないという事を言ったとしたら、それは逆にぼくのヒントになる。じゃあそれを見せてやろうかなと思うのが今までの自分の生き方なので。そういうところで、もっともっと自分自身探していきたいですし、逆にそれは選手たちとともにまた探していけるんじゃないかと思っています」

Q:フロンターレでやりたい理想形は? それは何対何(スコア)の試合でしょうか?
「正直、理想はありません。何かというか、それは全部選手の中で決めることでぼくがやることではないので。そういう事で一番は、理想というのはもちろん、90分間ボールを持ち続けて選手が伸び伸びやること。球技である以上、ボールを持たずに考えることはないですよね。ですが、先ほどの常識というのは、相手のボールを取ることが常識になっていますが、手でやるスポーツで、ボールを持ってボールを取られる事を考えるスポーツはないですよね。ですからそういう意味で堂々と自信を持ってボールを持つサッカーをしていってほしい。そしてその中でいろんな選手たちの発想が常に出てくるところ。たとえばぼくは何対何というのはないんですが、当然その中で選手が、ぼくがそっちに行くの?と思っても全く違う方向に行ってとんでもない結果を出してくれたら、それは面白いと思っています。ですから、いつも、もとから当てはめるつもりも無いですし、彼らが作っていくものにもっともっと大きくしていきたいと考えています。それがぼくの理想です」

Q:途中からの就任ということで、内容についてはお聞きしましたが、今季の結果について目標とされているものは?
「正直、選手を見てから、でしか判断できないと思います。それから当然ぼくは結果は大事で、ぼくの中でも作らなければならないと思っていますが、ぼくが一番大事だと思う結果は、どう勝つか。ここにこだわって行きたいと思っています。それが結果につながるんじゃないかと思っています。
つまり何位という結果よりも、どう勝つか。どう勝つかを求め、何試合勝てたのか。それがぼくの中の結果になると思います。それくらいの気持ちで今季は居ます」

Q:最初の試合まで4日しかありません。その中でどう作っていくのか。それから最初の試合が因縁といいますが広島戦で、森保さんが監督をやっています。いろいろな想いがあると思いますが、それについてと広島の印象について。
「4日間ですが、そこがゴールではないので。当然この4日間でどこまで出来るのかが、この1年後、というか8ヶ月9ヶ月ですね。に続いていくことだと思ってますので特別そこを意識することはないと思っています。ですけれどその4日間でどのくらいの考え方を彼らに持たせることができるのか。持っているものの最大限をどのくらい出せるのかを練習しているつもりです。
広島は、広島の人たちはみんな好きですが、それほどなにかを意識をすることはとりあえず無いと思います。森保と言ったらいけないですね。森保監督に対しては、彼が就任した時にも電話来ましたし、いろいろしていますので、一緒にいいゲームをしたいと思います」

Q:3つの条件のうち、テレビで世界のサッカーを見たとおっしゃられていました。その中で刺激になったのは?見た中でフロンターレに活かしていきたいと思うことがあれば。
「簡単に言うと、世界のサッカーといっても、やり方ではなく、選手の質ですね。目の前でたくさんの選手を見て、この選手たちがもしぼくがここにいて、サッカーをさせたらどうなるんだろうという考え方でずっといろんな選手たちを見てきた。それによってはっきりするものがいくつかあったんですね。そういうところです。
ですから今いるフロンターレの選手たちも、同じように彼らのその特徴をどう活かすのか。それからどうそれをグラウンドで表現できるようにしてあげられるのか。ここのところがある程度明確になってきたのかなと思います。誰のサッカーとか、どこのサッカーとか、ということではない。ただ、その数は相当生で見させていただいたので、当然トレーニングもそうですし、いろんなものを見てきましたので、その辺は以前よりは整理は付いていると思います」

Q:川崎Fのサッカーに持たれている印象は? 持っているものを最大限引き出すために具体的にどんな事を教えたいとお思いでしょうか?
「今日練習してしまいましたので、印象は違っていますが、違うといってもそれほどではないですが、その前に見ている時は前線の選手に個性がある選手が多いなと。ドリブルで行ける選手、あるいは強引に行ける選手が多いなという印象を持っていました。
今、言っているのは、どうやって選手たちがフリーで受けることができるのか。敵と戦うとはどういう事なのか。それから、ボールを扱う。たとえばボールスピードだったり止めることだったりが、どれくらいできるのか。そしてそこにどうアプローチすれば彼らの持っているものにもっと磨きがかかるのか。それがうまくいくと、すべてがスピードに変わるんですね。正確性はすべてスピードになるので、そこのところを伝えていくと、十分にそれでそれぞれの個性は出てくると思います」

Q:どちらもお似合いですが、采配はジャージか、スーツか、それ以外のものになりますか?
「着物はないです(笑)。まあ、ジャージのほうが楽かなと思います」

Q:地元川崎のみなさんにメッセージを。
「フロンターレというチームはものすごく地元に根ざしたチームだと言うことを聞いていますし見ていますし、それからJリーグの理事をやっていますので、フロンターレがどのくらいのグラウンド以外の活動を地域にしているのか、知っていますので、一体になって頑張ってやって行きたいと思いますし、ぼくもその仲間にぜひ入れて欲しいと思います」

Q:選手は何人くらい顔と名前が一致していますか? それからいま出た理事の件は今後どうなりますか?
「Jリーグの理事は、退任届けを出しました。JFAの理事は、まだ6月の任期までは置いておく、ようです。
顔と名前は、グラウンドに出るとよくわからないですね。写真やTVで見るとわかるんですが、一致しているのは多分半分くらいは、一致していると思うんですがサッカーというのはいろんな事を言い出すとそこのところよく見えないので、これから良く見ていきたいです。これからちゃんとわかるようなマグネットも作ってもらっています。名前はみんな知っています」

Q:練習の前後で印象が変わったとのことですどうですか?
「出来るところとできないところが自分の中でも違うかなと思いましたし、逆にできないところはこれからの伸びしろと感じました。それからもうひとつは同じレベルにいる選手、いない選手もいると。いろんなこと、そのへんが見えてきました。
全てではないですが、そのへんのところで自分の印象と違ったところ。たとえば、まだこれくらいのことはできないんだな。これは少し、やっていけば大丈夫だなということはありますし、それからこういう選手もいるんだなと。自分が試合を見て思っているよりも、たとえば能力が高いと。しっかりとボールが持てる選手はいましたし、それはいちいち誰とは言えませんが、そういう感じがありました。やっぱり、外に出ると違っていました」

Q:初日の練習というのは、そういうものを見るための、8ヶ月9ヶ月先のためのメニューだったのでしょうか?
「違います。すべて、ちゃんとしたトレーニングの中の1つです。これは続けて行かなければならないことなので。その中でまだ分からないのでね、すべてが。だから自然に目に入ってくる。全部見ているのは同じなので。そのためにリトマス試験紙ではないですが、普通にちゃんと練習して、これからもこんな感じでトレーニングしていきます」

Q:目標に関してはどう勝つかとおっしゃられていましたが、クラブはタイトルを目標に。手遅れにならないように変わったとおもいますが、その点については?
「順位までは言われていません。何も言われていませんが、そういう事ではなくて、当然どう勝つかを求めていかないと勝てないということ。だからどう勝つかを言い訳しているのではなく、どう勝つのかという確固たるものがなかったら、タイトルも取れないし上にも行けない。その過程の話です。当然、ぼくは負けるのが嫌いですから、当然そういう事はありますが、どう勝つのかを確立していかないと、そこには向かえない。今日勝ったけど明日負ける。あるいは今日はたまたま勝ったけど、次の時には勝てない。そんな試合はあまりしたくないので。着実に迷わないように、どう勝つのかを追求していくことが、そのまま最善の結果を産むと思っていますので。そのつもりで言っています」

Q:ボールを失わないサッカーという話をされました。クラブ側としては理想としては3−1で勝てる。攻撃性を引き出してほしいと考えています。ボールを失わないという事の先にゴールがあるという事をもう少し具体的に教えて下さい。
「あまり、始めなので細かい事は正直言いたくないんですが、ですけれどもボールを失わないというのは逃げるのではなく、当たり前ですが、簡単に言うとサッカーは横パスも後ろパスも要らないと思っていますので、ボールを失わないでずっと点を入れていれば、たぶん、相手からボールを奪うのは自分たちが得点をとった後ということになる。それがすべて。ですからそこまで目指すということですね、簡単に言うと。ですから、当然ですが、ボールを失わなければ何も起きないわけですからそこのところを選手に意識させる。もちろんゴールを取るためですから、それはそれで当たり前ですが、パターンを教えるつもりはないので。一人ひとりがしっかり判断できる。どんな相手が来ても、その相手と戦える。そういう選手でありたいですから。そういうところにアプローチしたい」

Q:ボールを失わないサッカーということの例えとして、手を使う球技を例示されていましたが、手を使う球技のようにサッカーを進めるということですか?
「サッカーを進めると言うよりも、たとえば手を使う競技でスペースに投げる競技があるかなということ。簡単に言うと。手元から手元に入りますよね。それの何がいいかというと、スペースを使うとボールのほうが絶対に早いですから、人間に合わせなければならない。ボールがゆっくりになる。スピードを追求すれば、当然ですが相手を外すこと。それから、しっかり足元にどんどんボールを入れていくということ。その中で臨機応変に場所を使うこともありますが、そういう事がもしできれば面白いサッカーになると思います」

Q:非常識なサッカーというか、馴染みのない感覚で指導していると思いますが、時間がかかるのかなという不安は?
「今日選手とやってみても吸収しようとしてくれますし、現に選手は楽しくないと動かないので、そのへんはしっかりやっていこうかなと思っています。表現というよりも彼らが自分の発想で、自分でもっとうまくなりたいとか、もっとここから盗みたい、あるいはもっと自分でうまくやりたいと、思ってくれるグラウンドを毎日作るのがぼくの仕事ですから。まあ、結構言われるんですが、あまり非常識だとは思っていません。意外とちゃんとしていると思っているので大丈夫だと思っています」

Q:手を使う競技の話でスペースというか、相手を外して、そこにパスする。味方じゃなくて、敵を見ろとか、敵を動かして逆を取るという練習をされていましたが、そういうのが風間さんの攻撃を組み立てる肝になるんでしょうか?
「すべてですね。1つではないですね。どれかひとつあればいいということではなくて、これはいくつかの、例えばパスを貰うときに、パスとパサーと、動き手が一致しないとダメですよね。逆にパサーもその動きができないとわからないですから、そういう意味で、すべて1つでいいということはなくて、すべてを身に付けてはじめてひとつの技術だと言えるんですよね。
たとえば、体を扱う技術だったり、頭の中をコントロール。ボールを扱う技術。これが全部揃って技術と、いうふうにぼくの中で言っています。ひとつひとつを教えているのではなくて、その中でそれぞれが身に着けていく。そうしたときに、まだまだ面白いサッカーが彼らには出来るんじゃないかと期待しています」

以上
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