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【J1:第32節 浦和 vs G大阪】レポート:浦和、8年ぶり戴冠決まらず。G大阪が逆転優勝に望みつなぐ(14.11.23)

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2006年以来のリーグ制覇に向けてこの一戦に挑んだ浦和だったが、G大阪に0−2で敗れた。これでタイトルレースはデッドヒートに突入することになりそうだ。

スタジアムはタイトルマッチのような緊迫した空気に包まれた。試合前には浦和サポーターによる壮大なコレオグラフィーが披露されて決戦ムードがますます高まり、ゲームも非常に引き締まったものになった。
ヤマザキナビスコカップ決勝の広島戦では中盤ダイヤモンド型4−4−2の秘策を持って挑んだG大阪だったが、この日は普段のボックス型4−4−2を使用。対浦和用のフォーメーションで相手に合わせるのではなく、G大阪が自分たちの強みを押し出して戦ったことで前半から互いに鋭い攻撃を見せる展開となった。
浦和はDFラインから丁寧につなぐいつものスタイルから主に右サイドで起点を作って勝負を仕掛けることが多く、G大阪は攻撃陣が流動的にポジションを変えながら浦和の守備を揺さぶろうとした。

前半最初にビッグチャンスを作ったのはG大阪。17分、左サイドのスペースに飛び出した今野泰幸がクロスを送り、ゴール前に飛び込んだ遠藤保仁らが触れば1点という場面を作った。
浦和も43分、槙野智章が中に切り込んでインスイングのクロスを送ると、遠藤がヘッドでクリアしたボールが絶妙なコースに飛び、GK東口順昭のファインセーブがなければオウンゴールというシーンを作る。逆にその直後にはG大阪も宇佐美貴史のフィードに抜け出したパトリックが決定的なシュートを放つが、こちらもGK西川周作のセーブでスコアは動かなかった。

後半も序盤から互いにゴール前に迫る緊迫のバトルが続くが、どちらも守備の集中を切らさずにしっかりした対応でゴールは許さない。そんな白熱の攻防が繰り広げられるなか、最初にベンチが動いたのは浦和だった。
56分、梅崎司に代えてマルシオ・リシャルデスを投入。その8分後には平川忠亮を下げて関根貴大を入れた。引き分けでも苦しくなるG大阪よりも先に次々とテコ入れを施したところに、ペトロヴィッチ監督の勝利に対するこだわりが垣間見えた。守りを固めてやり過ごすのではなく、積極的に勝ちを狙ってアグレッシブに攻める。その反動として何度か危険なカウンターを受けそうになったが、なんとか持ちこたえた。

逆転勝利のために勝点3が欲しいG大阪も、残り20分を切ったところから勝負をかけてきた。71分宇佐美貴史に代えてリンス、74分に大森晃太郎に代えて倉田秋、そして82分にはパトリックを下げて佐藤晃大を投入と、攻撃陣のメンバーをガラリと入れ替えた。

長谷川健太監督の采配はズバリ当たった。引き分けムードも漂う88分、G大阪は浦和のFKからカウンターを仕掛けると、絶妙な位置にこぼれたボールを拾ったリンスがゴール前まで持ち込み、最後はプルバックのパスを佐藤が押し込んでついに均衡を破った。
さらにG大阪は後半アディショナルタイム、クリアボールを巧みに拾った今野のパスから倉田が森脇良太との1対1を挑み、ペナルティエリア内左から鋭く縦に持ち出してシュートを放つと、ボールはゴールマウスに吸い込まれた。G大阪は途中出場3選手が決定的な仕事を果たし、浦和との直接対決を制した。

この一戦で優勝を決めると意気込んでいた浦和の選手たちにとっては厳しい結果となった。テンション高く臨んだ分、負けたことによる反動も強く、気持ちを切り替えるのは容易な作業ではないだろう。
だが、そういった選手たちのメンタルコンディション以上に気になるのは89分から途中出場した興梠慎三の足の状態だ。万全の状態ではなかった興梠は岩下敬輔と接触した際に腓骨骨折をした足を痛めてしまい、「そこから激痛」の状態だったという。実際、試合中から足を引きずっている様子が見られた。リスクのあるなか強行出場させた影響が今後どう出るのか不安の募る事態になった。

以上

2014.11.23 Reported by 神谷正明
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