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【J1:第32節 神戸 vs 横浜FM】プレビュー:両チームにとって、残り3試合は来季へのプロローグ。その中で、神戸・小川慶治朗はある想いを胸に「勝ちにこだわる」(14.11.22)

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今の神戸と横浜FMの現状はよく似ている。順位は9位と10位と中位に位置し、リーグ優勝の可能性は消滅。今シーズン限りで安達亮監督(神戸)と樋口靖洋監督(横浜FM)の退任が決定し、後任監督もまだ水面下。選手たちのモチベーションという点では、非常に難しい一戦と言えるかも知れない。
この状況で神戸の安達亮監督は退任決定後の初ミーティングで選手たちにこう告げたという。「今シーズンのタイトルは無くなったけれど、これで選手生活が終わるわけじゃない。どんなにメンバーを変えるとしても2/3は残るだろうし、選手として残り3試合で来季の準備をしないといけない、というような話をしました」。続けて、個人的な残り3試合の目標について「とにかく、いい形で終えること。監督としては大好きな神戸に少しでも何かを残したいので、賞金圏内(7位以上)に入ること」と話した。

神戸のキャプテン相馬崇人はこの3試合についてこう話す。
「自分たちのサッカーが残り3試合でどれだけ出せるかが、来季にもつながると思う。1年をかけて追求してきた、ボールを回して、切り替えを早く、全員で守ってというスタイルをやるだけですね」。

神戸は今節の横浜FMをはじめ、優勝争いを演じているG大阪(アウェイ)、そして最終節にはACL出場圏内を狙う川崎F(ホーム)と戦う。いずれも強豪ばかりだ。日本代表の森岡亮太は「横浜FMは強いチームですし、まずはそこに勝って自信を付けることが重要かなと思う」と言う。残り3試合をいい形で終える上で、この横浜FM戦は重要である。あと2勝と迫ったJ1ホーム通算100勝を達成するにも、横浜FM戦は落とせない大切な一戦となる。

その上で、橋本英郎は今節のカギをこう話す。「今は、順位を1つでも上げようという方向でやっているので、そこを目指したい。マリノスは守備が強いチームなので、その相手にウチがどこまでつなげるかがポイントかなと思う」。あくまで今シーズンを通して貫いてきた神戸のサッカーをピッチに表現するつもりだ。

だが、神戸U-18時代に安達監督の指導を受けていた神戸の小川慶治朗は、少し違う気持ちで残り3試合に挑むようだ。
「(監督退任が決まった後)ミーティングで安達監督は自分たちに“来年に飛躍するために残り3試合がある”と話してくれた。その通りだなと思いますし、チームとしてプラスのイメージで戦いたい。個人的に安達監督はユースの時からお世話になった監督で、自分を育ててくれた方でもある。自分の知る中では、誰よりも“勝ち”にこだわってきた監督だとも思うので、恩返しするにはやはり勝利しかないと思う。成績が残せなかったのはチーム全体の責任なのに、監督1人が責任を負うのも選手として悔しいですし、残り3試合、すべて勝ちにこだわりたいと思っています」。

2シーズン前の最終節で王者・広島に敗れてJ2降格が決まった時も安達監督が神戸を率いていた。苦しみながらも1年でJ1昇格を果たした監督も安達監督。そして今季、大型補強で様変わりした神戸をまとめ、上位と対等に渡り合えるチームへと昇華させたのも安達監督だった。
感謝の気持ちという表現が正しいかどうかは分からないが、今こそ神戸は“集大成”を見せるべき時だろう。もちろん横浜FMも樋口監督に捧げるゲームをするべきだ。
順位も来季のこともひとまず横へ置いておき、選手たちには目の前の一戦を楽しんでほしい。そして我々は、来季のプロローグと呼べる両チームのサッカーを思う存分に楽しみたい。

以上

2014.11.21 Reported by 白井邦彦
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