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【J2:第41節 長崎 vs 京都】プレビュー:佐藤由紀彦の引退セレモニーを勝利で飾りたい長崎と、僅かに可能性が残るJ1昇格プレーオフ進出の為に負けられない京都(14.11.14)

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長崎の高木琢也監督は前節の東京V戦(0-0)を振り返り、「執着心に掛けた試合だった」と言えば、京都の川勝良一監督は痛恨のドローに終った前節の富山戦(1-1)を「今季を象徴するかのような引き分け」と明かす。残りは2節。今季の集大成とも言えるこの時期に、共に納得のできない試合内容で前節は勝点3を落とした。その悔しさをこれからのチーム創りに繋げるため、また京都はまだ望みが絶たれていないJ1昇格プレーオフへ進出するためにも今節は大事な試合になる。

とは言うものの、京都はここに来て調子がよろしくない。前節は前述のとおりJ2最下位が決定している富山相手に最後まで守りきることができずに、88分にセットプレーから同点ゴールを許している。終始試合の主導権を握りながらもたった2本のシュートで1点を奪われた。ここ5試合は1勝4分。無得点に終った試合が2試合に複数失点した試合が2試合。富山戦では試合中に布陣を変えるなど攻守のバランスを取る事に苦心しているようだ。奇跡を起こすためには長崎相手に「応援してくれるサポーターのためにもサンガの一員として誇りを持って最後まで戦う」しかない。

そういう訳で、長崎は降格争いで必死になって向かってきた東京Vに続いて、J1昇格プレーオフへ進出するために僅かな望みを賭けて誇りを賭けて戦うであろう血眼の京都を相手にしなければならない。そこでより大事になるのは高木監督が話した「執着心」になってくるだろう。何よりホーム最終戦。佐藤由紀彦の引退セレモニーもある。誰もが勝利で花を飾りたいと考えている。ただ、データは冷酷な現実を指し示す。長崎はこれまで京都に1勝もあげた事がない。もっと言えば1点も取った事がない。圧倒的な力の差をまざまざと見せ付けられているわけではないのだが、守備陣を攻略できないでいる。高木監督は昨季のプレーオフでも今季の対戦でもクロスボールをことごとくキャッチしたGKオ スンフンを高く評価しながらも、「こんどはまた新たな攻略で」と、打倒京都を誓っている。

ただ、京都の特長は守備だけではない。「裏に抜けるスピードが超一流の大黒将志や圧倒的な存在感を放つドウグラスがいる。もちろん両サイドからの攻撃は変わっていないし、駒井(善成)が入った中盤はよりスムーズ」と個で優位に立つ京都に対して全方位的な警戒を示している。

山口貴弘も「京都にはそろそろ勝たなければならない。良い試合をしていても勝たなければ意味がない。僕らはプレーオフ進出がなくなったわけですが、最後まで自分たちの力を出し切るだけです」と決して消化試合にはしないつもりだ。

長崎のサポーターを束ねるウルトラ長崎の坂本雄二さんは「ありったけの声を出し、これまでにない大声援で応援し、ホーム最終戦を勝利で終らせたい。コレオグラフィも計画している。選手には前半からガンガン飛ばしてもらい、前半で試合を決めたい。それぐらいの勢いを見せてほしい。そして、サポーターとしては引退する佐藤由紀彦選手の出場もあれば嬉しいですね」と話している。

泣いても笑ってもあと2節。J1昇格プレーオフを賭けた戦いはいよいよクライマックスとなり、引退セレモニーなど印象的な行事もある。ただ、90分の戦いの後どちらのチームが笑顔でいられるかだけは分からない。そのドラマの全てを見逃さぬように、そして永遠に心に刻むためにもサポーターならば是非ともスタジアムへ向かうことを強くお奨めしたい。

以上

2014.11.14 Reported by 植木修平
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