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【J1:第31節 川崎F vs 清水】レポート:勇気を持って戦った清水が、土壇場で川崎Fを逆転。残留戦線に望みを繋ぐ。一方の川崎Fはホームで大きすぎる逆転負けを喫した(14.11.03)

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44分に、小林悠が中村憲剛とのコンビネーションで清水守備陣を切り裂き、最後は技巧的な切り返しで決めたファインゴールは川崎Fを勇気づけた。しかし、勝ち切ることはできなかった。

何はともあれ川崎Fは前半2点を奪った。そういう意味では、試合展開は悪くはなかった。しかし、清水も川崎Fに食い下がっていた。

19分に先制点を失ったあとも、清水は自分たちの戦いを続けていた。ポイントとなったのは、コンパクトに維持された最終ラインである。試合後に大榎克己監督は「(それまでの試合では)ちょっとラインを下げるのが早いかなという気がしてて」との前置きに続き「そこで(ラインを下げるのを)1秒ガマンしよう」と選手たちに伝えていたと振り返っている。そうしなければ、川崎Fの選手たちにゴール前まで押し込まれ、好きなようにパスを回されしまうからである。

清水の最終ラインを高く維持し続けていたのは、CBの平岡康裕だ。川崎Fのボールの位置に合わせてラインをコントロール。時に両手を広げてラインを押し上げ、川崎Fの攻撃陣に付け入る隙を与えなかった。その証拠として、川崎Fは前半だけで7本のオフサイドを奪われてしまった。大久保嘉人、レナト、そして小林悠を向こうに回し、清水は強気のラインコントロールを見せていた。

基本的にロングパスがほとんど見られない川崎Fではあるが、一人だけ違いを見せていたのが左サイドバックとして先発した福森晃斗である。リーグ戦では3節の大宮戦以来となる先発出場を果たした福森は、持ち味である高い精度を誇る左足を駆使し、サイドを変える長いレンジのパスで局面を打開。試合にアクセントをもたらしていた。

その福森が、CKからプロ初ゴールを19分に決めて川崎Fが先制するが、清水は同40分に、同じくプロ初ゴールの六平光成が同点ゴールを決める。竹内涼が見事なフェイントでDFを1枚剥がして折り返したクロスをダイレクトで蹴りこんだファインゴールだった。

1−1で折り返してもおかしくなかった試合は、44分に小林が中村憲とのコンビネーションの末に奪ったゴールによって川崎Fが1点をリードして後半を迎える事となる。

前半を見る限り、清水が劣勢に立たされていたのは間違いなかったが、それにしても全体をコンパクトに維持しようと考えるコンセプト自体は悪いものではなかった。失点もそれに起因するものというよりも、セットプレーと小林の個人技によるもの。悲観するほどのものではない。また、六平の40分のゴールは、高い位置を維持した最終ラインに押し上げられた前線の選手が、果敢にプレスに行って追い込んで生まれたもの。川崎Fの苦し紛れのクリアボールが清水ボールのスローインになってからのものだった。そういう意味で、清水の狙いはあたっていたと見ていい。

だからこそ、清水にとっては一時1−1に追いつき、最終的に2点目を失いはしたが、1点のビハインドで後半を迎えられたことの意味は大きかった。

とは言え、試合のペースは基本的に川崎Fが握り続けていた。主導権を握り、丹念なパスワークで清水守備陣の穴を探す。そんななか、川崎Fに異変が起きる。一つ目が、53分に小林が左足を痛めた場面。小林は「練習でもたまにあることで、少し時間がタテば治ってたので」と、日常的にある痛みであることを述べつつも、「でも今日は10分、15分くらいはかかりました」と振り返り、少し痛みが強かったとの話している。

また、同じ時間帯に中村憲がミドルシュートを放った際に右足首を痛め、プレーの続行を試みつつも断念するという出来事が起きている。56分に足を痛めていた中村は、結局65分にピッチを後にせざるを得なかった。今にして思えば、彼ら二人を襲った異変が川崎Fのペースを奪う結果となる。

たとえば小林は「前半から裏を取れていましたし、裏を取れない時はサイドで張って幅を作って、という形でポジションをとれてたんですが、足首を挫いてからは消える時間というか、やれない時間があった」と足を痛めた前後の働きについて振り返る。この小林に加え、中村憲の交代について大久保が「それは、(中村憲剛が)居てくれればね、楽になるし、オレもすごく楽だし。下がらなくていいし。居なくなってから、あそこオレが下がらなければならないかなと、思った」と振り返り、ゴール前に張り続けることができなかったのだと話している。

川崎Fにとってはキープレーヤーを失ったのだから試合は難しくなる。決定機は作りながらも、セットプレーが主体であり、流れるようなパスワークによる崩しは影を潜めた。

そんな中、迎えた90分にドラマが待ち構えていた。ピッチ中央でボールを保持し、前方に確実につなげようとしていた大島僚太に対し、本田拓也がプレスをかけ、これを奪うと一気呵成にショートカウンターを打つのである。

本田、ノヴァコヴィッチを経由して途中交代出場の石毛秀樹へと繋がれたパスは、これまた途中交代出場の村田和哉に渡る。ドリブルでボールを運ぶ村田は、対応した井川祐輔のタイミングを上手く外してシュート。これがゴールに吸い込まれ、清水が3−2と逆転した。タイトルを狙う川崎Fは、勝点3を目指し、残り少ない時間を戦ったが、勝点3渇望する度合いでは、清水が上回っていたのかもしれない。ともに90分+2に選手交代のカードを切った両者ではあるが、結局スコアは3−2のままで動かず。清水が敵地では8節の徳島戦以来となる勝利を手にした。

温和な川崎Fのサポーターではあるが、一部は試合後に挨拶に回る選手たちにブーイングを浴びせ、勝てない現状に対する奮起を促していた。

一方の清水は、残留戦線にいきのこるための貴重な勝点3を手にしている。

以上

2014.11.03 Reported by 江藤高志
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