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【J1:第31節 名古屋 vs F東京】プレビュー:またも難題を抱えた名古屋が強敵・F東京を迎え撃つ。今季わずか2勝の瑞穂競技場ラストマッチを、勝利で飾ることができるか?(14.11.02)

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名古屋の今季ホームゲームも残すところあと2試合。まずは瑞穂競技場でのラストマッチを迎えるわけだが、苦しみ抜いたシーズンを象徴するように、またも難題が突きつけられている。前節で田口泰士とダニルソンのレギュラーボランチ2名が揃って累積4枚目のイエローカードをもらい、今節は出場停止に。チームの要たるポジションが丸ごと入れ替わる事態には、さしもの西野朗監督も「厳しすぎるよ」と苦笑いするしかなかった。

西野監督はまた、「厳しすぎる」の理由として相手がF東京であることも挙げている。現在7位。イタリア人指揮官フィッカデンティ監督のもと、今季は堅い守備からの速攻が大きな武器となっている。27失点はリーグ2位タイの好成績であり、目下売り出し中の日本代表FW武藤嘉紀が12得点とチームを牽引。米本拓司、高橋秀人のボランチ2名は攻守ともに長けた実力者であり、DFラインにも現代表の森重真人と太田宏介がおり、GK権田修一もまた前監督時代からの日本代表常連だ。タレント性、そして今季の成績からしても格上と言ってもいい相手に対し、名古屋は大きな警戒心を抱いている。アウェイでの勝利の記憶など、ないに等しい状態だ。

だが、それだけにフラットに試合を見つめることもできる。現有の戦力でやりくりするしかないある種の割り切りもある。水曜日の練習で西野監督はボランチの穴を埋めるべく、3つの布陣をテストした。一つは従来の4-2-3-1のまま、ボランチを磯村亮太と望月嶺臣に任せるもの。そのバリエーションとして望月ではなく矢田旭を下げ、トップ下に松田力を起用するパターンも試した。そしてプランBとも言うべきが、永井謙佑を1トップに置き、ヘジスをアンカー、その前に矢田と望月を並べる4-1-4-1も試されている。ベーシックな対応策からややチャレンジングなものまで。動き自体はどれもまずまずといったところで、4-1-4-1などはポゼッション面だけを見れば適しているようにも見えた。「陽動作戦だよ」と西野監督は冗談を飛ばしたが、いずれにしてもケアしたいのはF東京の速いカウンターだという。

「とにかく相手はカウンターが速い。今のメンバーでは誰がやっても振り切られてしまう恐れがある。スピードへの対応という点で選考が難しい。1対1ではない対応をするのか、ボールを保持する時間を長くするメンバーにするのか…。とにかく普段のダブルボランチがいないのだから、誰がやってもうまく機能するとは思えない。戦術や役割をハッキリ明確にして、ストロングポイントを出してやれるようにする」

それでも不安要素に頭を悩ませる指揮官をよそに、モチベーションを高める選手もいる。前節を出場停止で欠場した永井だ。攻守における豊富な運動量でチームに勢いをもたらし、自身も現在9得点と二桁に王手をかけている今季の前線のエース。しかしある意味で体力勝負のプレーを続けている中で、出場停止は良い休息につながったようだ。

「フレッシュなんで、やりますよ。体のキレも戻りました。ポジション的にもハードワークが必要だから、連戦はどうしても厳しくなるんでね。今日の練習はみんなどこか暗かったから、声出していきました。僕の元気を分けてあげようかなって(笑)。ここからいつも通りのハードワークと攻撃、守備を見せたいと思います」

もう一人、対面する相手とのマッチアップに心躍らせるのが矢野貴章だ。前回対戦では決勝点となるヘディングシュートを決めたが、あの頃とはサイドバックとしての熟練度は段違い。武藤や河野広貴、太田との1対1について「武藤君はいま注目されている選手ですし、対戦して自分が何をできるのかというのは楽しみ」と不敵に笑う。攻撃面では前節同様に田鍋陵太との縦のコンビが有力視されているが、「右はいつも選手が変わるから」と連係面も意に介さず。「陵太は仕掛けるのがお得意だから、まずはサポートからやり方を探ります」とベテランサイドバックの風情すら漂わせた。

そう、ベテランたちは怯まない。若手が多い今季の名古屋が何とか持ちこたえてきたのは、彼らの存在が大きいと改めて感じる。負傷を抱えながら必死の調整を続ける楢崎正剛は「2人がいないからって2人少ない状態で戦うわけじゃない」と言い、田中マルクス闘莉王は「ボランチが誰かなんて相手によっても変わる。監督に賛成するだけだよ」と動じなかった。彼らがいるからこそ、若手が伸び伸びとプレーできる。闘莉王は望月に対し、「仙台の富田という選手を見ておけ」とアドバイスを送ってもいる。望月はそれも糧にし、リーグ戦初スタメンへ意欲を燃やしている。このチームの骨格は、こうして確かに築かれてきたのだ。

さすがにボランチ2枚の同時欠場は緊急事態だが、今季はもう逆境には慣れたものである。わずか2勝しかしていないホームであり聖地・瑞穂だけに、負けられない理由はそれだけで十分。たくましくなった若手とベテランの妙味がミックスされた2014年の名古屋の進化と真価を、今こそ見せる時だ。

以上

2014.11.01 Reported by 今井雄一朗
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