新潟は前節、アウェイで鳥栖を下して3試合ぶりの勝利。現在11位だけに、今節はホームで勝点を伸ばして一桁台の順位でフイニッシュする足がかりにしたい。3位の鹿島は首位浦和と勝点差7。優勝のためにも絶対に勝利が必要だ。
新潟は、成長著しいルーキーの小泉慶のプレーが注目される。第27節川崎F戦から29節清水戦まで左サイドバックでスタメン。前節鳥栖戦は本職のボランチでフル出場した。これまでもサイドハーフで途中出場するなど、状況に応じて複数のポジションをこなしてきた。ボランチの小林裕紀が出場停止から復帰する今節は、左サイドバックに戻ってのスタメンが濃厚だ。
「自分は考え過ぎるとダメなので、あまり考えずにシンプルにプレーします」。どのポジションでも、そこは変わらない。ボールを持ったら、迷わずに前に運び、パスをつなぐ。1対1では決して引かずにボールを奪い合う。
もっとも、ガムシャラに勢いだけでプレーしているわけではない。「鹿島はビデオで見たプレーと同じことはしてこないと思う。臨機応変にやらないと」。相手の素早い攻守の切り替えと、流動的な攻撃を頭に置く。左サイドバックとして必要なことも押さえている。「川崎Fの小林悠さんのように、外から内に入ってくるような選手とは、こっちもうまく駆け引きしないと」。これまでの対戦経験から学んだことを、鹿島戦で生かすつもりだ。
柳下正明監督は「左サイドバックとしてもある程度やれるとは思っていた。持ち味を出しているところはある」と及第点を付ける。この試合は攻守とも1対1がカギになる。相手のマークを外せばゴールに近付き、逆にはがされると失点の可能性が高まる。特にサイドの攻防はピンチ、チャンスに直結するだけに、小泉の役割は大きい。
プロ1年目、ここまでリーグ戦22試合911分の出場と、戦力になってきた。「早かったです。あっという間でした」と言う。残りは4試合。「全部勝ちます。終わりよければすべてよし、です」。今まで以上に堂々とプレーし、勝利に貢献する。
鹿島にとっては気持ちを切り替えて臨む一戦だ。前節の浦和との死闘は1-1。前半にカイオのゴールで先制したが、後半、前線を入れ替えた浦和の攻撃に惑わさせて追い付かれた。4試合勝ち星なしで、ダヴィを故障で欠いたここ2試合は1得点と、やや失速気味の感は否めない。
ただ、もちろんチームの地力自体は高いものがある。奪ってからスムーズにボールを運び、小笠原満男、柴崎岳の状況判断からスペースを逃さずに突く。自分たちの形に持ち込んでしまえば、迷いなく攻撃してくる。新潟にとっては、隙を見せることは即失点になる。
それだけに、局面ごとの攻防、チームの意思統一が重要だ。1点が大きな意味を持つ試合になる。
以上
2014.11.01 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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