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【J1:第29節 名古屋 vs 仙台】プレビュー:降格圏から遠ざかりたいチーム同士の対戦に期待するのは、緊張感とダイナミズムあふれる展開。名古屋はより組織的なカウンターへの進化を目指す(14.10.21)

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降格圏もまだ近い反面、賞金圏内の7位にもわずかに勝点6差。今季現在の12位という順位には良くも悪くも、数字以上の可能性が残されている。前週の天皇杯準々決勝で清水に、そして3日前のリーグ戦第28節で広島に敗れた名古屋は公式戦連敗となったが、まだ何かを得ることは可能だ。それだけに前半戦のアウェイでの対戦時(3−3の引き分け)と同様に水曜開催となった仙台との対戦では何としても勝点3を奪い、残りわずかとなったリーグ戦への勢いを生み出したいところだ。

それにはまず、前節の戦いから頭を切り替える必要がある。0-4の完敗を喫したアウェイの広島戦は、前半の45分で素晴らしいパフォーマンスを見せたものの、失速した。その要因は様々考えられるが、流れを決定づけたのは、つまるところ失点に他ならない。この終盤に来て堅守速攻の型が定まり、ある程度の安定感を生み出すことができた名古屋だが、そのスタイルゆえに先制点の影響が非常に大きくなっているのは悩みどころだ。先制すれば挽回を目論む相手が前がかりになるため、カウンターの威力が倍増する。しかし先制されれば守ってカウンターの形はむしろ相手の狙いどころとなり、名古屋の得意なパターンは表現しにくくなる。それは「強豪あるいは上位チームにポゼッションされて、押されている展開のほうがいい試合になるのが今」と西野朗監督も認める部分だ。その上で新たな試みとして指揮官がイメージするのは、“コレクティブ・カウンター”とでも言うべき攻撃である。

「もう少しコレクティブに、速くボールを動かすサッカーはできる。パス一発で誰かを活かした速攻ということじゃなくて、手数をかけても速く、推進力を持てるような形。神戸戦では(田口)泰士や(矢田)旭らがボールを持っていたりする中で、永井(謙佑)や松田(力)を活かした出し手と受け手だけのカウンターではなく、速いパス交換を使っての、2人、3人目が絡んだ攻撃のイメージが共有できれば。個人に頼ると『永井を止めよう』と意識された時に厳しくなる。でも永井に誰かがサポートに入って、さらに3人目が動き出す、ぐらいのカウンターアタックならば、質の良い攻撃になる」(西野監督)

しかしながら仙台は手強い。そもそもが堅守速攻のチームであり、現在の名古屋との相性はそれほど良くないスタイルだ。しかもリーグ戦でF東京、浦和と上位陣を連破して臨む一戦ということで勢いも十分。前節ではウイルソン、赤嶺真吾、野沢拓也の前線3人が揃って得点を挙げ、今季の課題であった得点力の面でも良い状態を保って名古屋に乗り込んでくる。赤嶺は2試合連続得点でシーズン2桁も見えてきた(現在8得点)。また野沢の台頭により最近は梁勇基がボランチを務めることが増えてきたが、これもチームに新たなオプションを生み出す好循環につながっている。正確なパスを駆使したゲームメイクが持ち味の背番号10は、よりプレッシャーの少ない中盤の底からオフェンスを創造。「技術を活かした展開力とリスタート、そのリスタートから展開をひっくり返したりもできる仙台のキーマン」と敵将も警戒する有能なボランチとして、その能力を存分に発揮している。

ともに堅守速攻が基本スタイルのチームが対戦する時、意識すべきは攻撃の終わり方である。どちらもそこがピンチを招く呼び水となるからだ。具体的に言えばボールの奪われ方・失い方。シュートで終われば守備はセットできるが、中途半端な取られ方をすれば相手の得意なカウンターを浴びることになる。良いカウンターを止めようとすれば、自ずと覚悟を決めたファウルも増え、これまた互いに得意とするセットプレーが生まれる。前回対戦では仙台が2得点をFKから挙げており、その点で名古屋の面々の警戒心は強い。中盤守備の要・ダニルソンの出場停止もその思いを強くする要因の一つだ。

その上で打開するイメージを持っているのは永井である。結果的に完敗だった広島戦の責任を「オレら前線がチャンスを決めて入れば結果は違った」と背負う表情にはエースの風格も漂ってきた。現在9得点と2012年以来の2桁に王手をかけたストライカーは、対仙台の狙いどころも明確にイメージできている。
「仙台はそんなにベタ引きするチームではないし、攻撃に出た時に間延びする。そのスペースをうまく突ければと思う。相手はサイドバックも高い位置を取るし、GKも前に出る。相手のカウンターに対しても、そこからの切り替えで逆にカウンターを仕掛けられれば。あとは自分たちが決めるだけ。前節は本当に申し訳なかった」(永井)

繰り返すが、両チームともに上も下も近い状況だ。しかしどちらを強く意識するかと言えば、やはり下ということになる。いまだ安全圏とはいえない位置にいることは、名古屋と仙台、双方がよく理解している。名古屋の楢崎正剛は「早く勝って楽になりたい。広島戦に勝っていれば順位も上がっていたわけだから。負けは負けで切り替えるけど、結果を出さないと良い流れにも持っていけない」と正直な気持ちを吐露した。永井も「安心なんてしてない。負けたらまだ(降格圏は)ある」と油断を排除する。心理的にも3-3に終わった前回対戦のような打ち合いにはならないかもしれないが、逆に緊張感は伝わってくる。堅実に、しかしダイナミックに。カウンターという大きな展開がスケールにつながるような、引き締まった試合に期待したい。

以上

2014.10.21 Reported by 今井雄一朗
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