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【J2:第35節 長崎 vs 岡山】レポート:風を味方につけた長崎。高杉亮太のダイビングヘッドで終了間際に勝点1を拾う。(14.10.05)

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J1昇格プレーオフへの進出を目指して戦う長崎対岡山の試合は、晴天に恵まれた長崎市で行われた。この試合が行われた長崎市営かきどまり運動公園陸上競技場は今月12日に開幕を迎える「長崎がんばらんば国体」のラグビー競技会場となっており、ピッチの手入れは万全。台風の影響で風が強いものの、綺麗な緑が秋晴れの下に広がっていた。

実はこの試合、一時は県外開催になるのではと危ぶまれていた。というのも普段、長崎がホームゲームを開催している長崎県立総合運動公園陸上競技場は国体のメーン会場(開会式や陸上競技を実施する)となってなるため、大会直前にあたるこの時期に他競技を開催することは難しく、代替開催が可能なスタジアムは長崎県立総合運動公園陸上競技場以外にはかきどまりしかなかった。

しかし前述のとおり、かきどまりもラグビー競技会場。関係者の間では、国体開催時の芝の状態を考えると、この試合をかきどまりで開催するは難しいのではといった懸念があった。しかしながら、関係者らは何度も膝をつき合わせて話し合い、どうにか開催にこぎつけた。試合に入る前に長くなったが、国体関係者、長崎市、V・ファーレン長崎などによる相互理解とスポーツを愛する人たちの心意気に感謝しなければならない。同時に、国体を契機にスポーツに対する理解と協力の輪が長崎にもより一層広がることを期待したい。
そんな長崎の高木琢也監督は試合前「岡山の猛攻をかいくぐり、3点取る」と宣言。そのためには冷静さと「前の三枚を動かすボランチの上田を自由にさせないこと」(前田悠佑)が長崎の最大のタスクだった。すると予想されたとおり、前半の立ち上がりから風上の岡山は高い運動量を武器に素早いプレスを掛けて長崎の攻撃を未然に防ぐ。早い切り替えで攻撃に移ると、何度もペナルティエリアへの侵入を繰り返した。長崎としてはなんとしても耐えるべき時間帯だったが6分、岡山はクリアボールを拾うと、左サイドから片山瑛一がシュート。これが久保裕一に当たり、方向が変わる。これにGK植草裕樹は反応できずにゴールイン。今季4得点目となる久保の得点で岡山が先制する。早くも長崎のゲームプランは白紙となってしまった。その後も、岡山の早い寄せは長崎の攻撃を封じ、左ワイドの三村真が高い位置でプレー。局面で数的優位を築く岡山の時間が続いた。

一方の長崎は岡山の猛攻に晒され、守備に回る時間が多く、前半は耐えるのが精一杯。高木監督は後半開始から、間で受けようとする奥埜博亮に替えてスティッペ(185センチ)を起用。ハーフタイムには「もっと時間をかけずにゴール前に持っていこう」と指示した。すると風上からのロングボールで相手DFラインを下げさせることに成功し主導権を掴み始める。高杉亮太も「後半は風上に立ち、相手が引いて後ろで時間を作ることができました。ワイドが前に張れとの指示があり、そこで落ち着けて相手陣地で試合ができました」と振り返る。すると意図のはっきりとした長崎の選手交代が続く。69分。佐藤洸一に替え小松塁(190cm)を投入。79分には怪我から復帰した黒木聖仁(180cm)が東に替わって登場。相次ぐ長身選手の投入で岡山のDFラインは完全に引いてしまい、中盤には大きなスペースができた。75分以降の岡山は完全にブロックを敷き、清水慎太郎と荒田智之のカウンターで反撃するのみに。完全に勝ち逃げ体勢に入った。

ただし「しつこく粘り強く弾き返していたのですが、やはりサッカーは何が起こるかわからないですね」と試合後に影山雅永監督が漏らしたように、ドラマは終了間際に起こった。88分、長崎の石神直哉が上げたクロスに高杉がダイビングヘッド。ボールはサイドネットに突き刺さった。時間が止まったかのような美しいゴール。値千金のゴールにサポーター同様に長崎ベンチも大騒ぎとなった。

90分を戦って1−1のドロー。この試合、中盤のセカンドボールの争いでは岡山が長崎を凌駕したが、長崎は立ち上がりの失点以降、最後のところでふんばり追加点を許さなかった。すると後半、長崎はロングボールで活路を見出し、最後の最後で風を味方につけて引き分けに持ち込んだ。残り7試合。ドラマはより一層面白みを増してきた。両チームのサポーターなら信じて声を枯らすまでだ。

以上

2014.10.05 Reported by 植木修平
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