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【J1:第27節 甲府 vs 大宮】プレビュー:甲府対大宮、J1残留をかける大勝負。甲府を知り尽くした渋谷監督の”甲府対策”を城福監督の”極める守備”が粉砕するのか、崩されるのか(14.10.05)

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「渋谷(洋樹)監督から、『こっちも3−4−3で行くのでよろしく』と伝言がありましたよ」
−ホントに合わせてくるの?
「非公開練習だったのでわかりませんが、こういう伝言でしたので一応お伝えしておきます」
−そうですか。甲府はモウリーニョも発明できなかった攻撃的な3トップを実現する世界初の4−4−3ですよ。
「そのシステム、一人多いですよ」
−バレたか・・・。

甲府と大宮、お互いに非公開練習だった金曜日に大宮担当とラインをするとこんな感じになった(脚色あり)。甲府は記者には公開していたので、大宮戦も3−4−3−というか3−4−2−1がスタートポジションになるのはほぼ確実だと思うが、昨年まで4年間甲府のコーチとして2010年のJ1昇格、2011年のJ2降格・2012年のJ1昇格・2013年のJ1残留を経験し、甲府のことは城福浩監督をはじめとするコーチングスタッフの思考や性格、選手のプレーや性格だけではなく、寮のシャワーの水圧まで把握している大宮の渋谷監督がシステムを合わせてくるのなら、ただでさえ予想できない対戦がもっと読めなくなる。大宮が今週の練習で3−4−3を試しているのなら特に隠すことでもないのかもしれないが、渋谷監督の「甲府対策」どうなるのか。城福浩監督とともに2年間戦ってきた渋谷監督の「甲府対策」が吉と出るか凶と出る非常に興味深い。

第9節とヤマザキナビスコカップ第5節で大宮と対戦して2勝している甲府。大熊清監督、渋谷ヘッドコーチの時代であるが、甲府も小倉勉ヘッドコーチが大宮のことは詳しく把握しているので、お互いよく知るチーム同士の対戦であったが、今節の一番の違いは渋谷コーチが監督になったこと。城福監督は、「渋谷監督になって5戦4勝。もともとタレントがいる大宮だが、それがうまく回り始めた印象。前回の対戦(4月〜5月)のころと今の大宮は違うと思っている」と当然警戒する。甲府の選手からも、「大宮の選手を見れば(渋谷監督になってからの)今の成績には驚かない」という趣旨の話が出る。2013年度の資料を見れば大宮の営業収益が約32億、チーム人件費が約16億なのに対して、甲府は営業収益が約14億で、チーム人件費が約7億。つまり、大宮のチーム人件費よりも甲府のクラブの年間の収入は約2億も少ないという大きな規模の差がある。勝点3差とはいえ、この甲府が大宮よりも上の順位にいるということはすごいこと。で、その大宮が選手の力を効率よく発揮し始めると強いのは当然。「そりゃあ、そうですよね」の世界。

しかし、甲府には甲府の生きる道がある。規模の大きいクラブを相手に戦ってJ1に伸し上がってきたし、残留もしている。不利な条件の中で生き抜くのが甲府の生きる道だし、それにやりがいを感じるスタッフと選手とファン・サポーター。そこにスポンサーも魅力を感じてくれているはずだ。城福監督は、「甲府のストロングポイントはサポーターとの一体感。ホームでは特に強い。どんな結果でも胸を晴れる戦いをさせてくれる」と言う。そして、具体的な戦いでは「(点も取りたい、守備も堅くしたいと)全てを求めると全てを失う。甲府のような立場のクラブがJ1で残留するには何かを極めないといけない」という。この”何か”とは、今の甲府では守備のことになる。今節は、大宮の左サイドの攻撃にどう対応するのかがポイントになるはずだ。3−4−3なら読めなくなるが、4−4−2か4−2−3−1なら泉澤仁と中村北斗のサイドアタック。特に、泉澤はここ最近の大宮の得点のほとんどに絡んでいるといっても言い過ぎではない貢献度の高さ。泉澤に抜かれることは想定内でカバーに行くしかないだろうが、そこにパスを出させないところから始めないと――ムルジャにはもう少しお休みしていただくとしても――中にはズラタンや家長昭博がいるわ、ベンチには富山貴光や増穂出身の長谷川悠が座っているわで大変なことになりかねない。正対する甲府の右サイドの守備がどうなるかだが、国見OBには国見OBを当てるという考え方で中村に松橋優の起用も考えられるが、城福監督はどんな起用をし、選手がどう応えるのか。非公開の理由のひとつがここにあるが――奇策ではないが――それを山梨中銀スタジアムで生で見てほしい。

10月5日の甲府地方は雨の予報だが、甲府対大宮の対戦は予測不能。大宮が3−4−3なら泉澤と家長がシャドーなのか、ウィングバックは中村と渡邉大剛なのか橋本晃司なのか・・・。面子が分かったとしてもどうなるかはキックオフを待つしかない面白みが充分。曲がり角の先にある結果がなんであれ、両チームは前に進んでいくだけ。そこに残留という最良の結果が待っていると信じて。

以上


2014.10.04 Reported by 松尾潤
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