前節の戦いに、湘南の取り組みの成果が浮かぶ。1トップを前線に残し、徹底した守備からカウンターを狙うホームの讃岐に対し、湘南は序盤から淀みなく攻めて好機を演出した。引いて構える相手を攻略するうえで、ポイントとなったのは懐に攻め入ること、そしてそれを焦れずに続けたことだった。
たとえば、三竿雄斗は振り返っている。
「厳しいところをどんどん突くことができました。3人目の動きを含め、相手の懐に飛び込む攻撃を90分間通して続け、結果を出せた」
前半はスコアレスで折り返したが、システムを4バックに移した後半、岡田翔平が2ゴールを挙げて勝負を決めた。62分の先制点は岩尾憲の縦パスから中央を突破し、77分の追加点は永木亮太のクロスからねじ込んだ。相手のミスの誘発も危険なエリアに入り込んでこそ。ゴール以外の場面でも、縦パスやドリブル、クロスなど、湘南は多くが係わる多彩な攻撃で相手を寄り切った。
「憲くんや亮太くんがボールを入れ続けてくれたおかげ」ゴールについて、岡田は仲間のプレーを強調した。一方で攻撃の手応えも口にする。
「引いた相手に対し、前に人数をかけ、ブレずにやり続けている結果が得点に繋がったと思います。味方同士、目も合うし、3人目の動きなど意思疎通もできている」
カウンターに対するリスクマネジメントも弛まない。「攻めていても攻撃から守備への切り替えの意識は高かったし、油断することなくできた」再び三竿が振り返ったように、相手を押し込む展開のなかでも勢いに任せず、ほぼチャンスをつくらせなかった。高い集中力と冷静な状況判断に深化の一端が窺えた。
対して水戸も前節、アウェイ福岡戦に臨み、1−0で勝利した。ホームチームに押される展開ながらも無失点に凌ぎ、折り返した後半、開幕直後の怪我から復帰した山村佑樹が裏へと抜け出し、GKとの1対1を制した。チームとして5試合ぶりの得点を挙げると、その後もGK本間幸司を中心に福岡の攻撃を阻み、9試合ぶりに勝点3を積み上げた。
湘南と水戸の前回の対戦は第11節、5月3日までさかのぼる。4カ月あまり前になるが、しかしタフな戦いは記憶に鮮やかだ。互いに高い集中力で、チャンスをつくり、ピンチを防いだ。武富孝介がゴールをこじ開け湘南が1−0の勝利を収めたものの、試合終了間際のビッグチャンス然り、水戸もゴールを脅かしていた。
あのときリーグ2位の失点の少なさだった水戸は、いまも湘南と松本に次ぐ数字を残している。その印象は湘南の選手たちにも強く、「堅くてやりづらいイメージ」と三竿が言えば、岡田も「球際が激しく、最後のところで体を張るなど堅い」と語る。それでも「いままでやってきたことをしっかり続けていれば必ず結果に繋がるはず」と岡田が続けたように、讃岐戦が証明する通り、彼らもやるべきは分かっている。
「スピードを確保したゲームを続けていかなければいけない」週末の一戦に向け、曹貴裁監督は語る。負傷離脱しているメンバーの想いも抱きながら、自分たちの戦いで主導権を手繰り寄せ、勝点3に結びたい。
以上
2014.09.19 Reported by 隈元大吾
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