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【J2:第32節 山形 vs 京都】プレビュー:得点をめぐるリスクとバランス。山形と京都が“J1昇格プレーオフ圏内”をめざす!(14.09.20)

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山形にとっては8月31日以来のホームゲームとなるが、この間に起きたのは、「激動」とも呼べるアウェイ3連戦。水戸戦では立ち上がりから押し込まれ、前半途中に最近では経験のない3バックに変更。これが奏功して1-0で勝利すると、水曜日の天皇杯4回戦・鳥栖戦では3バックを継続。延長までもつれ込んだが内容では圧倒して1-0と勝利しベスト8に駒を進めた。しかし、その勢いで乗り込んだ愛媛戦では0-4と大敗。水戸戦同様、同じフォーメーションでハマった状態に持ち込んで優位に立とうと目論んだが、守備では外され、攻撃ではハメられるというそこは愛媛の土俵。J1昇格プレーオフ圏内6位までの勝点4差はまだ可能性があるように見えるが、7位以下は混戦。さらに5位・岡山までの距離も勝点9差に開いていることを考えれば、もう足踏みが許されないところまで来ている。

鳥栖戦の快勝と直後の愛媛戦の大敗は、新フォーメーションの経験値の浅さを示している。鳥栖戦のように前線からプレッシャーがハマり得意の形に持ち込めれば戦えるが、プレッシャーを外された場合に、連動してさらにプレッシャーをかけにいくのか、それともいったん引いてブロックをつくるのか、その判断はこれまでの4バックほど共通理解は深くなく、使い分けもスムーズではない。また、バックライン3枚がボールを持った際に相手の1トップ2シャドーが高い位置から連動してプレッシャーをかけに来たが、「みんな裏を狙って誰も下りてこないという状況もあった」(石井秀典)と3バックが隔離され、それ以外の部分でも守備がハマっていたために、苦し紛れに出したパスも狙われた。前半途中にはボランチの宮阪政樹が下がり石井と一時的に2バックに形を変えて相手プレッシャーをかわす工夫も見られた。しかし、前後半の立ち上がりに喫した失点が最後まで響き、攻撃の活性化を狙いリスクをかけて切った交代カードもさらなる失点につながった。この1週間でシステム的な修正も、球際や切り換えなどシステムに関わらない修正も確認した。ただし、狙った戦い方ができるとは限らない。耐えるべき時間帯でどう耐えながら修正を施していくかも、この試合の課題になりそうだ。

前々節まで山形と同じ勝点で並んでいた京都は前節、群馬に1-0。4試合続いていたドローからようやく抜け出し、5試合ぶりの勝利を挙げた。試合を決めたのは71分のプレー。途中出場した工藤浩平の相手クリアを拾ってからのクロスと、それに合わせた大黒将志の裏へ抜け出してのボレーシュート。いずれも質の高いプレーで、粘り強く対応していた群馬のゴールをこじ開けた。今季19得点の大黒はJ2得点ランキングのトップを走り、チームも勝点を45に伸ばし、第15節以来のJ1昇格プレーオフ圏内に勝点1差で肉迫している。

ドローが続いた4試合は前半のスコアがいずれも0-1。前半に先制されて折り返す展開だった。追いついて勝点を拾い続けてきたものの、ドローばかりではプレーオフ圏内にいつまでも届かない。前節、川勝良一監督は「無理にプレッシングに行ってバランスを崩さないようにしていった」とより守備に意識を置き、素早くブロックを形成する方向に微調整。攻撃から守備に転じた際に極力ギャップをつくらない戦術を選択した。「前半は群馬がいいサッカーをしていて、うちはボールを奪えずにロングボールを蹴ることが多くなってしまった。ただ前半を0で終えることができて流れをつかむことができた」とバヤリッツァ。川勝監督も「前半、ボールを取ることはできなかったが、相手のシュートは抑えることができていたと思う。前半を抑えれば、後半にうちは点を取れるので無理なプレスで穴を空けることなくプレーさせた」と前半を無失点でターンする戦いに手ごたえをつかんでいた。前節前半で負傷交代したドウグラスは今節に間に合わない見込みだが、大黒や三平和司など決定力のある攻撃陣を擁する強みを生かし、前半で堅く戦うスタイルをさらに前へ進めたい。

前回の対戦は第7節。宮阪の直接フリーキックを含むミドルレンジからの2得点と、大黒のゴール前の一瞬の技が生んだ2得点でドロー決着した。京都最大のスロトングポイントが大黒であることに変わりはないが、川勝監督の就任以降、ドリブラーの駒井善成を左サイドバックで起用するなど攻撃力強化が試行されてきた。パワフルなクロスと直線的なオーバーラップが特徴である右の石櫃洋祐との左右対照的なサイドバックの攻撃参加で決定機が増えている。山形は京都の両サイドバックを抑える必要があるが、逆に奪ったあとはそのサイドバックの裏を狙えるほか、中央でもボランチがそろう前のバイタルエリアは比較的広いスペースが残されている。切り換えの早さが決定機につながりやすい試合では、ピンチとチャンスはほぼ同義語だ。

前節同様、京都が先制点を与えまいとリスクを押さえた入りをすれば、山形が得意とする前線からのプレッシングを正面から受けることになり兼ねない。山形が鳥栖戦で見せたように、プレッシャーをかけて潰したり、不十分な態勢で蹴らせて競ったあとのセカンドボールを狙う戦いができるか。それとも京都がプレスをかわしてボールを支配し、敵陣に切り込み、クロスやスルーパスなどで攻めきることができるか。緊張感高まる試合は13時にキックオフされる。

以上

2014.09.19 Reported by 佐藤円
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