新潟が1-0で仙台を下し、リーグ戦の連敗を2で止めた。後半32分、レオ シルバがフリーキックを直接決めた。仙台は4-3-3のシステムで臨んだが、決定的なチャンスは作れなかった。
視界をさえぎるような大粒の雨が、容赦なくたたきつける。それでも、レオ シルバにははっきりと狙うべきコースが見えていた。「壁が少し内側に入っていた。そこを通そうと思った」。ゴール正面付近からのフリーキック。田中亜土夢がフェイントをかけてボールをまたぐ。それに続いて右足を振り抜く。ボールはドライブしながら、GKを交わしてネットに突き刺さった。
「フェイントのおかげで相手のタイミングが少しずれた。弾道もイメージ通り」。自身の今季4点。リーグ戦2連敗と天皇杯3回戦敗退を合わせて3連敗中のチームを、どん底から引き上げるゴールになった。
気持ちの強さが生んだ決勝点だった。「今日は絶対に勝たなければならない試合だった」。前節、新潟はG大阪に0-5で大敗した。その試合、レオ シルバは警告の累積で出場停止。闘志が感じられない試合内容と、その場に自分がいなかったことを悔やんだ。仙台戦に向けて、その無念さを忘れなかった。
練習では常に声を出した。集中を欠いたプレーは厳しく叱責。一方、アグレッシブにチャレンジしたプレーには、ミスであっても励ましの言葉をかけて、前向きな雰囲気を作った。「戦う気持ちを出さなければならなかった。自分が思っていることをみんなに伝えた」。チームの誰もが尊敬する人格者があらわにした、勝利への貪欲さ。それがチームメートの闘志に火を付けた。
新潟はセカンドボールにしつこく絡み、ボール奪取を繰り返した。ゴール前ではこぼれ球を身を挺してキープしてチャンスを連続して作った。G大阪戦後、1対1の競り合い、攻守の切り替えなど、新潟のベースにあるプレーを徹底して鍛え直した。その結果、ボールに対する執着心を取り戻した。「ゴールに向かう、ゴールを守るということを全員が集中してやっていた」。新潟の柳下正明監督は練習の成果を感じ、選手の奮闘をたたえた。
リーグ戦3試合ぶりの勝利はチームを活気づける。レオ シルバは言った。「1つ勝つと満足してしまう悪いクセがある。もっと勝点を積み重ねていけるように、質を高めないと」。隙を見せない大黒柱が、残り11試合のスパートの原動力になる。
仙台も新潟同様の闘志を持って戦った。だが、紙一重のところで勝点を逃した。システムを4-3-3に変更。渡邉晋監督が「相手のダブルボランチにプレッシャーをかける」と言うように、前半は相手の中盤を簡単に自由にはさせなかった。
ただ、攻撃面では攻め込んでからの迫力を欠いた。赤嶺真吾、武藤雄樹らがバイタルでボールを持った後の厚みが足りなかった。攻守に豊富な運動量を見せた梁勇基は「守備面は悪くなかったが、攻撃面で前に人数が少ない場面が多かった」とバランスを課題に感じていた。
これで3連敗。順位は14位。16位のC大阪とは勝点2差と、降格圏が迫ってきた。「まず1つ1つの戦いをしっかりやっていくしかない。戦う以上は1つでも多く勝利を重ね、1つでも順位を上げるように進んでいきたい」。渡邉監督は現状を受け止め、前を向くことを強調した。
今後のチームを図る上でも、勝点が必要だった。新潟は気持ちを前面に出すことの大切を実感した。仙台はシステム変更の中に課題と可能性が残った。
以上
2014.09.14 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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