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【J1:第23節 清水 vs 浦和】レポート:流れをつかみ切れなかった清水と、冷静に自分たちの形に持ち込んだ浦和。前半の明暗が大きな得点差に。(14.09.14)

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4-1という結果だけ見れば、首位・浦和の圧勝だったように感じられるかもしれないが、チーム再建途上の清水が手も足も出なかったかといえば、けっしてそんなことはない。ただ、試合を勝ちきる力という意味では、経験値という面も含めて浦和に一日の長があったことは間違いない。

清水のスタメンは、前週の天皇杯・F東京戦から出場停止のイ キジェが抜けて、スロベニア代表から戻ったノヴァコヴィッチが入るという1枚の変更だけ。システム的には、六平光成を中央に置く3バックの形は変わらないが、左のアウトサイドには石毛が入り、ボランチは本田拓也と水谷拓磨の2枚、トップはノヴァコヴィッチ1枚という形で、F東京戦からは少し変更を加えていた。
浦和のほうは、2シャドーのうちの1枚が梅崎司から李忠成に変更された以外はいつも通りで、もちろんシステムもいつもと同じ3-4-2-1のような形。つまり、戦い方は異なるが、選手の配置はほぼ同じ形で試合が始まった。ただ、スタメンの平均年齢は、浦和が29.45歳なのに対して、清水は29歳以上がノヴァコヴィッチと本田の2人だけで、10代が3人(平均は23.91歳)。通算出場試合数の総計でも大きな差があった。

清水の狙いとすれば、守る時は5バック気味にして浦和独特の攻撃にきっちりと対応し、スコアレスあるいは同点のまま終盤までいけば、最後はスピードのある村田和哉らを投入して若さの勢いを生かせるという思惑もあったはずだ。だからポゼッションで浦和にある程度優位に立たれるのは問題なく、そこから中盤でうまくボールを奪って速攻からチャンスを作れればOKだった。前半20分過ぎまでは、その狙い通りの戦いができ、15分には水谷がしつこいアプローチでボールを奪ったところからのカウンターで高木俊幸が左に飛び出し、そのクロスからノヴァコヴィッチが決定的なシュートを放ったが、これは惜しくもクロスバーを直撃。このシュートが決まっていれば「試合の展開は違ったものになっていたと思う」と浦和のペトロヴィッチ監督も認める試合内容だった。
だが、22分には浦和が初めて中央を崩した攻撃から攻撃参加したDF森脇良太が左足シュート。森脇本人も「ボテボテ」と言うシュートだったが、選手がブラインドになったこととコースが良かったことでGK櫛引政敏も反応できず、ゴール左隅に決まって浦和が先制点を奪う。さらにその6分後には、前からボールを奪いにいこうという意識の出てきた清水に対して、「裏はつねに狙っていた」という森脇のロングフィード一発で李が右の裏に抜け出し、GKとの1対1を冷静に決めて追加点。清水としては、どちらも防ぎようがある失点であり、とくに「2失点目が非常に痛かった」(大榎監督)という早い時間の2失点。これでゲームプランは大きく狂ってしまった。

その後、浦和としては、清水が前からボールを奪いにこないのであれば、後ろでずっとつないでポゼッションしていればいいよという感覚の戦い方になり、そんな中でリスクをあまり負わずに相手の守備を徐々に崩していくというノウハウやスキルも、経験値として充分に備えている。そのため、後半に入っても清水がなかなか高い位置でボールを奪うことができず、流れを取り戻すこともできなかった。その状況に業を煮やした大榎監督は、後半10分が経過する前から大前元紀と高木俊を前に出して2トップに、ノヴァコヴィッチを1列下げてトップ下に置く形に変更。「前から追い込めるようなシステムに変えた」(大榎監督)という意図だったが、なかなか目に見えた効果は表われず、自分たちがボールを持ったときも、パスが途中で引っかかる場面が多く、なかなかラストパスまで至らない状況が続いた。
そんな中で、後半27分に柏木陽介の右CKから槙野智章が綺麗に頭で押し込んで、浦和が3点目をゲット。それに対して清水は、31分に大前の左CKからニアに走り込んだ平岡康裕がコントロール抜群のヘディングをニアポストぎりぎりに決めて1点を返し、35分にはスーパーサブの村田を投入して4バックに変更。その村田の右サイドから何度かチャンスを作りかけたが、決定的な場面には至らない。逆に、アディショナルタイムに入ってGK櫛引のキックミスから4点目を献上し、そのままタイムアップ。浦和はリーグ戦3試合連続の4得点で首位を堅持し、2位との勝点差を4に広げた。

一方、清水のほうはリーグ戦4試合勝ちなし(1分3敗)で、順位を13位に落とし、降格圏とは勝点2差。徐々に尻に火がついてきた中で、ミスからの失点が多いことは早急に修正しなければいけない課題となる。ただ、以前よりもチームとしてまとまりが出てきて、前向きに課題に取り組めていることは間違いないし、水谷やブエノといった新戦力の活躍、大前の復調など明るい材料もある。今後、徐々に危機感が強くなってくる中で、どれだけ自分たちを信じて、自信を持って戦い続けられるかに注目したい。

以上

2014.09.14 Reported by 前島芳雄
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