２位に勝点差１５を付けて首位を独走する勝点７７の湘南。ここまで２４勝５分１敗、全く危なげない展開だ。唯一の敗戦は第１５節、５月２４日アウェイでの愛媛戦。奇しくも讃岐がホームでＪ２初勝利を上げたのもその日だった。

前回の対戦は第１８節、６月１４日湘南のホームゲーム。讃岐は早い時間帯にコーナーキックから２失点、ソンハンキの負傷退場などでリズムをつかめず、木島良輔が得たＰＫでの１得点だけで１−３で敗戦した。あれから３ヶ月、両チームはどう変わったのか。直近の３試合をみると湘南は１勝２分けで勝点５。讃岐は２勝１分けで勝点７。両チームとも得点が５で失点が３だ。前節、湘南はホームで優勝を争う２位松本と１−１でドロー。讃岐はアウェイで自動残留を争う２０位東京?との直接対決に１−０と勝利して、Ｊ２で初めて連勝を記録した。ほぼＪ１復帰を手中にしたチームとＪ２残留に全てを掛けるチームの対戦に興味が尽きない。過去のデータからは、セットプレーでの失点が多い讃岐と極端に少ない湘南が浮き彫りになる。セットプレーがこの試合の明暗を分けるかもしれない。

湘南は前節唯一の得点を挙げたＤＦ遠藤航（U-21日本代表）がアジア大会出場で欠場、ＭＦ菊池大介が累積警告で欠場となる。注目選手は１５得点のＦＷウェリントンと、この試合がＪ２出場１００試合となる５得点のＦＷ武富孝介だ。湘南の曹貴裁監督が初対決後のコメントで３−１の勝利にもかかわらず「今季いちばんひどい後半だった」と反省したように、Ｊ１での戦いを見据える湘南は下位チーム相手に理想の攻撃を仕掛けてくるはずだ。

讃岐の北野誠監督に話を聞くと「まずはメンタルの部分が大切。一番問題なのは、前節直接対決で東京?に勝ってホッとしているところだと思うんで。いやそうじゃ無い、まだ勝点差が４あるんだという事をしっかり話し合ってこの１週間、強い湘南に勝つために調整してきた。ダダ引きしてはダメだし。前回やられたのはつまらないミスやセットプレーからの高さの部分なので、そこに気をつけたい。難しい試合になるとは思うけど相手は首位のチーム、割り切って戦えるので、それは逆にラッキーかもしれない」慎重に言葉を選びながら話す北野監督からはこの試合にかける気合がヒシヒシと伝わって来た。

讃岐はＭＦ山本翔平が累積警告で出場停止。ＭＦ岡村和哉は「２連勝したが気を緩めることなく戦いたい。いまの戦い方を続けられれば勝点が取れる手ごたえはある。引く時間が多くなると思うので、そこでどれだけ身体を張って守れるかが勝負。相手の動きをしっかり捕まえたい。攻撃ではミドルを意識して打って枠に飛ばせたい」と語り、前節途中出場から決勝点の起点になったＭＦ大沢朋也は「相手は前へどんどん出てくると思うので、僕の所や中盤でタメを作って相手の攻撃をスピードダウンさせたい」と語った。

取材に訪れた昨日、練習前のミーティングは実に４５分間、この長さは讃岐がこの試合に掛ける意気込みの強さだ。９月１４日（日）ホーム丸亀競技場、相手は首位湘南。讃岐は今季最高の檜舞台に立つ。絶対に負けられない、そして見逃せない戦いだ。

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2014.09.13 Reported by 大森一（オフィスひやあつ）