新潟は勝点28で11位、仙台は同25の13位。ともに2連敗中。どちらも浮上のきっかけをつかむために、勝点3が欲しい一戦だ。
新潟で勢いを付けられる存在になるのが右サイドバックの松原健だ。キリンチャレンジカップのウルグアイ戦、ベネズエラ戦に向けた日本代表に初選出された。出場機会はなかったが、向上心は高まった。代表で受けた刺激を形にする場が仙台戦だ。
「代表に行って、意識は変わりました」。力強い言葉を、松原は練習から形にした。代表から新潟に戻って最初の練習になった10日、実戦形式では定位置の右サイドバックに入り、淡々と、そしてアグレッシブにプレーした。
新潟は、0-5で敗れた前節G大阪戦から2週間空いての試合だ。1対1の対応、攻守の切り替えなど、対人と走力を重視したトレーニングを積んできた。松原は、代表招集のためこの間ほぼ不在だったが、激しさを増したチームメートのプレーに気後れすることなく乗って行った。
代表メンバーとトレーニングし、間近で試合を見たことは財産になった。「ルーズボールの寄せを速くすること。裏に出されたボールにも速く寄せる。新潟の練習で意識してやりたいと思った」。感じた課題とチームが行っていることは一致した。
積極的なオーバーラップからのクロスが最大の武器。日本代表でのアピールポイントでもあった。ただ、今後は、まず守備を磨き直すことを重視するつもりだ。「まずしっかり守ってそこから攻撃。それがDFのおきて」。長友佑都、酒井高?、酒井宏樹。海外でプレーする代表のサイドバック陣と接して得たことを教訓にする。
仙台戦はチームにとっても、松原個人に取っても重要な試合になる。「仙台戦では代表で経験したことを生かしたい。周囲の見る目も変わってくると思う。そういうプレッシャーに負けずに平常心でプレーしたい」。3試合ぶりの勝利に向けて、成長の一端を武器にする。
仙台は前節、横浜FMに1-2で敗れた。後半のアディショナルタイムにセットプレーから決勝点を奪われた。この試合、奪われた先制点もコーナーキックから。新潟はセットプレーからの得点が特に多い方ではないが、195センチのFW指宿洋史に180センチを越える舞行龍ジェームズ、大井健太郎のセンター陣と、高さがあるだけに、1つのポイントになる。
それ以上に、自分たちのリズムで攻撃することが重要になる。故障から復帰したウイルソンの突破に、鹿島から移籍後、連係の精度を増している野沢拓也のパスと、攻撃を形作る要素は明確にある。プレスを押し返し、ロングボールで有効に起点を作る展開に持ち込めば、相手を十分に揺さぶることができる。何より、ここで勝点3を積み上げることで上位への希望が生まれてくる可能性があるだけに、モチベーションは上がるはず。
今季の開幕戦は2-1、7月のプレシーズンマッチは3-2といずれも新潟が勝っている。ただ、当時とはどちらもチーム状態が変わっているだけに、参考にはならない。今取り組んでいることをピッチで表現することが、勝点3への最大の近道になる。
以上
2014.09.12 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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