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【J1:第23節 C大阪 vs 柏】プレビュー:J1残留を果たすため、大熊新体制での再起を期すC大阪。リーグ戦8月負けなしの柏と対戦。(14.09.13)

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現在勝点20で16位。J1リーグ戦11試合勝ちなしという苦況にあえぎ、9月8日には今季2度目の監督交代を断行。『育成型クラブ』の象徴と言えるアカデミー組織を統括していた、大熊裕司アカデミーダイレクター兼U-18監督にトップチームの指揮官を委ねただけでなく、コーチ陣にも育成スタッフが名を連ねる非常事態となった、C大阪。下方修正せざるを得なくなった『J1残留』という目標達成のために、クラブの総力を持って、ここからの12試合に挑んでいく。その新体制リーグ戦初陣では、大熊監督の現役時代の原点となったチームでもある柏を、ホームのヤンマースタジアム長居に迎え撃つ。

10日の天皇杯ラウンド16では、2-0と磐田に勝利し、準備期間わずか2日ながら、大熊監督のもとで初白星を飾ったC大阪。南野拓実が公式戦4試合連続得点、秋山大地も公式戦デビューで持ち味をしっかり発揮するなど、大熊監督がC大阪U-18で鍛え上げた愛弟子が奮闘。また、永井龍が待望の今季初得点を決めれば、杉本健勇、小谷祐喜らをはじめ、育成出身者を中心に「走る」、「戦う」というコンセプトを体現したサッカーを見せ、久々に長居の地は桜色のサポーターの拍手と笑顔に包まれた。

これで7日のヤマザキナビスコカップ準々決勝第2戦とあわせて、公式戦2連勝。15日間で5試合というハードスケジュールのうえ、今週は中2日間隔での試合が続くが、今の勢いを持続していきたいところだ。「もう負けは許されないし、チームの目標に向かって1つになって進むなか、勝ちが必要になってくるので、そこは大事にしていきたい」と小谷も言うように、今節の柏戦も、C大阪は勝ちにこだわる。

しかし、C大阪としては、最近の2連勝の現実も確認しなければならない。ヤマザキナビスコカップ準々決勝第2戦、アウェイで3-2と逆転勝利した川崎F戦は、1-3と敗れた第1戦からのスタートであり、劣勢を挽回しようと遮二無二ゴールに向かったなか、ベスト4に進むための最後の1点が足りなかった。また、天皇杯では、今季J2での戦いを強いられている磐田との戦いで、相手のエースFW前田遼一が不在、主将の松井大輔もベンチからのスタートのなか、特に前半はミスが目立ち、危ないシーンも散見されていた。

今回のJ1リーグ戦では、8月3勝2分と負けなしで、ヤマザキナビスコカップ準々決勝でも横浜FMを相手に2試合とも勝利するなど、勢いのある柏との対戦。ネルシーニョ監督率いる上位争い中のチームは、一瞬の隙を逃さない実力も持ち合わせており、C大阪としては厳しい戦いが待ち受けているだろう。そのなかで、山口蛍ら負傷者が複数いるだけでなく、中盤の要の1人である長谷川アーリアジャスールも虫垂炎のために離脱を余儀なくされ、総力戦が続くC大阪。磐田戦のようなアグレッシブな姿勢が出せるのかどうかが、リーグ戦12試合ぶりの勝利へのポイントとなるのは言うまでもない。

一方の柏は、C大阪とは対照的に、中5日という十分な調整期間で、アウェイの地に乗り込める。しかも、天皇杯3回戦で千葉にPK戦の末に敗れた以外は、8月から負けなし。勝点35の6位で、首位とは9差つけられているものの、まだタイトルを狙える位置にいるのも確かだ。最近リーグ戦5試合だけを見ても、12得点4失点と、攻守ともに安定。特に、工藤壮人、レアンドロの、2枚看板とも言えるストライカー陣が公式戦3試合連続ゴール中と好調であり、今節も彼らのパフォーマンスが勝敗の鍵を握りそうだ。

第6節では、ACLタイ遠征直後の試合となったC大阪が、田中順也(現スポルティング・リスボン)とレアンドロにゴールを奪われ、1-2と敗北しているが、果たして今節はどうなるのか。当時は6分で柏が先手を取っているだけに、今回も試合開始直後から見逃せない戦いが続くだろう。若きC大阪の勢いが勝るのか、それとも、柏の試合巧者ぶりが再び上回るのか。両指揮官の采配とあわせて注目したい。

以上

2014.09.12 Reported by 前田敏勝
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